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旅の始まり
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「さてと……これでいいかな」
僕はそう言って、そこそこの大きさの鞄を閉じた。
今日、僕はこの町を出る。
世界を見て回るために、自分の世界を広げるために。
『マスター準備できましたか……ってうわ』
「なにその反応⁉︎」
アイが部屋に入ると僕の姿を見て驚いた反応を示した。
『いえマスターの格好がだいぶへ……変わったので驚いてしまいました』
「そう?」
いや、いま「変」って言いかけてたよね?
僕の今の格好は、普通のシャツに茶色のズボン、帽子にその上からゴーグル、そして茶色のマントや革のブーツで基本的に地味な格好だけど……。
『いつものマスターとは違うイメージがします』
「それはそうかもね……この格好をすることなんて普通なら無いよ」
これは旅の中、様々な環境でも身を守るための簡単な装備だ。
僕達が行く所では、まだ交通手段が足だけの場合もあるだろう。
これはとても大事なことだ。
「ていうかアイも同じ格好だよね?」
アイも、所々装飾されて僕が着ているものより女性用の旅のセットを既に着ている。
『ふ……お目が高いですねマスター……まさか気づくとは』
「いや着てるからね?わからないとおかしいでしょ」
アイは僕の言葉を無視してその場で回転する。
『我こそはアイ!忠実なるマスターの僕!今日!私たちの伝説が』
「うるさい」
『キャイン!』
「あっ婆ちゃん」
アイの口上を後ろから空手チョップで祖母が止めに入った。
「……」
祖母はアイと僕を交互に見ると。
「ふん……まぁまぁ似合ってるじゃ無いか」
『でヘヘヘ』
祖母にそう言われて嬉しかったのか、アイの顔が緩む、凄い緩んでる。
「アークの方は……ふむ…………」
「……」
「……」
「あれ⁉︎何もコメントが無いかんじ⁉︎」
「馬子にも衣装」
「大して褒めてない‼︎」
アイにも言われたけど、そんなに似合ってないのかな……
「最初は西に向かえ」
僕の服装イジリが一通り終わってから祖母が話を始める。
『西?何故ですか?』
「あっ、たしかに西の方がいいね」
祖母の言葉に僕は賛同する。
『西には何があるのですか?』
「じゃあアーク後は頼んだよ」
『あの?』
「わかった。じゃあアイ行こうか」
『西には何があるですか⁉︎』
「ほらほら早く行こう。婆ちゃんからの袋も貰ったし」
『いやそれよりも……いやそれも大切なことですが!』
「ほら行くよ~」
『あぁぁぁ』
僕はアイを連行する様にズルズルと運びながら村を出た。
「西にはね、“冒険者ギルド”があるんだ」
村の門を出て少しした後、僕は移動用の馬を作るために材料を集めながら、西について話した。
『冒険者!』
「知ってるの?」
『はい!前マスターから聞いてました!「死ぬ確率が最も高い職業No. 1、だけど英雄譚が多くある職業No.1でもある」と!』
「う~ん、半分正解」
『あれ?』
僕の返答にアイは首を傾げる。
「昔はそうだったんだけど、今は死亡率が低いんだ」
『おや?そうなのですか?』
「うん。昔は常に人手不足で国は領地の犯罪者を捕らえるのに精一杯で魔獣の退治まで手が回らなかったんだ」
『なるほど、そこで冒険者ですね!』
「うんけど、冒険者は多くの魔獣を討伐したけど、冒険者も多く死んだ」
『なるほど、前マスターの言っていた通りですね』
「そうだね。けど魔法の発展によって治安もよくなり、人口も増えて魔獣の退治は訓練を積んだ兵隊も加わるようになって」
『死亡率は減ったと」
「その通り、今の冒険者は危険度の低い魔獣の退治と日雇いの労働をしてるのがほとんどだよ」
そこが僕たちにとってありがたい、お金が無くなれば日雇いでお金が稼げるし世界を見て回るのに丁度良いんだ。
『だから、私たちは冒険者になるのですね』
「そう。それに冒険者の発行するカードは戸籍の代わりにもなるから、身分の証明にもなるし、堂々と外国に行くこともできる」
『良いことづくしですね!』
これは元々、人手不足を補うために入国の手間を省くために生まれた方法だ。
「そう。だから冒険者になれる西の街に行く」
『了解です!』
話もひと段落したところで、材料も集まり、僕は移動用の馬を作る。
『改めて見ると凄いですね。前マスターが諦めた材料でよく出来ましたよ』
「いや~それほどでも~」
『程よく嬉しそうな顔をしてますねマスター』
おっといけないいけない。嬉しくつい頬が緩んでしまった。
『そういえば冒険者はもう英雄譚を作れないのでしょうか?』
「どうだろう?僕が生まれてから英雄譚は全く聞かないよ?」
石に土が混ざり馬の形になる。
それに早速、またがる。
『なら……マスターが新しい英雄譚を作るかもしれないですね』
「いいね。英雄譚憧れるよ」
『タイトルは“新人冒険者の大虐殺英雄譚”でどうでしょう?』
「アウト‼︎」
僕はそう言って、そこそこの大きさの鞄を閉じた。
今日、僕はこの町を出る。
世界を見て回るために、自分の世界を広げるために。
『マスター準備できましたか……ってうわ』
「なにその反応⁉︎」
アイが部屋に入ると僕の姿を見て驚いた反応を示した。
『いえマスターの格好がだいぶへ……変わったので驚いてしまいました』
「そう?」
いや、いま「変」って言いかけてたよね?
僕の今の格好は、普通のシャツに茶色のズボン、帽子にその上からゴーグル、そして茶色のマントや革のブーツで基本的に地味な格好だけど……。
『いつものマスターとは違うイメージがします』
「それはそうかもね……この格好をすることなんて普通なら無いよ」
これは旅の中、様々な環境でも身を守るための簡単な装備だ。
僕達が行く所では、まだ交通手段が足だけの場合もあるだろう。
これはとても大事なことだ。
「ていうかアイも同じ格好だよね?」
アイも、所々装飾されて僕が着ているものより女性用の旅のセットを既に着ている。
『ふ……お目が高いですねマスター……まさか気づくとは』
「いや着てるからね?わからないとおかしいでしょ」
アイは僕の言葉を無視してその場で回転する。
『我こそはアイ!忠実なるマスターの僕!今日!私たちの伝説が』
「うるさい」
『キャイン!』
「あっ婆ちゃん」
アイの口上を後ろから空手チョップで祖母が止めに入った。
「……」
祖母はアイと僕を交互に見ると。
「ふん……まぁまぁ似合ってるじゃ無いか」
『でヘヘヘ』
祖母にそう言われて嬉しかったのか、アイの顔が緩む、凄い緩んでる。
「アークの方は……ふむ…………」
「……」
「……」
「あれ⁉︎何もコメントが無いかんじ⁉︎」
「馬子にも衣装」
「大して褒めてない‼︎」
アイにも言われたけど、そんなに似合ってないのかな……
「最初は西に向かえ」
僕の服装イジリが一通り終わってから祖母が話を始める。
『西?何故ですか?』
「あっ、たしかに西の方がいいね」
祖母の言葉に僕は賛同する。
『西には何があるのですか?』
「じゃあアーク後は頼んだよ」
『あの?』
「わかった。じゃあアイ行こうか」
『西には何があるですか⁉︎』
「ほらほら早く行こう。婆ちゃんからの袋も貰ったし」
『いやそれよりも……いやそれも大切なことですが!』
「ほら行くよ~」
『あぁぁぁ』
僕はアイを連行する様にズルズルと運びながら村を出た。
「西にはね、“冒険者ギルド”があるんだ」
村の門を出て少しした後、僕は移動用の馬を作るために材料を集めながら、西について話した。
『冒険者!』
「知ってるの?」
『はい!前マスターから聞いてました!「死ぬ確率が最も高い職業No. 1、だけど英雄譚が多くある職業No.1でもある」と!』
「う~ん、半分正解」
『あれ?』
僕の返答にアイは首を傾げる。
「昔はそうだったんだけど、今は死亡率が低いんだ」
『おや?そうなのですか?』
「うん。昔は常に人手不足で国は領地の犯罪者を捕らえるのに精一杯で魔獣の退治まで手が回らなかったんだ」
『なるほど、そこで冒険者ですね!』
「うんけど、冒険者は多くの魔獣を討伐したけど、冒険者も多く死んだ」
『なるほど、前マスターの言っていた通りですね』
「そうだね。けど魔法の発展によって治安もよくなり、人口も増えて魔獣の退治は訓練を積んだ兵隊も加わるようになって」
『死亡率は減ったと」
「その通り、今の冒険者は危険度の低い魔獣の退治と日雇いの労働をしてるのがほとんどだよ」
そこが僕たちにとってありがたい、お金が無くなれば日雇いでお金が稼げるし世界を見て回るのに丁度良いんだ。
『だから、私たちは冒険者になるのですね』
「そう。それに冒険者の発行するカードは戸籍の代わりにもなるから、身分の証明にもなるし、堂々と外国に行くこともできる」
『良いことづくしですね!』
これは元々、人手不足を補うために入国の手間を省くために生まれた方法だ。
「そう。だから冒険者になれる西の街に行く」
『了解です!』
話もひと段落したところで、材料も集まり、僕は移動用の馬を作る。
『改めて見ると凄いですね。前マスターが諦めた材料でよく出来ましたよ』
「いや~それほどでも~」
『程よく嬉しそうな顔をしてますねマスター』
おっといけないいけない。嬉しくつい頬が緩んでしまった。
『そういえば冒険者はもう英雄譚を作れないのでしょうか?』
「どうだろう?僕が生まれてから英雄譚は全く聞かないよ?」
石に土が混ざり馬の形になる。
それに早速、またがる。
『なら……マスターが新しい英雄譚を作るかもしれないですね』
「いいね。英雄譚憧れるよ」
『タイトルは“新人冒険者の大虐殺英雄譚”でどうでしょう?』
「アウト‼︎」
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