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シャ-……シャー……と嫌な音を出しながら、蛇髑が近づいて来た。
「ラルス、朝日が昇るまで踏ん張れ」
「はぁ!?また貴方はそんな無茶振りを……」
無茶は承知の上だ。
魔法も使えない、剣は溶かされてしまう。
お手上げ状態だな。
「泣き言は聞かん!!やれる所まででいい!!その時はその時考える!!」
「まったく、こんな上司を持つと部下は大変ですね……」
そう言いながらも剣を構える。
それを見た蛇髑が、毒を撒き散らす。
「ブラウ!!爺さん!!この毒に当たるなよ!!溶けるぞ!!」
「えっ!?うわっ!!」
「ほっほっほっ、珍妙な蛇ですなぁ」
爺さん、笑い事じゃないぞ。
「──くそっ!!コルネリア、屋敷の中は動きにくい!!外におびき出しましょう!!」
ラルスの言う事は最もだ。
隙を見て、全員外へと出た。
すると、蛇髑も外へと這い出て来た。
シャーーー!!!!
障害物が無くなったのか、撒き散らす毒の量が増した。
果たして、外に出たのが吉と出るか、凶と出るか……
「うわっ!!剣が!!」
ブラウの剣が毒に触れたらしい。
触れた部分からどんどん溶けだしていた。
「ほお、これは人間が当たるとまずいですな」
「だからさっきからそう言ってるだろ!!」
爺さんがのんびりとブラウの剣を見ているが、爺さん死ぬなよ?
「コルネリア!!話してる暇はありませんよ!!」
そうだった。
ラルスは蛇髑相手に何とか近づこうとしているが、それを蛇髑が許さない。
毒を吐き続けていて近づくことも出来ない。
ブラウが岩を投げつげるが、蛇髑は尾で叩き落とす。
爺さんが蛇髑の後ろに回り込み剣を突き刺したが、そんなもの蛇髑には全く効いていない。
爺さんは振り落とされ、腰を強く打ったらしく動けない。
「ブラウ!!爺さんを屋敷の中へ!!」
「はいっ!!」
すぐにブラウが爺さんを連れて屋敷の中へと入っていった。
「……コルネリア、勝算は?」
「無いな……」
しかし、殺らねば殺られるんでな。
日の出までまだまだある。
──日の出までもつかな……
「とりあえず、私が囮になる!!ラルス!!目を刺せ!!視界を奪うんだ!!」
「はい!!」
すぐさまラルスは蛇髑の後ろへと回り込み、隙を見計らう。
私は相変わらず蛇髑が吐く毒を避けながら、無駄だと思いつつも短剣を投げ付ける。
「……もう、短剣もないぞ……」
手持ちの短剣は全て投げ、その度溶かされた。
──参ったね……
蛇髑も短剣が無くなったのに気づいたのだろう。
私の元へと向かってきた。
「コルネリア!!──くそっ!!」
「ばかっ!!ラルス!!」
焦ったラルスが蛇髑の目を狙い飛び掛ったが、蛇髑の方が早かった。
尾でラルスの体は吹っ飛ばされた。
「──っぐ!!」
「ラルス!!逃げろ!!」
すぐに蛇髑がラルスの元に這って行き、あっという間にラルスがの体に巻き付いた。
──まずいまずいまずい!!!!
「ラルスを離せ!!!」
──あいつ、ラルスを食うつもりか!?
殺すならば、わざわざ巻付きはしない。
あれは、餌を捕える時の蛇髑だ。
「……こる……ねり……あ……」
考えてる暇はない!!
早くラルスを助け出さなければ窒息してしまう!!
しかし、思うように近づけない。
──くそっ!!どうすればいい!!
その時、白い大きな物体が蛇髑を吹っ飛ばした……
「ラルス、朝日が昇るまで踏ん張れ」
「はぁ!?また貴方はそんな無茶振りを……」
無茶は承知の上だ。
魔法も使えない、剣は溶かされてしまう。
お手上げ状態だな。
「泣き言は聞かん!!やれる所まででいい!!その時はその時考える!!」
「まったく、こんな上司を持つと部下は大変ですね……」
そう言いながらも剣を構える。
それを見た蛇髑が、毒を撒き散らす。
「ブラウ!!爺さん!!この毒に当たるなよ!!溶けるぞ!!」
「えっ!?うわっ!!」
「ほっほっほっ、珍妙な蛇ですなぁ」
爺さん、笑い事じゃないぞ。
「──くそっ!!コルネリア、屋敷の中は動きにくい!!外におびき出しましょう!!」
ラルスの言う事は最もだ。
隙を見て、全員外へと出た。
すると、蛇髑も外へと這い出て来た。
シャーーー!!!!
障害物が無くなったのか、撒き散らす毒の量が増した。
果たして、外に出たのが吉と出るか、凶と出るか……
「うわっ!!剣が!!」
ブラウの剣が毒に触れたらしい。
触れた部分からどんどん溶けだしていた。
「ほお、これは人間が当たるとまずいですな」
「だからさっきからそう言ってるだろ!!」
爺さんがのんびりとブラウの剣を見ているが、爺さん死ぬなよ?
「コルネリア!!話してる暇はありませんよ!!」
そうだった。
ラルスは蛇髑相手に何とか近づこうとしているが、それを蛇髑が許さない。
毒を吐き続けていて近づくことも出来ない。
ブラウが岩を投げつげるが、蛇髑は尾で叩き落とす。
爺さんが蛇髑の後ろに回り込み剣を突き刺したが、そんなもの蛇髑には全く効いていない。
爺さんは振り落とされ、腰を強く打ったらしく動けない。
「ブラウ!!爺さんを屋敷の中へ!!」
「はいっ!!」
すぐにブラウが爺さんを連れて屋敷の中へと入っていった。
「……コルネリア、勝算は?」
「無いな……」
しかし、殺らねば殺られるんでな。
日の出までまだまだある。
──日の出までもつかな……
「とりあえず、私が囮になる!!ラルス!!目を刺せ!!視界を奪うんだ!!」
「はい!!」
すぐさまラルスは蛇髑の後ろへと回り込み、隙を見計らう。
私は相変わらず蛇髑が吐く毒を避けながら、無駄だと思いつつも短剣を投げ付ける。
「……もう、短剣もないぞ……」
手持ちの短剣は全て投げ、その度溶かされた。
──参ったね……
蛇髑も短剣が無くなったのに気づいたのだろう。
私の元へと向かってきた。
「コルネリア!!──くそっ!!」
「ばかっ!!ラルス!!」
焦ったラルスが蛇髑の目を狙い飛び掛ったが、蛇髑の方が早かった。
尾でラルスの体は吹っ飛ばされた。
「──っぐ!!」
「ラルス!!逃げろ!!」
すぐに蛇髑がラルスの元に這って行き、あっという間にラルスがの体に巻き付いた。
──まずいまずいまずい!!!!
「ラルスを離せ!!!」
──あいつ、ラルスを食うつもりか!?
殺すならば、わざわざ巻付きはしない。
あれは、餌を捕える時の蛇髑だ。
「……こる……ねり……あ……」
考えてる暇はない!!
早くラルスを助け出さなければ窒息してしまう!!
しかし、思うように近づけない。
──くそっ!!どうすればいい!!
その時、白い大きな物体が蛇髑を吹っ飛ばした……
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