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過去 フランシーヌの乳母side 2
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エイミー様は、小さいながらにとても美しい方でした。
薄いブロンドの髪は女神のよう。
深い青の瞳は海のよう。
真っ赤で薄い唇は妖艶さを漂わせ、少し色のついた頰は薔薇色でした。
まるで、お人形のように美しいのです。
そんなエイミー様にフランシーヌ様は駆け寄り、自室へ連れて行きました。
暫くの間お二人はとても仲良く過ごされていました。
フランシーヌ様とエイミー様の関係が壊れてしまったのは、いつのことだったのでしょう。
まず、旦那様がエイミー様ばかりと遊んであげるようになりました。
フランシーヌ様はそれを見て、少し寂しそうになさっていました。
旦那様は、エイミー様をしょっちゅう外に連れ出しました。
奥様はそれを黙って見ていました。
旦那様は、フランシーヌ様に厳しくなりました。
フランシーヌ様は悔しさで唇を噛んでおりました。
旦那様は、エイミー様と出かけるばかりで、屋敷に帰ってこなくなりました。
奥様はご自分を責めました。
旦那様は、フランシーヌ様のお相手をすることが少なくなりました。
奥様は、自分が悪いのだろうと責め続け、遂には精神状態がおかしくなってしまわれました。
その時旦那様は、別荘を建てました。
夏の間、皆さまはそこで過ごされました。
奥様の精神状況も安定しました。
フランシーヌ様は、またエイミー様と仲良くなりました。
旦那様も、お二人を平等に愛されていました。
フランシーヌ様は、エイミー様の12歳の誕生日に、エイミー様の瞳の色とそっくりなサファイアのイヤリングをお渡ししました。
それをつけて、エイミー様は社交界にデビューなさいました。
エイミー様が13歳の誕生日に、旦那様はお屋敷でエイミー様にサプライズをしようと言いました。
皆さまはそれに賛成して、楽しく準備をなさっていました。
エイミー様の誕生日のサプライズは、無事に成功しました。
エイミー様はとても喜んでいらっしゃいました。
でも、その次の日。
エイミー様は部屋に籠り、誰も部屋に入れませんでした。
一日中、部屋に籠っていらっしゃいました。
フランシーヌ様はそれを心配して、エイミー様の部屋にこっそりと入ろうとしました。
ですが、通してはくれませんでした。
エイミー様を心配した奥様は、合鍵でエイミー様の部屋に入りました。
それに続いて、フランシーヌ様も入りました。
エイミー様は入浴をなさっていて、それに気づかなかったのです。
そうしてエイミー様の部屋から出てきたフランシーヌ様は、真っ青でした。
奥様も真っ青な顔をしていました。
フランシーヌ様が手に持っていたのは、イヤリング。
エイミー様が12歳の時にプレゼントした、サファイアのイヤリング。
そのイヤリングは、投げられ、踏まれたのでしょうか。
汚れて金具も外れてしまい、原型を留めておりませんでした。
フランシーヌ様は、私にだけ話して下さいました。
エイミー様の机の上にこれが置いてあったのだと。
奥様も、エイミー様のお部屋に入った後にご様子がおかしくなってしまいました。
狂ってしまわれたのです。
どんな精神科医も、匙を投げました。
奥様は一日中エイミー、ごめんね…と言い続けるのです。
そしてある時、奥様はお屋敷を抜け出し、馬車の前に飛び出して亡くなりました。
エイミー様はそれを聞いて、私は悪くない、と叫ばれました。
フランシーヌ様はそんなエイミー様の頰を叩き、貴女のせいだと罵りました。
旦那様は、エイミー様を守るようになりました。
エイミー様は、社交界で子息たちを侍らせるようになりました。
旦那様は、エイミー様をじっと見つめているだけでした。
そして、今回。
フランシーヌ様が倒れた後、私は言いました。
「旦那様に言いつけておきます。なんとふしだらな……。許されると思ってはなりません。」
エイミー様は仰いました。
「ええ、いいわ。むしろ許されない方が嬉しいもの。良かった。」
そう言って無邪気に笑うのです。
もう、乱れた服装を誤魔化そうともしていませんでした。
ベッドのシーツも乱れおり、その上に寝そべって、エイミー様は愉快そうに笑いました。
屋敷に、笑い声が響きます。
あの女は悪魔です。
薄いブロンドの髪は女神のよう。
深い青の瞳は海のよう。
真っ赤で薄い唇は妖艶さを漂わせ、少し色のついた頰は薔薇色でした。
まるで、お人形のように美しいのです。
そんなエイミー様にフランシーヌ様は駆け寄り、自室へ連れて行きました。
暫くの間お二人はとても仲良く過ごされていました。
フランシーヌ様とエイミー様の関係が壊れてしまったのは、いつのことだったのでしょう。
まず、旦那様がエイミー様ばかりと遊んであげるようになりました。
フランシーヌ様はそれを見て、少し寂しそうになさっていました。
旦那様は、エイミー様をしょっちゅう外に連れ出しました。
奥様はそれを黙って見ていました。
旦那様は、フランシーヌ様に厳しくなりました。
フランシーヌ様は悔しさで唇を噛んでおりました。
旦那様は、エイミー様と出かけるばかりで、屋敷に帰ってこなくなりました。
奥様はご自分を責めました。
旦那様は、フランシーヌ様のお相手をすることが少なくなりました。
奥様は、自分が悪いのだろうと責め続け、遂には精神状態がおかしくなってしまわれました。
その時旦那様は、別荘を建てました。
夏の間、皆さまはそこで過ごされました。
奥様の精神状況も安定しました。
フランシーヌ様は、またエイミー様と仲良くなりました。
旦那様も、お二人を平等に愛されていました。
フランシーヌ様は、エイミー様の12歳の誕生日に、エイミー様の瞳の色とそっくりなサファイアのイヤリングをお渡ししました。
それをつけて、エイミー様は社交界にデビューなさいました。
エイミー様が13歳の誕生日に、旦那様はお屋敷でエイミー様にサプライズをしようと言いました。
皆さまはそれに賛成して、楽しく準備をなさっていました。
エイミー様の誕生日のサプライズは、無事に成功しました。
エイミー様はとても喜んでいらっしゃいました。
でも、その次の日。
エイミー様は部屋に籠り、誰も部屋に入れませんでした。
一日中、部屋に籠っていらっしゃいました。
フランシーヌ様はそれを心配して、エイミー様の部屋にこっそりと入ろうとしました。
ですが、通してはくれませんでした。
エイミー様を心配した奥様は、合鍵でエイミー様の部屋に入りました。
それに続いて、フランシーヌ様も入りました。
エイミー様は入浴をなさっていて、それに気づかなかったのです。
そうしてエイミー様の部屋から出てきたフランシーヌ様は、真っ青でした。
奥様も真っ青な顔をしていました。
フランシーヌ様が手に持っていたのは、イヤリング。
エイミー様が12歳の時にプレゼントした、サファイアのイヤリング。
そのイヤリングは、投げられ、踏まれたのでしょうか。
汚れて金具も外れてしまい、原型を留めておりませんでした。
フランシーヌ様は、私にだけ話して下さいました。
エイミー様の机の上にこれが置いてあったのだと。
奥様も、エイミー様のお部屋に入った後にご様子がおかしくなってしまいました。
狂ってしまわれたのです。
どんな精神科医も、匙を投げました。
奥様は一日中エイミー、ごめんね…と言い続けるのです。
そしてある時、奥様はお屋敷を抜け出し、馬車の前に飛び出して亡くなりました。
エイミー様はそれを聞いて、私は悪くない、と叫ばれました。
フランシーヌ様はそんなエイミー様の頰を叩き、貴女のせいだと罵りました。
旦那様は、エイミー様を守るようになりました。
エイミー様は、社交界で子息たちを侍らせるようになりました。
旦那様は、エイミー様をじっと見つめているだけでした。
そして、今回。
フランシーヌ様が倒れた後、私は言いました。
「旦那様に言いつけておきます。なんとふしだらな……。許されると思ってはなりません。」
エイミー様は仰いました。
「ええ、いいわ。むしろ許されない方が嬉しいもの。良かった。」
そう言って無邪気に笑うのです。
もう、乱れた服装を誤魔化そうともしていませんでした。
ベッドのシーツも乱れおり、その上に寝そべって、エイミー様は愉快そうに笑いました。
屋敷に、笑い声が響きます。
あの女は悪魔です。
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