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粗悪な素材を受け取り、寮の自室へと戻ったハンスはさっそく魔法薬の調合に取り掛かった。
この程度の妨害は想定の範疇であるし、何の問題も無い。
慣れた手つきで等間隔で薬草を刻み、抽出用のビーカーの中に放り込んでいく。
師匠の元で何万回と繰り返した作業だ。
時の法則がねじ曲がり、作成した魔法薬がすぐまた元の素材の状態に巻き戻るあの姿見の空間は、錬金術の練習の場としては最高の場所だった。
高価な素材を惜しげもなく使い切り、無限にある時間の中で最高の師の手ほどきを受ける。
そんな理想的な教育環境で長く暮らしたハンスは、既にかなりの調合の腕前を身に付けているのだった。
「この程度の素材の劣悪さはカバーできるけど、折角だから……」
ハンスは調合の前段階でちょっとした悪戯心を催し、昨晩師匠に嫌と言うほど暗記させられた『参考書』の記述を思い起こす。
『マナ分析から見るマナ分析から見る材料学細論』――師匠は最終的には『無駄』と切って捨てたが、まさにこういう時に真価を発揮する理論だった。
万物はマナから構成される。
それが魔術師の基本的な考えにして、錬金術の基盤にある考え。
では『マナ』とは何かと問われれば、それは大雑把に言えば『概念』そのものである。
例えばハンスの座っている椅子。
これは木で出来ているので植物を司る『土精マナ』という『属性の概念』が中心に存在する。
そしてそれに付随する形で椅子という道具の性質上、『固い』『安定』という『概念』も内包している。
こうした個々の要素を結び付け、新たな存在を作りだすのが錬金術という業である。
そしてハンスは手元の粗悪な素材を見る。
――しなびた薬草、瓶の半分ほどしかない液体、仲立ちをする触媒の魔石の欠片。
触媒の魔石は質が悪いので単純に難易度が上がるだけだろう。
だが薬草には『再生』の他に『劣化』や『腐敗』などの余計な概念が付いてくるだろうし、それと化合させる魔水は量が足りない。
これを解決するのに師匠から渡された参考書の理論が役立つ。
端的に言ってしまえば、これは高度な『節約術』だ。
素材から必要な概念を取り出し、破棄されるであろう廃材からも効率的に残されている要素を取り出す。
その為のマナ観測理論、分析術式が記されているのがこの本だった。
「こんなに便利な理論なのに……」
素材を抽出器に掛け、幾重にも敷いた術式陣の上で混ぜ合わせ、見事この素材で透き通った翡翠色の簡易癒薬を作り終えたハンスは、納得がいかないと首を傾げる。
そんな折、耳元にふっとか細い声が響いた。
「便利なだけだからよ」
「うわっ!」
すわ何事か、と振り向いたハンスはそこに居た人物を見て大いに驚いた。
蒼銀の髪に燻ぶるような赤い瞳。
いつもはあの姿見の世界に引きこもっているあの魔女が、そこに居た。
「し、師匠! 何でここに居るんですか!」
「何で、とは何よ。貴方がさっさと戻ってこないから――」
「ここが自分の部屋なんですけど」
「弟子は師匠に侍るものでしょう?」
それが当然だ、と言わんばかりに師匠は目を細める。
それなりに、結構、虫の居所が悪いらしい。
だがハンスの言い分としては、師匠のいう事もある種もっともだが「一晩くらい」というのが本音だった。
何より自分の身分はまだ学生、課題があるなら自室に戻って勉学に勤しむのが本業だろう。
「それならワタシの部屋でも良いじゃない?」
しかし師匠は心底訳が分からない、と目を更に細める。
「錬金素材なんて沢山あるし、完成した瞬間に目を離さず外に持ち出せばちゃんと魔法薬は出来るわよ。外の時間で言えばそれこそ一瞬の出来事だろうし、その方が効率的じゃない?」
「一晩で作る、という時間制限も課題の内ですし、あの部屋使ったらズルみたいなもんじゃないですか」
「アナタの腕なら今更そんなの誤差の範疇じゃない。ホント、即物的なのかそうじゃないのか訳分らないわね……」
利に添わずとも、自分には大切な「けじめ」だ。
ハンスは少しむっとした顔で、彼には珍しく師匠に反抗的な態度を取った。
「……師匠、もしかして暇だったんですか?」
「研究に忙しいに決まってるじゃない。バカじゃ無いの?」
師匠の返答はいやに早かった。
姿見の世界の、たった一晩。
その一晩が数日か、数十年かはそこで過ごした者の捉え方によって決まる。
時という概念が存在しない、とはそういう事だ。
しかしそれが常人にとってどれだけ長い時間でも、この星霜の時を生きた魔女には些末事に過ぎない。
ハンスはそのように考えていたが、実際はそうでも無かったらしい。
長い付き合いのなかでも新鮮な発見である。
「でもそうね、偶には時間に追われてみるというのも良い修行にはなりそうね」
「はい?」
「普通の夜を過ごすのは何年かしら? 一晩って長くて短いわよね」
そう言って、にっこりと笑う。
この魔女が珍しく笑う時は大概碌な目に遭わない。
長年の経験でそれを知っているハンスは思わず後ずさりした。
「それじゃあ朝までに上級魔法薬……そうね、『竜の血』の作成でもやって貰おうかしら」
「それ普通は一週間掛かる奴じゃ無いですか!」
「錬金炉で圧縮を繰り返せば何とかなるわ。繊細で魔力的に厳しい作業にはなるでしょうけど。いけるわよね?」
そしてこう言う時に出来なかったら後で更に苛烈な試練を与えられる。
結局ハンスはその日一晩、声にならない悲鳴を上げながら魔女と長い一夜を過ごすのだった。
◆
「……まったく、変に強がるからこういう事になるんだよ」
ビーネは月夜の晩を一人歩く。
巡回の教師に見つからないように歩幅は小さく。
しかしぶつくさと一人小言を呟くのでその意味は薄かった。
ハンスとグイードの対立。
それを幼馴染のビーネはさして重要事として捉えていなかった。
貴族と平民が机を並べればそういうトラブルも起きるだろうし、元々力の差のある関係だ。
それに故郷の農村であった男同士の喧嘩というものは、もっと凄惨なものだった。
グイードの嫌がらせなど結局「子供の喧嘩」どまりだとビーネは見ている。
さっさと頭を下げ、逆に貴族を利用してやるというぐらいの気概が平民には必要なのだ。
それをハンスがしないのは、やはり彼も子供だからだろう。
「良いけどさ、別に……」
そう呟いて、今度は薄く笑う。
正直な所、ビーネはその真っ直ぐなハンスの子供っぽさを嫌ってはいない。
利口では無いが、男らしい幼稚さだ。
「あーあ、結局はボクがその尻拭いをするわけね。損な役回りだなぁ」
言い訳がましいその独り言は、その実ちっとも嫌そうではない。
誰も見てはいないのに、口の端がひくひくと緩みそうになるのを必死に堪えている。
ビーネの手には一杯の籠が抱えられていた。
その中にあるのは昼間配られた魔法薬の素材――の端材の山である。
仲の良い女生徒たちに頼み込み、素材を少しずつ分けて貰ったのだ。
――がんばってね!
何を頑張るのかはビーネにはちっとも分らないが、とりあえず向かう先はハンスの自室である。
男子寮の敷地に入るルートも、『こういう時の伝統の抜け道』とやらを上級生から教えて貰っていた。
だが浮ついた気持ちは無い。
無いと言ったら無い。
ビーネ本人は独りで勝手にそう内心の言い訳を続けていた。
これは義務のようなものだ。
ハンスが無茶やバカをするならば、自分がそれを道理に戻してやる。
それが二人の子供の頃からの関係だ、というだけだ。
「もう、アイツは本当にボクが居なくちゃダメなんだから――」
そして癖になっているいつもの言い訳を口にして、途中でそれは停止した。
一階のハンスの部屋の窓辺。
外に面するその下で、ビーネは素材を渡し、いつものように小言を残して帰るつもりだった。
『――それならワタシの部屋でも良いじゃない?』
『――暇だったんですか?』
なのに、なんだか大人な雰囲気の会話が耳に入る。
ビーネは錆びついたゴーレムのような動きで、ゆっくりと窓辺に近づく。
そしてギギギ、と音を鳴らしながらゆっくりと窓の下の方から中を覗いた。
そこに居たのは、見た事のない美しい少女。
『――一晩って長くて短いわよね』
微笑む少女の淫靡な声の影で、ぐしゃりと籠が潰れる音が響いた。
この程度の妨害は想定の範疇であるし、何の問題も無い。
慣れた手つきで等間隔で薬草を刻み、抽出用のビーカーの中に放り込んでいく。
師匠の元で何万回と繰り返した作業だ。
時の法則がねじ曲がり、作成した魔法薬がすぐまた元の素材の状態に巻き戻るあの姿見の空間は、錬金術の練習の場としては最高の場所だった。
高価な素材を惜しげもなく使い切り、無限にある時間の中で最高の師の手ほどきを受ける。
そんな理想的な教育環境で長く暮らしたハンスは、既にかなりの調合の腕前を身に付けているのだった。
「この程度の素材の劣悪さはカバーできるけど、折角だから……」
ハンスは調合の前段階でちょっとした悪戯心を催し、昨晩師匠に嫌と言うほど暗記させられた『参考書』の記述を思い起こす。
『マナ分析から見るマナ分析から見る材料学細論』――師匠は最終的には『無駄』と切って捨てたが、まさにこういう時に真価を発揮する理論だった。
万物はマナから構成される。
それが魔術師の基本的な考えにして、錬金術の基盤にある考え。
では『マナ』とは何かと問われれば、それは大雑把に言えば『概念』そのものである。
例えばハンスの座っている椅子。
これは木で出来ているので植物を司る『土精マナ』という『属性の概念』が中心に存在する。
そしてそれに付随する形で椅子という道具の性質上、『固い』『安定』という『概念』も内包している。
こうした個々の要素を結び付け、新たな存在を作りだすのが錬金術という業である。
そしてハンスは手元の粗悪な素材を見る。
――しなびた薬草、瓶の半分ほどしかない液体、仲立ちをする触媒の魔石の欠片。
触媒の魔石は質が悪いので単純に難易度が上がるだけだろう。
だが薬草には『再生』の他に『劣化』や『腐敗』などの余計な概念が付いてくるだろうし、それと化合させる魔水は量が足りない。
これを解決するのに師匠から渡された参考書の理論が役立つ。
端的に言ってしまえば、これは高度な『節約術』だ。
素材から必要な概念を取り出し、破棄されるであろう廃材からも効率的に残されている要素を取り出す。
その為のマナ観測理論、分析術式が記されているのがこの本だった。
「こんなに便利な理論なのに……」
素材を抽出器に掛け、幾重にも敷いた術式陣の上で混ぜ合わせ、見事この素材で透き通った翡翠色の簡易癒薬を作り終えたハンスは、納得がいかないと首を傾げる。
そんな折、耳元にふっとか細い声が響いた。
「便利なだけだからよ」
「うわっ!」
すわ何事か、と振り向いたハンスはそこに居た人物を見て大いに驚いた。
蒼銀の髪に燻ぶるような赤い瞳。
いつもはあの姿見の世界に引きこもっているあの魔女が、そこに居た。
「し、師匠! 何でここに居るんですか!」
「何で、とは何よ。貴方がさっさと戻ってこないから――」
「ここが自分の部屋なんですけど」
「弟子は師匠に侍るものでしょう?」
それが当然だ、と言わんばかりに師匠は目を細める。
それなりに、結構、虫の居所が悪いらしい。
だがハンスの言い分としては、師匠のいう事もある種もっともだが「一晩くらい」というのが本音だった。
何より自分の身分はまだ学生、課題があるなら自室に戻って勉学に勤しむのが本業だろう。
「それならワタシの部屋でも良いじゃない?」
しかし師匠は心底訳が分からない、と目を更に細める。
「錬金素材なんて沢山あるし、完成した瞬間に目を離さず外に持ち出せばちゃんと魔法薬は出来るわよ。外の時間で言えばそれこそ一瞬の出来事だろうし、その方が効率的じゃない?」
「一晩で作る、という時間制限も課題の内ですし、あの部屋使ったらズルみたいなもんじゃないですか」
「アナタの腕なら今更そんなの誤差の範疇じゃない。ホント、即物的なのかそうじゃないのか訳分らないわね……」
利に添わずとも、自分には大切な「けじめ」だ。
ハンスは少しむっとした顔で、彼には珍しく師匠に反抗的な態度を取った。
「……師匠、もしかして暇だったんですか?」
「研究に忙しいに決まってるじゃない。バカじゃ無いの?」
師匠の返答はいやに早かった。
姿見の世界の、たった一晩。
その一晩が数日か、数十年かはそこで過ごした者の捉え方によって決まる。
時という概念が存在しない、とはそういう事だ。
しかしそれが常人にとってどれだけ長い時間でも、この星霜の時を生きた魔女には些末事に過ぎない。
ハンスはそのように考えていたが、実際はそうでも無かったらしい。
長い付き合いのなかでも新鮮な発見である。
「でもそうね、偶には時間に追われてみるというのも良い修行にはなりそうね」
「はい?」
「普通の夜を過ごすのは何年かしら? 一晩って長くて短いわよね」
そう言って、にっこりと笑う。
この魔女が珍しく笑う時は大概碌な目に遭わない。
長年の経験でそれを知っているハンスは思わず後ずさりした。
「それじゃあ朝までに上級魔法薬……そうね、『竜の血』の作成でもやって貰おうかしら」
「それ普通は一週間掛かる奴じゃ無いですか!」
「錬金炉で圧縮を繰り返せば何とかなるわ。繊細で魔力的に厳しい作業にはなるでしょうけど。いけるわよね?」
そしてこう言う時に出来なかったら後で更に苛烈な試練を与えられる。
結局ハンスはその日一晩、声にならない悲鳴を上げながら魔女と長い一夜を過ごすのだった。
◆
「……まったく、変に強がるからこういう事になるんだよ」
ビーネは月夜の晩を一人歩く。
巡回の教師に見つからないように歩幅は小さく。
しかしぶつくさと一人小言を呟くのでその意味は薄かった。
ハンスとグイードの対立。
それを幼馴染のビーネはさして重要事として捉えていなかった。
貴族と平民が机を並べればそういうトラブルも起きるだろうし、元々力の差のある関係だ。
それに故郷の農村であった男同士の喧嘩というものは、もっと凄惨なものだった。
グイードの嫌がらせなど結局「子供の喧嘩」どまりだとビーネは見ている。
さっさと頭を下げ、逆に貴族を利用してやるというぐらいの気概が平民には必要なのだ。
それをハンスがしないのは、やはり彼も子供だからだろう。
「良いけどさ、別に……」
そう呟いて、今度は薄く笑う。
正直な所、ビーネはその真っ直ぐなハンスの子供っぽさを嫌ってはいない。
利口では無いが、男らしい幼稚さだ。
「あーあ、結局はボクがその尻拭いをするわけね。損な役回りだなぁ」
言い訳がましいその独り言は、その実ちっとも嫌そうではない。
誰も見てはいないのに、口の端がひくひくと緩みそうになるのを必死に堪えている。
ビーネの手には一杯の籠が抱えられていた。
その中にあるのは昼間配られた魔法薬の素材――の端材の山である。
仲の良い女生徒たちに頼み込み、素材を少しずつ分けて貰ったのだ。
――がんばってね!
何を頑張るのかはビーネにはちっとも分らないが、とりあえず向かう先はハンスの自室である。
男子寮の敷地に入るルートも、『こういう時の伝統の抜け道』とやらを上級生から教えて貰っていた。
だが浮ついた気持ちは無い。
無いと言ったら無い。
ビーネ本人は独りで勝手にそう内心の言い訳を続けていた。
これは義務のようなものだ。
ハンスが無茶やバカをするならば、自分がそれを道理に戻してやる。
それが二人の子供の頃からの関係だ、というだけだ。
「もう、アイツは本当にボクが居なくちゃダメなんだから――」
そして癖になっているいつもの言い訳を口にして、途中でそれは停止した。
一階のハンスの部屋の窓辺。
外に面するその下で、ビーネは素材を渡し、いつものように小言を残して帰るつもりだった。
『――それならワタシの部屋でも良いじゃない?』
『――暇だったんですか?』
なのに、なんだか大人な雰囲気の会話が耳に入る。
ビーネは錆びついたゴーレムのような動きで、ゆっくりと窓辺に近づく。
そしてギギギ、と音を鳴らしながらゆっくりと窓の下の方から中を覗いた。
そこに居たのは、見た事のない美しい少女。
『――一晩って長くて短いわよね』
微笑む少女の淫靡な声の影で、ぐしゃりと籠が潰れる音が響いた。
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