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ガキーーン!!

「──お前、どう言うつもりだ?」

「深い意味はありませんよ。ただ、私の遊びに付き合っていただければ──」

キーン!!

神官と鍔迫り合いになりがら問うが、真面目に答える気はないらしい。

「おい!!あいつ一人で大丈夫だすか!?」

「黙って見てなさい!!美しいでしょう?コルネリアの剣さばきは……。ああ、またこの姿を見れるとは……」

「あ、こいつダメだす……」

横でラルスの熱い視線と共にバジャーの声がするが、そんなものに構っている暇がない。

「おかしいですな。貴方ほどの方がなぜ、神殿に登録されていないのですかな?」

「……私にも色々あってね。これ以上聞くのは野暮ってもんだよ?」

「ははっ、教えてくれませぬか。では、貴方に勝利した際に聞くことにしますかな」

「面白い──いいだろう」

まあ、負けるつもりなど毛頭ないがな。

すると、神官は微笑みながら剣の先をこちらへ向けた。

光波フォスキーナ

「なに!?」

光が波の様にうねりながら私に襲いかかる。

「コルネリア!!!」

「──くそっ!!結界エヴァ!!」

ドガン!!!!!!




ガラ…ガラガラガラ………

「ふぅ~、驚いた……」

「おやおや、あれを防ぐとは……」

どうにか防御したが、周りの壁は瓦礫と化した。
その瓦礫を押し退け、這い出る。

「いや、結構焦ったぞ?」

こいつ中々の腕前だ。
流石は光の使いと言うとこか。
この感じ、久しぶりだな……

「ふふふ」

「どうかしましたかね?」

「ああ、すまない。楽しくてな、つい」

ゆっくりしたいと思いつつ、いざ戦いの場に出ると楽しくてしょうがない。

「私の攻撃を受けて、楽しいと……?」

信じられないような目で私を見ている。

「さあ、次は私から行くよ!雷光ケラノース

雷と光の交合。しかし、これで倒せる相手出ないのは重々承知の上だ。
すぐさま剣を打ち込み、休む暇を与えない。

ガキーーン!!!

「まさか上級魔法を……!?」

「ふふっ、驚いたか?」

実は、私は全属性だ。
ただ、この事を知っているものは、元副団長のラルスのみ。
ラルスにも言うつもりは無かったが、あいつの勘に負けた。

「剣の腕前も素晴らしい」

「それは、ありがとよっ!!」

バッと後ろに飛び、すぐさま剣を構え直す。

氷吹パゴノ

炎盾フローシルト

魔法と剣の攻防は暫く続いた。

「……あいつ、あんなに強かっただすか?」

「コルネリアは本気ではありませんよ。本気でやったら、神殿が吹き飛びますからね」

「そ、そんなに凄い奴だっただすか……」

ラルスの言う通り。こんな所で本気を出したら神殿が吹き飛んでしまう。

「……貴方は何処で魔法と剣を?」

「何だ?相手には不十分だったか?」

「──いえ、やはり貴方は素晴らしいと思いましてな」

「なに?」

その言いぐさは、私の事を知っていたのか!?

「──いやはや、私には貴方を倒せそうにない。まあ、最初に剣を交えた時に分かっておりましたがな」

そう言うと、神官の男は光の剣を消した。

「一体、どう言う……」

「やはりパウル様の伴侶は貴方しかおりますまい。貴方ならば、この神殿の行く末も安心出来ますな」

はっ?パウル

「ご、ご主人はここにいるだすか!?」

「ええ、パウル様はここの神官長、ハンス様のご子息です」
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