33 / 91
33
しおりを挟む
神殿の前まで来たが、やはり誰もいない。
普段なら、数人の衛兵がいるはず。
「本当に人がいませんね」
「ほら見ろだす!!オイラが言った通りだす!!」
確かにバジャーの言った通りだが、誰もいないのはおかしい。
何が起こっているんだ?
「どうします?このまま正面から行きますか?」
「……そうだな。罠なら喜んで引っかかるか」
罠じゃなければ儲けものだ。やりたい放題出来る。
「えっ!?作戦とかないだすか!?」
「──ないね。私は作戦立てるのが苦手でね。特攻あるのみ」
「この感じ、懐かしいですねぇ。下っ端の騎士達が何人泣いたことか……」
喜び勇んでいるラルスに引き換え、絶望的な表情のバジャー。
「さて、いざ神殿へ!!」
「おおお!!!」
「ぉ~………」
バジャーの返事が小さいが、ま、良しとするか。
※
「中も静かだな……」
「ええ、しかも魔力が感じられない。本当にここは神殿ですか?」
ラルスが言う通り、私達以外の魔力を一切感じないのだ。
ここには、国を代表した魔法使いが在籍しているはず。奴らは何処にいる?
二階、三階と進むが人の姿はない。
「どうなっている!?誰もいないぞ!?」
「ん~、神殿を空にするなど言語道断ですね」
「本当に神殿だすかぁ?大魔女も当てにならんだすなぁ」
「……コルネリアを信じないんですか?たかが獣クセにいい度胸ですね?」
バジャーが疑いの目で私を見てくる。
確かに、バジャーの言うことも最もだ。
──力は衰えてないと思ったが、ダメか……
「……一度戻るか。このままじゃ先に進まん」
「……コルネリア」
ラルスは何か言おうとしたが、それ以上は何も言わなかった。
そして、一階まで戻り外に出ようとした時──
「ん!?」
一瞬だが、魔力を感じた。
「コルネリア、感じましたか?」
「ああ、──これは……地下か?」
上ばかり探して、下を探していなかった。
「地下に続く階段は!?」
「確か、こっちに──ありました!!」
地下に続く階段の前には、魔力を通さない壁があった。
この壁のせいで魔力を感じなかったのか……
「これは、十中八九地下ですね」
「こんな壁まで作りやがって!!」
ドガッン!!ガラガラガラ……
壁を壊すと一気に魔力が流れてきた。
それも、鳥肌が立つぐらいの魔力だ。
「これはこれは、結構な魔力を隠していたな」
一体地下で何をしている?
いざ、地下に乗り込もうとした時、ブワッと強力な魔力を感じ、足が止まった。
カツン…カツン…カツン…
「おやおや?何処ぞのネズミが入り込んだようですね?」
階段を上っていたのは、中年の神官。
「……ここに、パウルと言う男が居るはず何だが、知らんか?」
「……パウル?さぁ、知りませんな。今神殿は立ち入り禁止になっているはずなんですが、どうやって入り込んだんですかな?」
立ち入り禁止?そんな看板立っていなかったが?
それで、衛兵がいなかったのかと納得した。
「すまんな、立ち入り禁止とは知らんかった。入ったのは正面の扉からだが?」
そう言うと、神官の男は目を丸くした。
「正面からですと!?ここには結界が張ってあったんですぞ!?」
結界だと?そんなもの、私が入る時には張ってなかったぞ?
「──あっ」
ふと思い出したようにバジャーが声を上げた。
「もしかしたら投げられた時、オイラが壊したかもだす……」
「なんと!?このアナグマが!?」
ああ、ラルスの魔力を込めて投げたからな。それで破れたのかもしれん。
「なるほど、よく見れば貴女方も相当な魔力を持っている……」
ジッとこちらを鋭い目で見てくる神官。
「で、パウルはどこだ?」
「さぁ、私はそんな名の者は知りませんな」
「そうか、じゃあ、私達は先を急ぐとする」
神官にそう伝え、階段を下りようとすると神官に止められた。
「まあ、そんな急がなくてもいいじゃないですか?」
──こいつ……
「ちと、私と遊びませぬか?」
シュバッ!!
神官が光の剣を出し、私に斬りかかってきた。
──ほお?光の使い手か……
普段なら、数人の衛兵がいるはず。
「本当に人がいませんね」
「ほら見ろだす!!オイラが言った通りだす!!」
確かにバジャーの言った通りだが、誰もいないのはおかしい。
何が起こっているんだ?
「どうします?このまま正面から行きますか?」
「……そうだな。罠なら喜んで引っかかるか」
罠じゃなければ儲けものだ。やりたい放題出来る。
「えっ!?作戦とかないだすか!?」
「──ないね。私は作戦立てるのが苦手でね。特攻あるのみ」
「この感じ、懐かしいですねぇ。下っ端の騎士達が何人泣いたことか……」
喜び勇んでいるラルスに引き換え、絶望的な表情のバジャー。
「さて、いざ神殿へ!!」
「おおお!!!」
「ぉ~………」
バジャーの返事が小さいが、ま、良しとするか。
※
「中も静かだな……」
「ええ、しかも魔力が感じられない。本当にここは神殿ですか?」
ラルスが言う通り、私達以外の魔力を一切感じないのだ。
ここには、国を代表した魔法使いが在籍しているはず。奴らは何処にいる?
二階、三階と進むが人の姿はない。
「どうなっている!?誰もいないぞ!?」
「ん~、神殿を空にするなど言語道断ですね」
「本当に神殿だすかぁ?大魔女も当てにならんだすなぁ」
「……コルネリアを信じないんですか?たかが獣クセにいい度胸ですね?」
バジャーが疑いの目で私を見てくる。
確かに、バジャーの言うことも最もだ。
──力は衰えてないと思ったが、ダメか……
「……一度戻るか。このままじゃ先に進まん」
「……コルネリア」
ラルスは何か言おうとしたが、それ以上は何も言わなかった。
そして、一階まで戻り外に出ようとした時──
「ん!?」
一瞬だが、魔力を感じた。
「コルネリア、感じましたか?」
「ああ、──これは……地下か?」
上ばかり探して、下を探していなかった。
「地下に続く階段は!?」
「確か、こっちに──ありました!!」
地下に続く階段の前には、魔力を通さない壁があった。
この壁のせいで魔力を感じなかったのか……
「これは、十中八九地下ですね」
「こんな壁まで作りやがって!!」
ドガッン!!ガラガラガラ……
壁を壊すと一気に魔力が流れてきた。
それも、鳥肌が立つぐらいの魔力だ。
「これはこれは、結構な魔力を隠していたな」
一体地下で何をしている?
いざ、地下に乗り込もうとした時、ブワッと強力な魔力を感じ、足が止まった。
カツン…カツン…カツン…
「おやおや?何処ぞのネズミが入り込んだようですね?」
階段を上っていたのは、中年の神官。
「……ここに、パウルと言う男が居るはず何だが、知らんか?」
「……パウル?さぁ、知りませんな。今神殿は立ち入り禁止になっているはずなんですが、どうやって入り込んだんですかな?」
立ち入り禁止?そんな看板立っていなかったが?
それで、衛兵がいなかったのかと納得した。
「すまんな、立ち入り禁止とは知らんかった。入ったのは正面の扉からだが?」
そう言うと、神官の男は目を丸くした。
「正面からですと!?ここには結界が張ってあったんですぞ!?」
結界だと?そんなもの、私が入る時には張ってなかったぞ?
「──あっ」
ふと思い出したようにバジャーが声を上げた。
「もしかしたら投げられた時、オイラが壊したかもだす……」
「なんと!?このアナグマが!?」
ああ、ラルスの魔力を込めて投げたからな。それで破れたのかもしれん。
「なるほど、よく見れば貴女方も相当な魔力を持っている……」
ジッとこちらを鋭い目で見てくる神官。
「で、パウルはどこだ?」
「さぁ、私はそんな名の者は知りませんな」
「そうか、じゃあ、私達は先を急ぐとする」
神官にそう伝え、階段を下りようとすると神官に止められた。
「まあ、そんな急がなくてもいいじゃないですか?」
──こいつ……
「ちと、私と遊びませぬか?」
シュバッ!!
神官が光の剣を出し、私に斬りかかってきた。
──ほお?光の使い手か……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる