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ソファに座る俺に背後から貫かれた倖大は、俺がうなじを舐め上げると甘い声で鳴いた。逃げようとする耳を口で捕らえて耳殻から舐めあげ、腰を揺らす動きに合わせてじゅぶじゅぶと唾液の音を立てる。
うわ言のように『もっと、もっと』と言うから両手の指で乳首を転がすと、全身を震わせて達したのだ。
精液を搾り取ろうとする内部のうねりにグッと耐えてから倖大の中心部を覗くと、ソファを汚さないようにつけてあったコンドームに精液は溜まらず、まだふるふると勃ちあがったままだった。
倖大は射精することなく達したのだ。そんなドエロい才能を開花させた恋人が可愛くて嬉しくて、つい箍が外れてしまった自覚はあった。
身体を重ねるたび、倖大は抱き心地が良くなる。それは肌と肌が馴染む感覚であったり、流れるようにお互いの願望を読み取る瞬間に感じたりする。
なによりも開発途中の身体は打てば響くような反応が返ってくるし、ときには期待以上の反応をみせることもあって、抱くのが楽しくて仕方ないのだ。
俺が楽しくなってからかい過ぎると、倖大は言葉で反撃してくる。
『シャンプーとボディーソープよく間違えるくせに』とか『廊下の角に足の指ぶつけまくってるくせに』とか。見てきたように俺の情けない部分を指摘するから問いただせば、前のアパートは風呂場も壁が薄かったのだと目を逸らして白状した。
変な言い訳だったが、こいつにも罪悪感とかあったのかと変なところに驚いた。俺だって倖大のプライベートを独占しているから、自分のことを観察されていても何とも思わないけどな。
それに――
俺はブラインドの隙間から陽光が差しこむ広い寝室を見渡した。一面だけ夜空色になっている壁。中心にはキングサイズのベッドが鎮座していて、くしゃくしゃのシーツの上に俺たちは横たわっている。
反対側のドアを抜ければ、今度はグレーのアクセントクロスが特徴のもっと広いリビングルームがある。
いまはもう、一緒に暮らしているのだ。ひとりのときは住むところの良し悪しなんて全く気にしていなかったけど、恋人と一緒なら話は別だ。
住み心地のいい巣を用意してなんの疑問も持たずそこに収まってもらって、すべてを俺の目に見えるところに置いておきたかった。
そんな自分をさらけ出しても受け入れてくれる倖大の存在は、俺にとって一生手放せないほどの貴重な、得がたい宝物だ。
もうすぐ倖大の就活が始まる。髪の色を戻さないのかと問えばまた、「それって必要?」と返されて閉口した。
こいつはちょっと……かなり世間の常識からズレているけど、親に似て頭だけはめちゃくちゃ良い。就活前でも企業からのスカウトは何度もあったと言っていたから、就職先なんてすぐに見つかるだろう。
初めて倖大の部屋を見たとき、やけに高性能そうなパソコンとモニターがいくつもあって驚いたことが今となっては懐かしい。
ずっと家に閉じ込めておきたいという願望がないとは言わない。けれど、学校や仕事に出かけても毎日俺の元へ帰ってくること、それを実感できることが重要なんだと思う。
一緒に働けば金も早く貯まるだろうし、海外で挙式とかもいいな……
「結婚して、一生しあわせに暮らそうな」
まだ夢の中にいる恋人へ囁きかける。
俺みたいなのが、世間では決して王子様なんて言わないことはわかっている。それでも倖大の前ではかっこいい王子様でありたい。
王子様のキスでお姫様は目を覚ますんだろ?
俺はそう言い訳して、目の前の唇にちょっといじわるなキスをした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
これにて完結です。これまでのお話の傾向とはちょっと違いますが、いかがでしたでしょうか?
ぶっとんだ倫理観低めの受けを書いていたら、勝手にサイコパスな攻めが呼びにきました。(笑)
あまり人気のなさそうなお話ですが、作者は気に入ってます!
ここでお知らせを。
アルファポリスBL小説大賞が11月から開催されますね。
おもちDXも新作で参加予定ですので、ぜひ読んでみてください!
10月末から投稿します。
異世界ファンタジーのかわいいお話と、中華風ファンタジーのちょっと切ないお話です。どちらもハピエンですが、雰囲気がだいぶ異なりますのでご注意を。
初参加ですので、読んでみてお好みだったら応援していただけると嬉しいです。
うわ言のように『もっと、もっと』と言うから両手の指で乳首を転がすと、全身を震わせて達したのだ。
精液を搾り取ろうとする内部のうねりにグッと耐えてから倖大の中心部を覗くと、ソファを汚さないようにつけてあったコンドームに精液は溜まらず、まだふるふると勃ちあがったままだった。
倖大は射精することなく達したのだ。そんなドエロい才能を開花させた恋人が可愛くて嬉しくて、つい箍が外れてしまった自覚はあった。
身体を重ねるたび、倖大は抱き心地が良くなる。それは肌と肌が馴染む感覚であったり、流れるようにお互いの願望を読み取る瞬間に感じたりする。
なによりも開発途中の身体は打てば響くような反応が返ってくるし、ときには期待以上の反応をみせることもあって、抱くのが楽しくて仕方ないのだ。
俺が楽しくなってからかい過ぎると、倖大は言葉で反撃してくる。
『シャンプーとボディーソープよく間違えるくせに』とか『廊下の角に足の指ぶつけまくってるくせに』とか。見てきたように俺の情けない部分を指摘するから問いただせば、前のアパートは風呂場も壁が薄かったのだと目を逸らして白状した。
変な言い訳だったが、こいつにも罪悪感とかあったのかと変なところに驚いた。俺だって倖大のプライベートを独占しているから、自分のことを観察されていても何とも思わないけどな。
それに――
俺はブラインドの隙間から陽光が差しこむ広い寝室を見渡した。一面だけ夜空色になっている壁。中心にはキングサイズのベッドが鎮座していて、くしゃくしゃのシーツの上に俺たちは横たわっている。
反対側のドアを抜ければ、今度はグレーのアクセントクロスが特徴のもっと広いリビングルームがある。
いまはもう、一緒に暮らしているのだ。ひとりのときは住むところの良し悪しなんて全く気にしていなかったけど、恋人と一緒なら話は別だ。
住み心地のいい巣を用意してなんの疑問も持たずそこに収まってもらって、すべてを俺の目に見えるところに置いておきたかった。
そんな自分をさらけ出しても受け入れてくれる倖大の存在は、俺にとって一生手放せないほどの貴重な、得がたい宝物だ。
もうすぐ倖大の就活が始まる。髪の色を戻さないのかと問えばまた、「それって必要?」と返されて閉口した。
こいつはちょっと……かなり世間の常識からズレているけど、親に似て頭だけはめちゃくちゃ良い。就活前でも企業からのスカウトは何度もあったと言っていたから、就職先なんてすぐに見つかるだろう。
初めて倖大の部屋を見たとき、やけに高性能そうなパソコンとモニターがいくつもあって驚いたことが今となっては懐かしい。
ずっと家に閉じ込めておきたいという願望がないとは言わない。けれど、学校や仕事に出かけても毎日俺の元へ帰ってくること、それを実感できることが重要なんだと思う。
一緒に働けば金も早く貯まるだろうし、海外で挙式とかもいいな……
「結婚して、一生しあわせに暮らそうな」
まだ夢の中にいる恋人へ囁きかける。
俺みたいなのが、世間では決して王子様なんて言わないことはわかっている。それでも倖大の前ではかっこいい王子様でありたい。
王子様のキスでお姫様は目を覚ますんだろ?
俺はそう言い訳して、目の前の唇にちょっといじわるなキスをした。
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お読みいただきありがとうございます。
これにて完結です。これまでのお話の傾向とはちょっと違いますが、いかがでしたでしょうか?
ぶっとんだ倫理観低めの受けを書いていたら、勝手にサイコパスな攻めが呼びにきました。(笑)
あまり人気のなさそうなお話ですが、作者は気に入ってます!
ここでお知らせを。
アルファポリスBL小説大賞が11月から開催されますね。
おもちDXも新作で参加予定ですので、ぜひ読んでみてください!
10月末から投稿します。
異世界ファンタジーのかわいいお話と、中華風ファンタジーのちょっと切ないお話です。どちらもハピエンですが、雰囲気がだいぶ異なりますのでご注意を。
初参加ですので、読んでみてお好みだったら応援していただけると嬉しいです。
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