獅子王晶の恋と日常の謎(怪盗編)

はやしかわともえ

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誘拐

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僕は車の中で先程の写真を見つめていた。何かヒントがないものか探していたのだ。窓から差し込んでくる陽は左側から入ってきている。色からして夕日だ。つまり西側に窓がある部屋に晶は閉じ込められていることになる。
「ん?」
僕はふと気が付いた。
晶の後ろにある窓にふと見覚えのあるコンビニの看板があったのだ。一応確認するため、可能な限り拡大してみたけどぼやけてしまった。本物の看板も検索して調べてみる。やっぱり間違いない。
「あの、すみません」
僕は晶のお父さんに分かった事実を伝えた。
「そうか、黒島頼む」
「かしこまりました」
そして僕たちはある場所に着いていた。一見普通の団地のように見える。三棟が縦に並んでいる。コンビニの看板の位置からして一番北側の建物だろう。
一応確認すると窓の位置も一致する。僕はスマホのアプリを起動した。遠目で見えるコンビニの看板の高さをアプリで測る。大体6メートルか。つまり建物で言うところの2階くらいだろうか。
僕たちは団地に駆け込んだ。
一階に5室あるようだ。
もう僕は迷わなかった。写真には西日を遮るものがなかったからだ。
「ここか」
晶のお父さんが呟く。警察には既に通報済みだ。
サイレンの音がけたたましく鳴り響いている。
ドアの取っ手を掴んで回すとあっさり開いた。僕たちは中に踏み込む。
「晶!」
晶の姿はない。だが、間違ってはいないようだ。
晶からメモが残っていたからだ。それには美術館の名前が記されている。都内にある美術館ではかなり規模が大きい。
「怪盗め、鋭いな」
「ここに宝石が?」
晶のお父さんが唸る。
「あぁ。急ごう」
警察に事情を話したら僕たちを先導してくれることになった。晶、待ってて。
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