愛してる。だからばいばい

 ヘルザン国には、遥か昔から蔓延する不治の病がある。その病に、ヘルザン国王太子であるセリシール・ヘルザン──僕の婚約者が侵された。
 婚約者の名は、ローズ・ミェイアル。赤毛に翠色の瞳を持つ公爵家の令嬢だ。
 僕は、心の底からローズのことを愛していた。しかし、死ぬと分かっている人間を王太子妃になどはできない。それは、僕もわかっているつもりだ。

「セリシール様、婚約を解消しましょう」

 けれど、ローズから直接告げられたその言葉は、覚悟していたはずなのに、どこまでも僕を堕としていって──

 かつての英雄は嗤う。

『どうだ、あいつの為に死んでみるか?』












*本編までは執筆済み
*1話1000文字程度
*本編全10話+‪おまけ
*おまけタイトル横の記号は以下を示します(○→あったかもしれないその後 △→あったかもしれない世界線 □→あったかもしれない日常)
*その内作品下ろすかと思います。ご了承ください
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