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「俺も連れてってください!!」

「僕も、行きます!!」

当然の如く、ブラウとパウルが名乗りを上げた。

「……前も言ったが、遊びに行くんじゃないんだぞ?」

「分かってます!!でも、俺もバジャーを助けたい!!」

「ぼ、僕はバジャーの飼い主です!!飼い主が行かなくてどうするんです!?」

出発前から頭が痛い……

「コルネリアさん。連れてってやってくれないかい?」

「ルー母さん!?」

後ろを振り向くと、ルーを抱いたルー母さんが立っていた。

「あんたがそこの坊やと洞窟に篭ってる間、ブラウは私との稽古を欠かさずやってたんだ。それなりの戦力にはなる筈だよ」

「ブラウは母ちゃんと僕、二人の動きを読めるようになったよ。きっと大丈夫」

「ルー、ルー母さん……」

ブラウは、二匹の言葉に思わず感動している。
まあ、この二匹が言うのなら、大丈夫なのだろう。

──仕方ない。実戦訓練といくか。

「分かった。私の負けだ」

両手を上げて、お手上げのポーズで了承した。

「やった!!ありがとう二匹とも!!!」

ブラウが大喜びで、ルー母さんのモフモフの腹に飛びついた。
ん~、気持ちよさそう。私も一度飛びつかせてもらおうか?

「あ、あの、僕は……?」

あ、もう一人いたんだった。

「パウルはまだ魔力を増幅出来ていない。相手は私と同等の魔力の持ち主だからな。戦闘に向いていないお前は連れて行けない」

「そんな……」

パウルは無理だ。魔力も無ければ、剣も使えない。
正直、邪魔でしかない。
だが、パウルにも出来ることがある。

「パウル、映像記憶魔石を至急造ってくれ」

「え?」

グスタフは悪賢い奴だ。捕らえても証拠がなければ上手いこと言いくるめ、逃げられるのがオチだ。
そこで、証拠の映像が役に立つ。
製造元は不明としておく。

「パウルにしか出来ないことだ。頼めるか?」

「勿論!!!」

パウルは自分にも出来ることがあると分かると、喜び早速魔石を造りに洞窟へと戻って行った。

さて、あとは……

「ルー、お前に頼みがあるんだが?」

「何?」

「パウルの魔石をミュラー公爵家の屋敷内に散布して欲しい」

ルーの俊敏な動きならば、短時間で散布出来るだろう。
勿論、先にルー母さんの承諾は得ている。
あと、問題は角兎と言うことがバレたらルーも捕まってしまう。角兎は希少だからな。

「大丈夫!僕、脚には自信があるから!いざとなったら全力で逃げるよ」

「気休めだが、姿を消す魔法をかけておく」

グスタフやつには直ぐにバレてしまうから、本当に気休めにしかならんが。

「リラは、私が責任を持って預かっとくから安心しな」

「助かる」

ルー母さんにくっついているリラを、ルー母さんは大きな手で撫でいた。

「リラ、ルー母さんの言うことちゃんと聞くんだぞ?」

「……うん、早く、帰ってきてね」

「ああ、バジャーを見つけたらすぐ戻る」

リラの頭を優しく撫でながら、約束した。

よしっ!待ってろよバジャー。すぐに助けてやるからな。
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