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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編
第21話 と「青桜日記」
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古城の奥の奥。古い道具入れなどが散乱する、誰もこない場所。
「シャルロット嬢、直ぐに桜というものを咲かせてここから帰るぞ、なんなんだあいつは…君もだ1人で行動はするな!」
と、怒り心頭のシンラ君。
「それがいい、あいつは君を部屋に連れ込もうとすんなんて…あいつをやってしまってもいいよな…俺もシーランの意見に賛成だよ」
と、これまた怒り心頭のパストさん。
「ごめんなさい…はぁ、怖かった…」
と、震える私。
アル様に頼まれて青桜を咲かせに私達の国より、遥かに西の端のラームス国という人間が住む国に来ています。この国に来る1週間前にアル様の執務室に話があるとシーラン様達と呼ばれた。
『シャルちゃんに頼みごとがある』
5日後に獣人の国を超えた西の端にあるラームス国に行き、そこの城の奥にある青桜の木を蘇らせてほしいと任務を言い渡された。シーラン様とリズ様にも一緒に私について行くようにとも指示が出た。
その国は人間が住む国。シーラン様はシンラ君になり、リズ様はパストさんになった。リオさんはここに残り竜人王様のお世話と、ラーロさんと国の見回りを言い渡される。
王城にその青桜の木はあるらしく、私は洗濯場にシーラン様とリズ様は調理場の下っ端として入る事となった。
『1週間でダメだったら戻っておいで、絶対に無理はしなくていいからね、2人もだよ』
『はい』
『シーラン様、リズ様、シャルロット様お気を付けて』
2日前にラームス国に入り王城で働く。国王に王妃、第1王子には婚約者がおり、第2王子は真面目、第3王子は私達と同じ歳で遊び人…城の可愛いメイドに手を出すという噂があるらしく。
何かあってはマズイと、アル様の魔法で茶色の髪にしてもらい、丸メガネにおさげといった大人しめな格好をした。
シーラン様とリズ様と話して、みんなが寝静まった真夜中に騎士の見回りに見つからない様に、王城の敷地内にある古城に集まろうと話をした。
そしてラームス国。1日目に奴は長身の騎士を一人連れて、私の仕事場の洗濯場に現れ、着いて早々声を上げた。
「ここに新しくメイドが入ったそうじゃないか誰だ、私に顔を見せよ」
洗濯場で仕事中にもかかわらず王子に呼ばれた。ここの先輩に聞いた話だと、王子に呼ばれて断ると良くてクビ、機嫌を損なうと牢屋に入れられるから、気をつけたほうがいいよ、と言われていた。
王子ってどこの国でもそんなものなの…そして、良くいう口癖は「私はこの国をいや、世界を救った勇者の血を受け継いでいる」との事。
勇者って…。
「出て来い!」
「あ、はい。すみません…シャルと言います。今日からここで働かせていただいています」
ふーんと、第3王子は品を確かめるように上から下まで見た。
「へー、シャルと言うのか…まあまあだな、もう良い下がれ」
「はい、失礼します」
王子は見るだけ見ると戻って行った。呼ばれた私が洗濯場に戻ると。洗濯場の人達は近寄りこぞってこう言う。
「あんた、残念だったね」
「残念ね」
「可愛い子だと、その場で連れて行っちまうんだよ」
「付いていくとね、美味しい物が食べれるんだって」
洗濯場のみんなは言いたいことだけ言って、持ち場に戻っていく。
1人になり、周りに人がいなくなったのを確認して。
「はぁーっ、よかった」
どうやら私は王子のお眼鏡に叶わなかったみたいと、ホッと胸を撫で下ろした。
♢♢♢
その夜みんなで古城に集まり、切り株を見に行こうとなった。
リズ様が「【ライト】」と魔法を使いみんなで旧庭園に向かう。
アル様が言っていた切り株は旧庭園の真ん中にあった、長い年月放置されたのだろう干からびてヒビが入っていた。
「これを戻すのか?」
リズ様が驚くのも当たり前だ。古城と旧庭園は人が来なくなって何年も経っているのだろう。手入れされていない枯れた花や乾いた土…もう、ここでは植物は育つのだろうかと思うほどの有様だった。
「でも、この木が戻れば獣人の国が助かるんだよ、青桜の薬が作れるようになったら絶対にいい!」
「そうだな、シャルの言う通りだな」
「うん、俺もシャルちゃんを手伝うよ」
みんなで小声でこの切り株が木に戻るように「生えろ」「生えろ」と願った。
青桜日記(1日目)
真夜中にシーラン様とリズ様とで集まり、旧庭園にてひよこ豆の様に願った…けど、見た目に変化なし。
私達の願いが足りない?
明日はお昼休みにこっそりと見に来て、魔法で水を巻いてみようかな?
魔法の練習最近できていないものね。
そうだそうしよう。
みんなの希望。
絶対に青桜の花を咲かせるわ。
「シャルロット嬢、直ぐに桜というものを咲かせてここから帰るぞ、なんなんだあいつは…君もだ1人で行動はするな!」
と、怒り心頭のシンラ君。
「それがいい、あいつは君を部屋に連れ込もうとすんなんて…あいつをやってしまってもいいよな…俺もシーランの意見に賛成だよ」
と、これまた怒り心頭のパストさん。
「ごめんなさい…はぁ、怖かった…」
と、震える私。
アル様に頼まれて青桜を咲かせに私達の国より、遥かに西の端のラームス国という人間が住む国に来ています。この国に来る1週間前にアル様の執務室に話があるとシーラン様達と呼ばれた。
『シャルちゃんに頼みごとがある』
5日後に獣人の国を超えた西の端にあるラームス国に行き、そこの城の奥にある青桜の木を蘇らせてほしいと任務を言い渡された。シーラン様とリズ様にも一緒に私について行くようにとも指示が出た。
その国は人間が住む国。シーラン様はシンラ君になり、リズ様はパストさんになった。リオさんはここに残り竜人王様のお世話と、ラーロさんと国の見回りを言い渡される。
王城にその青桜の木はあるらしく、私は洗濯場にシーラン様とリズ様は調理場の下っ端として入る事となった。
『1週間でダメだったら戻っておいで、絶対に無理はしなくていいからね、2人もだよ』
『はい』
『シーラン様、リズ様、シャルロット様お気を付けて』
2日前にラームス国に入り王城で働く。国王に王妃、第1王子には婚約者がおり、第2王子は真面目、第3王子は私達と同じ歳で遊び人…城の可愛いメイドに手を出すという噂があるらしく。
何かあってはマズイと、アル様の魔法で茶色の髪にしてもらい、丸メガネにおさげといった大人しめな格好をした。
シーラン様とリズ様と話して、みんなが寝静まった真夜中に騎士の見回りに見つからない様に、王城の敷地内にある古城に集まろうと話をした。
そしてラームス国。1日目に奴は長身の騎士を一人連れて、私の仕事場の洗濯場に現れ、着いて早々声を上げた。
「ここに新しくメイドが入ったそうじゃないか誰だ、私に顔を見せよ」
洗濯場で仕事中にもかかわらず王子に呼ばれた。ここの先輩に聞いた話だと、王子に呼ばれて断ると良くてクビ、機嫌を損なうと牢屋に入れられるから、気をつけたほうがいいよ、と言われていた。
王子ってどこの国でもそんなものなの…そして、良くいう口癖は「私はこの国をいや、世界を救った勇者の血を受け継いでいる」との事。
勇者って…。
「出て来い!」
「あ、はい。すみません…シャルと言います。今日からここで働かせていただいています」
ふーんと、第3王子は品を確かめるように上から下まで見た。
「へー、シャルと言うのか…まあまあだな、もう良い下がれ」
「はい、失礼します」
王子は見るだけ見ると戻って行った。呼ばれた私が洗濯場に戻ると。洗濯場の人達は近寄りこぞってこう言う。
「あんた、残念だったね」
「残念ね」
「可愛い子だと、その場で連れて行っちまうんだよ」
「付いていくとね、美味しい物が食べれるんだって」
洗濯場のみんなは言いたいことだけ言って、持ち場に戻っていく。
1人になり、周りに人がいなくなったのを確認して。
「はぁーっ、よかった」
どうやら私は王子のお眼鏡に叶わなかったみたいと、ホッと胸を撫で下ろした。
♢♢♢
その夜みんなで古城に集まり、切り株を見に行こうとなった。
リズ様が「【ライト】」と魔法を使いみんなで旧庭園に向かう。
アル様が言っていた切り株は旧庭園の真ん中にあった、長い年月放置されたのだろう干からびてヒビが入っていた。
「これを戻すのか?」
リズ様が驚くのも当たり前だ。古城と旧庭園は人が来なくなって何年も経っているのだろう。手入れされていない枯れた花や乾いた土…もう、ここでは植物は育つのだろうかと思うほどの有様だった。
「でも、この木が戻れば獣人の国が助かるんだよ、青桜の薬が作れるようになったら絶対にいい!」
「そうだな、シャルの言う通りだな」
「うん、俺もシャルちゃんを手伝うよ」
みんなで小声でこの切り株が木に戻るように「生えろ」「生えろ」と願った。
青桜日記(1日目)
真夜中にシーラン様とリズ様とで集まり、旧庭園にてひよこ豆の様に願った…けど、見た目に変化なし。
私達の願いが足りない?
明日はお昼休みにこっそりと見に来て、魔法で水を巻いてみようかな?
魔法の練習最近できていないものね。
そうだそうしよう。
みんなの希望。
絶対に青桜の花を咲かせるわ。
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