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本編
11】決行前夜のヤケっぱち(後)
しおりを挟むそうか。だから、清浄魔法とか使わずに、拭いてたのか…。
「お前みたいに回復オバケじゃねぇよ」
お前みたいな魔力オバケと一緒されちゃ困るがな。俺もそこそこの魔力持ちだ。
このパーティーの中で、魔力量も打ち出す量もバランスが一番いいのがダロンだろう。燃費も回復も悪くない。アリスンの回復魔法で即フルチャージだしな。
俺は、魔力量はある方なんだが、放出量が大きい。回復も早いから、戦闘中一定量を保てるが、補助役がいなけりゃ、混戦になりゃお陀仏だな。
で、コイツはこのパーティー内で一番の魔力量。回復に難があるが、ポーションと休息でなんとか回復してる。保有が大きいから戦闘中にポーションに頼る事は少ないが、戦闘が長引けば、使用してる節がある。保険だろう。
魔王は、もしかしたら保有を見誤ってるかもしれない。彼は聖魔法の方しか見れないのかもしれんが…。クンティンは彼に会った時かなり減ってたと思う。魔王領に入国する辺りで、俺たちに補助魔法をずっとかけ続けていたからな…。
会談時にリンクを切ったようだが、あれは自動で補助をかけるようにした彼のオリジナルだな。
常時パーティー全員に補助魔法を掛けっぱなしにして、さらに、新たな魔法を放つ。攻撃系の大技は出来ないようだが、器用なもんだ。
この計画進行の為に、ポーション飲みまくりで、リンクも切ってるから魔力的には問題なく仕事を終えて、流石に枯渇して回復に回してただろうに…。二人の事が余程ショックだったのかね。魔力に変なノイズというか波がある。
そばに彼の荷物がある。持ってきたのか…。
俺の着替えとポーション空瓶が転がってる。薬漬けじゃねぇか…。
クンティンを乗せたまま起き上がる。
膝の上で彼が項垂れてた。
自分で清浄魔法で身綺麗にして、クンティンも綺麗にしてやる。
手を差し出した。
「俺のを分けてやるよ」
「分ける?」
「知らんのか? 魔力譲渡」
「あー、知ってるけど、経験ない」
「そっか~。傭兵や騎士の間では普通だが…」
確かに、撤退時などに補う緊急対処だからな。
「巡環に似てるから。受け取れ」
もたついてる手を握り、ほいヨッと魔力を流す。
そう言えば、巡環の時、ダロンと二人でモタモタしてたなぁ。
そういう事か…。
「うわぁ…熱ぅ…」
ヤベッ、流し過ぎたか?!
クンティンの身体が跳ねた。顔が真っ赤になってる。汗が滲んできた。
掴んだ手を離そうとしてる。
今魔力の回路を繋いでるところだから、無理やり剥がすと、怪我のもとだ。急にストップしても魔力酔いを起こすし、経験が浅いクンティンには、回復までが辛いだろう。
離そうとする手を掴んだまま引き寄せ、抱き抱える。
全身から流して、クンティンに馴染ませ、緩やかに閉じた。
傭兵や騎士は身体も魔力の器も頑丈だから、荒っぽい譲渡でも大丈夫なもんだから、うっかりやっちまった。確か『巡環』では緩やかにやってたなぁ…。すまん、すまん。
「あちぃ~、サムエルが熱いよぉ~。命の危機並みに熱いのじゃぁああ…」
ああ、真っ赤で、トロンとしちまって…。魔力酔いして、茹だってやがる。
俺、上半身裸だったから、緩衝材がクンティンの服だけだったなぁ。肌同士だったら、発情レベルで不味い感じだったね。ガハハ…。
渡り歩いてる時の事故みたいな交わりを思い出して苦笑い。今考えたら、ありゃ、襲われてたのかね。就寝中だったし…。
ま、無事だし、いいかッ。
胡座の中に抱えるように抱いたまま、ゆらゆら揺れる。
こうしてると、全身に魔力が巡って、回復が早い気がする。感覚的な勘だが…。
そう言えば、子供が加減を忘れて魔力枯渇した時の親がやる方法に似てるな。そうか、あれはこういう事か…。親ってのは、知らん間に身に付けてるもんなんだなぁ…。
腕の中で寝息が聞こえる。
このまま寝かせてやるか。昼頃には、大半が回復してるだろう…。
ああ、腹減ったなぁ…。
今、離すと起きそうだし…。脚が腰に巻き付いて動けん…。熱いって言いながら、身体の方は魔力欲しさに、絡みついてたからなぁ…。
ゆらゆら揺れながら、虚空を見つめ空腹に耐えた…。
==================
この二人だとどうにもエロにはならないね~。ポクはなるけど、いい相棒かな。
わちゃわちゃ戯れてそう。
またまたエロじゃなくて申し訳ない( ̄▽ ̄;)
好き勝手に書いてますが、これでいいのかなぁ( ̄▽ ̄;)今さら…
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