14 / 91
14
しおりを挟む
ヴゥゥゥゥ~…グルルルルル……
「さぁ、かかって来い」
グガァァァ!!
一頭が牙をむき出して飛びかかってくるが、私はギリギリまで動かない。
「コルネリアさん!!!?」
ブラウが、心配して叫ぶ。
──やれやれ、私が白狼ごときに負けると思ってるのか?
私は白狼に手をかざし「炎」と唱えた。
すると、一瞬にして白狼は火だるまになり、ドサッとその場に崩れ落ちた。
「……すげぇ……」
ブラウとリラがあまりの事に呆けているが、まだ呆けるには早い。
もう一頭残っている。
「さて、お前はどうするんだい?」
先程の奴と比べ物にならないぐらいデカい白狼だ。
出来れば、手は出したくないんだが……
『……お前、もしや大魔女か……?』
「!!!!!!??」
──なんだ!?この声は!!?白狼か!?
『……やはりな、懐かしい匂いがすると思った』
「……私は、お前など知らんが?」
どうやら、この白狼は私の脳に直接話しかけている様だった。
こんな事、出来る白狼は……
「お前、長か?」
『そうだ……久しいな。大魔女よ』
この口調。やはり何処かで会ったことがあるのか?
確かに、結構な数とやり合ったが、そんなもの一々覚えていられない。
「私と何処で会ったんだ?」
『……ワシがまだ幼い頃、お主に助けてもらたんだが、覚えてないか?』
助けた?私が……?
『覚えていないのも仕方あるまい。あれから随分と時間が過ぎた……』
私は一度死んで、生き返ってるしな。
「……あの、コルネリアさん?……誰と喋ってるんですか?」
ブラウが怪訝な顔で聞いてきた。
どうやら、ブラウ達には聞こえていないらしい。
「ああ、この白狼と話をしている。こいつはどうやら、私と知り合いらしい」
「コルネリアさん、白狼とも知り合いなの!?すげぇな!!」
「……すごい……」
ブラウとリラがキラキラした目を私に向けてくるが、私の記憶の中にこの白狼がいないんだが……
『こいつらは、お主の子供か?』
「違う!!私の弟子だ。そもそも、結婚すらしていない」
『がはははは!!そうかそうか、お主は結婚よりも戦闘ばかりだったからな』
まさか、白狼にも言われてしまうとは……
『そう言えば、ここ最近北の山のドラゴンが騒がしい。気をつけた方がいいぞ』
ドクンッ!!
北の山のドラゴン……その言葉に私の心臓が飛び跳ねた。
──私の命を奪った奴だ。まだ生きていたのか……
生きていると言うことは、誰も倒せなかったと言うことだ。
『どうした?』
「……いや、何でもない」
ギュッと手を握りしめ、誤魔化した。
『さて、ワシはもう行くとする。お主と会えて、話が出来て良かった。また何かればワシを頼るといい』
「ああ……すまなかったね、あんたの仲間を殺っちまって……」
『……仕方ない事だ……良ければそいつの墓を作ってやってくれ。その方が、そいつも報われる』
「ああ、任せときな」
その言葉を聞き、安心したのか白狼は森の方へゆっくり歩いて行った。
その姿を見送ってから、ブラウとリラと一緒に白狼の墓を作り、小さな花を供え家へと戻った……
「さぁ、かかって来い」
グガァァァ!!
一頭が牙をむき出して飛びかかってくるが、私はギリギリまで動かない。
「コルネリアさん!!!?」
ブラウが、心配して叫ぶ。
──やれやれ、私が白狼ごときに負けると思ってるのか?
私は白狼に手をかざし「炎」と唱えた。
すると、一瞬にして白狼は火だるまになり、ドサッとその場に崩れ落ちた。
「……すげぇ……」
ブラウとリラがあまりの事に呆けているが、まだ呆けるには早い。
もう一頭残っている。
「さて、お前はどうするんだい?」
先程の奴と比べ物にならないぐらいデカい白狼だ。
出来れば、手は出したくないんだが……
『……お前、もしや大魔女か……?』
「!!!!!!??」
──なんだ!?この声は!!?白狼か!?
『……やはりな、懐かしい匂いがすると思った』
「……私は、お前など知らんが?」
どうやら、この白狼は私の脳に直接話しかけている様だった。
こんな事、出来る白狼は……
「お前、長か?」
『そうだ……久しいな。大魔女よ』
この口調。やはり何処かで会ったことがあるのか?
確かに、結構な数とやり合ったが、そんなもの一々覚えていられない。
「私と何処で会ったんだ?」
『……ワシがまだ幼い頃、お主に助けてもらたんだが、覚えてないか?』
助けた?私が……?
『覚えていないのも仕方あるまい。あれから随分と時間が過ぎた……』
私は一度死んで、生き返ってるしな。
「……あの、コルネリアさん?……誰と喋ってるんですか?」
ブラウが怪訝な顔で聞いてきた。
どうやら、ブラウ達には聞こえていないらしい。
「ああ、この白狼と話をしている。こいつはどうやら、私と知り合いらしい」
「コルネリアさん、白狼とも知り合いなの!?すげぇな!!」
「……すごい……」
ブラウとリラがキラキラした目を私に向けてくるが、私の記憶の中にこの白狼がいないんだが……
『こいつらは、お主の子供か?』
「違う!!私の弟子だ。そもそも、結婚すらしていない」
『がはははは!!そうかそうか、お主は結婚よりも戦闘ばかりだったからな』
まさか、白狼にも言われてしまうとは……
『そう言えば、ここ最近北の山のドラゴンが騒がしい。気をつけた方がいいぞ』
ドクンッ!!
北の山のドラゴン……その言葉に私の心臓が飛び跳ねた。
──私の命を奪った奴だ。まだ生きていたのか……
生きていると言うことは、誰も倒せなかったと言うことだ。
『どうした?』
「……いや、何でもない」
ギュッと手を握りしめ、誤魔化した。
『さて、ワシはもう行くとする。お主と会えて、話が出来て良かった。また何かればワシを頼るといい』
「ああ……すまなかったね、あんたの仲間を殺っちまって……」
『……仕方ない事だ……良ければそいつの墓を作ってやってくれ。その方が、そいつも報われる』
「ああ、任せときな」
その言葉を聞き、安心したのか白狼は森の方へゆっくり歩いて行った。
その姿を見送ってから、ブラウとリラと一緒に白狼の墓を作り、小さな花を供え家へと戻った……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる