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本編
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しおりを挟むジニアが言っていることを簡単に要約するとこうだ。
自分は死者である。死者はもちろんこの世に干渉することはできない。そもそもこの世に死者とか、そう言ったオカルト的な存在が生まれてくること自体がイレギュラーであるため、下手に動くと自分だけでなく周りに被害が被るらしい。
だから、自分が直接はこの件に手出しはできないとのこと。するとするのならば、誰かを媒介としなければならないこと。
そして解呪の方だが、こちらもこちらで厄介なようだ。呪いを付与した時と同等級の魔力を注がなければ、まず話にならないらしい。魔力量に関しては心配いらないが、問題は媒介とする誰かに、その魔力を通さなければいけないことだ。
おそらく自分の魔力に耐えうる人間など、世界のどこを捜してもいないだろう。魔力は媒介の魂だけでなく、世界をも蝕むことになる。媒介となる人間の存在は、そこにあったという事実さえ失い、世界は「忘却」を受けることとなる──
「その役目が、僕……」
『そういうこった。……すまねえな』
まさかジニアから謝罪の言葉が出るとは思わず、僕は笑みをこぼした。
『何で……お前も笑うんだよ……』
ジニアは「も」と付けたが、僕以外に笑っている人はいない。ジニアは笑うどころか、今にも泣きそうに顔を歪めていた。
「しかし、よろしいのですか?」
そんな状態の彼だが、最終確認を取る。これだけは、聞いておきたいと思っていたのだ。
『何がだよ』
「初代国王が……と言うか誰でも、こんな呪いを生み出すくらいです、何かしら理由があったのでしょう? それを……ここで解いてもよろしいのですか?」
『はあ? お前がそうしたいんだろ?』
「それは、そうですけど……でも、何で僕なんかのために……いや、僕だけのためじゃないというのはわかっているのですが……」
言い淀む僕に、ジニアは焦れったいなと呟く。何だか急かされたような気がして、僕は口を滑らせてしまう。
「どうして、ここまで僕に良くしてくださるのですか?」
言った後に、僕は頬が紅潮していくのを感じた。これでは、自意識過剰と捉えられてもおかしくない。特に人を馬鹿にするのを趣味にしていそうなジニアのことだ、また嫌味っぽく笑われる。
気は重いが、覚悟を決めてジニアの方を恐る恐る見ると
『──』
ジニアは声を詰まらせているようだった。彼にしては、随分と珍しい。普段は息を吸うように人を挑発するのに。
僕は黙ってジニアが動くのを待ち、やがてジニアは鼻で笑うと、こう吐き捨てた。
『ただの気まぐれだ。強いて言うなら、退屈しなさそうだったから……だな』
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