4 / 44
1−0.2※
しおりを挟む
気がつけば、王太子の分厚い身体の下で、彼に揺さぶられながら泣き喚いていた。
「あーっ、うぁ、あ、あぁ……」
自分の声がうるさい。
こんな、だらしない声、耳をふさぎたい。
だのにやっぱり身体は動いてくれなかった。
「ぐ、……ふっ、ッ、」
王太子はデイルを後ろから抱きしめ、繋がった腰を動かしている。たまに胸を大きな手で探られ、くすぐったさに声を上げればさらに大胆に揺すられた。
「あぅ、あ、ぁひ、ひっ、……ぁぁああ」
太いものがずりずりと腹の奥を出たり入ったりして、そのたびにびびびと重い痺れがデイルの身体を走っていく。
それを、気持ちがいいというのだと、教えたのは王太子だ。
「ああ、お前の中……絡みついて」
「ぅあ、あ、あっ」
「すごいな、俺がそんなに、っ、好きか」
「や、あああっ」
ぐり、と奥まで突っ込まれて腰をつかまれてこねるように動かれた。
ばちっ、と眼の前に火花が散った。じんじんと体中が熱くなって、びくびくと跳ねるのを止められない。
「ぁーっ、あぁ……あ、」
「ん、っ、気持ちいいなあ……」
とろけるように甘い声が、耳に吹き込まれる。ぼろりと涙が出たのは、きっとそれが大好きで、気持ちが良くて、怖かったからだ。
なぜこんなことになっているのかわからない。
それが、あまりにもデイルには耐えられなかった。自分がどんな状況に置かれているのか、何一つわからない上に、朦朧として考えられないのが、何よりも怖い。
けれど、ようやく、王太子に抱かれているのだと、分かるくらいには正気になった。
チャンスだった。次にまたいつ正気に戻れるかわからない。
デイルは、思いきり、顎に力を込めようとした。
だが、
「っ、ぐ」
がり、と音がした。呻く声。
顎が閉じられない。
「……っ、?、?」
「くそ、そうだったか」
苛立たしげなグレオルの声に、びくりとデイルの肩が揺れた。
舌を、ぐっと押されて、ようやく噛んだのは自分の奥歯ではなく、王太子の手だということに気がついた。
「……んぅ!?」
「どこだ……」
焦ったグレオルの声と、口の中で忙しなく動く彼の指にまた恐怖が湧き上がってくる。
(どうして)
何度目か分からない、絶望。
ち、とグレオルは舌打ちする。
びくついたデイルの身体を、彼のもう片手がぐっと下から持ち上げてひっくり返す。
ぐりり、と腹の中がかき回されて、快感にしびれた。
「ん、ぁんーっ!」
びくびくとデイルがなすすべもなく戦慄いている間に、グレオルは口をこじ開けようとする。力強い手で顔を押さえられて、デイルの喉が仰け反って晒される。
「あ、ぐ、ぅ、う、」
舌を根本から押さえられ、指で挟まれ、歯肉をなぞられてぞくぞくと体が震える。
閉じられない口の端から、大量の唾液が流れてシーツを汚す。
「……っ、あった」
「は、はぅ、ううう」
あらゆる刺激に涙するデイルの目の前に、王太子の指先につままれた小さな丸い石のようなものが見せつけられる。
「まったく……油断も隙もない。自決用……か」
その時、デイルの心が、壊れた。
最も隠しておきたいものが――その彼女の姿が、目の前に幻のように現れる。
「ダー……ニャ」
無意識につぶやいたその名前。
一瞬、意識が遠のいた。
それを引き戻したのは、大きすぎる快感だった。
「……あ、あ!?ぁ、あーっあっあっあっ」
「あ、ぐ、……ああ、くそ、良すぎる……っ」
デイルは足を掴まれ、膝をベッドに立てた王太子の腰に繋がれていた。
宙に浮いた尻に王太子の引き締まった腰がガツガツガツガツ叩きつけられ、薄い腹を突き破らんばかりに太ましい男が叩いた。ぼこぼこと不規則に臍のあたりが丸く浮き出る。
下生えや足の付根に雫を飛ばしながら、赤く充血したデイルの男根はあちこちに振りたくられている。
どろりと濁った赤茶目はどこ見ているのか。ざっくばらんな麦わら色の髪は、波打つシーツに流れてさりさりと小さな音を立てているが、彼の喘ぐ声と身体がぶつかりあう生々しい音に比べては慎ましすぎた。
「やぁー――ぁん!う、ぁっ、あ、あ、あっ!」
もはやデイル自身、何を思っているかわからない。
ただ、気持ちよくて、悲しかった。
「あーっ、うぁ、あ、あぁ……」
自分の声がうるさい。
こんな、だらしない声、耳をふさぎたい。
だのにやっぱり身体は動いてくれなかった。
「ぐ、……ふっ、ッ、」
王太子はデイルを後ろから抱きしめ、繋がった腰を動かしている。たまに胸を大きな手で探られ、くすぐったさに声を上げればさらに大胆に揺すられた。
「あぅ、あ、ぁひ、ひっ、……ぁぁああ」
太いものがずりずりと腹の奥を出たり入ったりして、そのたびにびびびと重い痺れがデイルの身体を走っていく。
それを、気持ちがいいというのだと、教えたのは王太子だ。
「ああ、お前の中……絡みついて」
「ぅあ、あ、あっ」
「すごいな、俺がそんなに、っ、好きか」
「や、あああっ」
ぐり、と奥まで突っ込まれて腰をつかまれてこねるように動かれた。
ばちっ、と眼の前に火花が散った。じんじんと体中が熱くなって、びくびくと跳ねるのを止められない。
「ぁーっ、あぁ……あ、」
「ん、っ、気持ちいいなあ……」
とろけるように甘い声が、耳に吹き込まれる。ぼろりと涙が出たのは、きっとそれが大好きで、気持ちが良くて、怖かったからだ。
なぜこんなことになっているのかわからない。
それが、あまりにもデイルには耐えられなかった。自分がどんな状況に置かれているのか、何一つわからない上に、朦朧として考えられないのが、何よりも怖い。
けれど、ようやく、王太子に抱かれているのだと、分かるくらいには正気になった。
チャンスだった。次にまたいつ正気に戻れるかわからない。
デイルは、思いきり、顎に力を込めようとした。
だが、
「っ、ぐ」
がり、と音がした。呻く声。
顎が閉じられない。
「……っ、?、?」
「くそ、そうだったか」
苛立たしげなグレオルの声に、びくりとデイルの肩が揺れた。
舌を、ぐっと押されて、ようやく噛んだのは自分の奥歯ではなく、王太子の手だということに気がついた。
「……んぅ!?」
「どこだ……」
焦ったグレオルの声と、口の中で忙しなく動く彼の指にまた恐怖が湧き上がってくる。
(どうして)
何度目か分からない、絶望。
ち、とグレオルは舌打ちする。
びくついたデイルの身体を、彼のもう片手がぐっと下から持ち上げてひっくり返す。
ぐりり、と腹の中がかき回されて、快感にしびれた。
「ん、ぁんーっ!」
びくびくとデイルがなすすべもなく戦慄いている間に、グレオルは口をこじ開けようとする。力強い手で顔を押さえられて、デイルの喉が仰け反って晒される。
「あ、ぐ、ぅ、う、」
舌を根本から押さえられ、指で挟まれ、歯肉をなぞられてぞくぞくと体が震える。
閉じられない口の端から、大量の唾液が流れてシーツを汚す。
「……っ、あった」
「は、はぅ、ううう」
あらゆる刺激に涙するデイルの目の前に、王太子の指先につままれた小さな丸い石のようなものが見せつけられる。
「まったく……油断も隙もない。自決用……か」
その時、デイルの心が、壊れた。
最も隠しておきたいものが――その彼女の姿が、目の前に幻のように現れる。
「ダー……ニャ」
無意識につぶやいたその名前。
一瞬、意識が遠のいた。
それを引き戻したのは、大きすぎる快感だった。
「……あ、あ!?ぁ、あーっあっあっあっ」
「あ、ぐ、……ああ、くそ、良すぎる……っ」
デイルは足を掴まれ、膝をベッドに立てた王太子の腰に繋がれていた。
宙に浮いた尻に王太子の引き締まった腰がガツガツガツガツ叩きつけられ、薄い腹を突き破らんばかりに太ましい男が叩いた。ぼこぼこと不規則に臍のあたりが丸く浮き出る。
下生えや足の付根に雫を飛ばしながら、赤く充血したデイルの男根はあちこちに振りたくられている。
どろりと濁った赤茶目はどこ見ているのか。ざっくばらんな麦わら色の髪は、波打つシーツに流れてさりさりと小さな音を立てているが、彼の喘ぐ声と身体がぶつかりあう生々しい音に比べては慎ましすぎた。
「やぁー――ぁん!う、ぁっ、あ、あ、あっ!」
もはやデイル自身、何を思っているかわからない。
ただ、気持ちよくて、悲しかった。
13
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる