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派手派手しいギャラリーたちのおかげで、着飾った自分が霞んでいます
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のっしのっしとガサツな歩き方でこちらにやってきたローガンは、馬子にも衣裳という言葉を使っても「カッコイイ」とか「素敵」とか「イケてる」と口にすることに罪悪感を覚える姿だった。
同じくクリスティーナも今日も安定の派手派手しさで、「清楚」とか「気品」という言葉から逆の立ち位置にいる。
とはいえ二人は存在感はある。関わり合いたくない類のオーラを振りまきながら歩を進める二人の邪魔をしないよう、ギャラリーたちはそそっと道を開ける。
そうして予想以上に素早くノア達の前に到着したローガンは、ニヤリと意地悪く笑った。
「おや、アシェルじゃないか。いやいや、引きこもりのお前が来るなんて思いもよらなかったぞ」
そんな失礼千万な台詞を吐いたローガンは、今度はノアに視線を移す。
「初めて見る顔だが、君も大変だな。こんな盲目の男がエスコート役じゃダンスも踊れないだろう。どうだ?良かったら俺と……って、お前、まさかあの醜女なのか!?」
ぎょっと目をむいたローガンにノアは、ふわりと微笑む。
本当は侮蔑の目を向けたい。許されるなら脛を蹴っ飛ばしたい。
だがしかしグレイアス先生から「腹が立つことを言われたらムッとする代わりに笑え」と命じられている。あと、ここ数日は宮廷マナー講習に代わって微笑む練習をみっちりした。
女子の笑みは最強の武器だ。グレイアス先生の特訓のおかげて大変優雅な笑みを浮かべることができているノアを見て、ローガンはあからさまにたじろいだ。
ローガンの隣にいるクリスティーナに至っては、般若のお面を付けているようにしか見えない。
ーーざまあみろ。
ノアはそんな気持ちを伝えるかのように、ふふんと胸を張る。
心の中で特訓中にグレイアス先生から言われた悪口を思い出してちょっぴりしょっぱい気持ちになっているが、それを差し引いてもやっぱり気分は良い。
そしてノアの隣に立つアシェルも機嫌が良いようで、ニワトリ男にはもったいないほどの爽やかな笑みを浮かべて口を開いた。
「私などを気にかけていただいたようで感謝申し上げます、兄上。ですが今日は彼女がいますからご安心ください」
そう言ってアシェルはノアの手をそっと持ち上げた。
何をするんだろう。
パチパチと瞬きをしながら事の成り行きを見守っているノアにアシェルは一度視線を向けるとニコッと微笑み、再び口を開いた。
「父親の生誕祭に参加しない息子などこの世にはおりません。それに何より私の婚約者を紹介できる特別な機会なのですから、足が折れたとて私はここに来る気持ちでおりました」
言い終えたアシェルは、なんのためらいもなくノアの手の甲に口づけたのだ。
対してノアは驚きに目を見張る。笑えというグレイアス先生の命令なんて宇宙の彼方に吹き飛んでいた。
同じくクリスティーナも今日も安定の派手派手しさで、「清楚」とか「気品」という言葉から逆の立ち位置にいる。
とはいえ二人は存在感はある。関わり合いたくない類のオーラを振りまきながら歩を進める二人の邪魔をしないよう、ギャラリーたちはそそっと道を開ける。
そうして予想以上に素早くノア達の前に到着したローガンは、ニヤリと意地悪く笑った。
「おや、アシェルじゃないか。いやいや、引きこもりのお前が来るなんて思いもよらなかったぞ」
そんな失礼千万な台詞を吐いたローガンは、今度はノアに視線を移す。
「初めて見る顔だが、君も大変だな。こんな盲目の男がエスコート役じゃダンスも踊れないだろう。どうだ?良かったら俺と……って、お前、まさかあの醜女なのか!?」
ぎょっと目をむいたローガンにノアは、ふわりと微笑む。
本当は侮蔑の目を向けたい。許されるなら脛を蹴っ飛ばしたい。
だがしかしグレイアス先生から「腹が立つことを言われたらムッとする代わりに笑え」と命じられている。あと、ここ数日は宮廷マナー講習に代わって微笑む練習をみっちりした。
女子の笑みは最強の武器だ。グレイアス先生の特訓のおかげて大変優雅な笑みを浮かべることができているノアを見て、ローガンはあからさまにたじろいだ。
ローガンの隣にいるクリスティーナに至っては、般若のお面を付けているようにしか見えない。
ーーざまあみろ。
ノアはそんな気持ちを伝えるかのように、ふふんと胸を張る。
心の中で特訓中にグレイアス先生から言われた悪口を思い出してちょっぴりしょっぱい気持ちになっているが、それを差し引いてもやっぱり気分は良い。
そしてノアの隣に立つアシェルも機嫌が良いようで、ニワトリ男にはもったいないほどの爽やかな笑みを浮かべて口を開いた。
「私などを気にかけていただいたようで感謝申し上げます、兄上。ですが今日は彼女がいますからご安心ください」
そう言ってアシェルはノアの手をそっと持ち上げた。
何をするんだろう。
パチパチと瞬きをしながら事の成り行きを見守っているノアにアシェルは一度視線を向けるとニコッと微笑み、再び口を開いた。
「父親の生誕祭に参加しない息子などこの世にはおりません。それに何より私の婚約者を紹介できる特別な機会なのですから、足が折れたとて私はここに来る気持ちでおりました」
言い終えたアシェルは、なんのためらいもなくノアの手の甲に口づけたのだ。
対してノアは驚きに目を見張る。笑えというグレイアス先生の命令なんて宇宙の彼方に吹き飛んでいた。
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