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一話
二種類の宝物
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「なるほど。宝物か」
夜、いつものように僕は千尋と夕飯を食べていた。
今日はキムチ鍋らしい。うん、発汗作用が見込めるよね。
野菜もたっぷり入っていて、体に良さそうだ。
だんだん涼しくなってきたし、お鍋が美味しい。
締めはおじやだそうだ。
「加那、はいよ」
千尋が取り皿にキムチ鍋をよそってくれた。
「ありがとう、千尋」
「ん。それにしても総合的な学習の時間なんて懐かしいな。俺達もやってたし。
で、その宝物ってのは授業にどう関係してくるんだ?」
「それがね、宝物には二種類あるんだって」
「へえ」
今日の放課後、僕は図書室にやってきた月くん達に話を聞いたのだった。
彼が言うには、宝物には二種類ある。見えるものと見えないもの。
見える宝物は分かりやすい。形があって触れる。愛着を持てる。
人に自慢したり、自分で眺めたりもできる。
一方で見えない宝物はその名の通り見えない。
それは見えないけれど、心の中に確かに存在している。
それを心の支えとしている人もいる。
見える宝物は壊れる。でも見えない宝物も同じように壊れる。
だから僕達はそれをとても大事にする。
一つも失いたくないから。
どちらの宝物も僕らが生きている間に少しずつ増えていく。
それを守るように僕達は生きるようになる。
僕はこんな感じで千尋に伝えた。
「なるほどな。まあそれなら年を取って、保守的になるのも無理はないよな」
千尋が頷いてくれた。こうして黙って僕の話を聞いてくれる彼が僕は大好きだ。
「ご飯、おかわりいるか?」
「うん!」
そんな時にインターホンが鳴る。誰だろう?宅急便かな?
「僕が出るよ」
「頼む」
玄関のドアを開けると女の子がいた。この子は。
「愛莉ちゃん?」
「加那ちゃん、きちゃった」
「よく来たね。中に入って」
「おじゃましまーす」
夜、いつものように僕は千尋と夕飯を食べていた。
今日はキムチ鍋らしい。うん、発汗作用が見込めるよね。
野菜もたっぷり入っていて、体に良さそうだ。
だんだん涼しくなってきたし、お鍋が美味しい。
締めはおじやだそうだ。
「加那、はいよ」
千尋が取り皿にキムチ鍋をよそってくれた。
「ありがとう、千尋」
「ん。それにしても総合的な学習の時間なんて懐かしいな。俺達もやってたし。
で、その宝物ってのは授業にどう関係してくるんだ?」
「それがね、宝物には二種類あるんだって」
「へえ」
今日の放課後、僕は図書室にやってきた月くん達に話を聞いたのだった。
彼が言うには、宝物には二種類ある。見えるものと見えないもの。
見える宝物は分かりやすい。形があって触れる。愛着を持てる。
人に自慢したり、自分で眺めたりもできる。
一方で見えない宝物はその名の通り見えない。
それは見えないけれど、心の中に確かに存在している。
それを心の支えとしている人もいる。
見える宝物は壊れる。でも見えない宝物も同じように壊れる。
だから僕達はそれをとても大事にする。
一つも失いたくないから。
どちらの宝物も僕らが生きている間に少しずつ増えていく。
それを守るように僕達は生きるようになる。
僕はこんな感じで千尋に伝えた。
「なるほどな。まあそれなら年を取って、保守的になるのも無理はないよな」
千尋が頷いてくれた。こうして黙って僕の話を聞いてくれる彼が僕は大好きだ。
「ご飯、おかわりいるか?」
「うん!」
そんな時にインターホンが鳴る。誰だろう?宅急便かな?
「僕が出るよ」
「頼む」
玄関のドアを開けると女の子がいた。この子は。
「愛莉ちゃん?」
「加那ちゃん、きちゃった」
「よく来たね。中に入って」
「おじゃましまーす」
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