16 / 55
第2章 周辺国との和解へ向けて
第16話 奴らが来る
しおりを挟む
その頃。思ったように情報が取れず。
業を煮やした、オリエンテム王国。
大量に木の盾をくっ付けた台車を準備して、王都を出発する。
「我が国が、舐められるわけにはいかん」
「そうでございます。我が国は強国。それを、パリブス王国滅亡を持って、この大陸。コンティニアス大陸の諸国に知らしめる。その後。覇を唱える。王のお考えを実現いたしましょう」
会話をしているのは、王と今回の出兵責任者。
セレスティノ=モンストシニョス侯爵。
何よりも、戦が好きな困った御仁。
物々しくも盛大に、今回は八千もの兵を動員をした。
その頃。
パリブス王国の王都パロプンテでは、盛大に新部隊のお披露目が行われていた。
だが市民からは、驚きと恐れがにじみ出る。
緑色と土色。迷彩色の巨大な兵達が、動くたびにパシューと音を上げる。
巨大なハルバード。
赤く光るギミック。
一見。目のようだが、単なるライト。夜間も安全。
目は、黒いパンチ穴のメッシュ、その隙間から覗いている。
コンセプトは、男のロマン。
「新機動部隊を創設。第一弾として気導鉄騎兵団を本日より運用開始。第二弾は未定だが、戦車部隊と名は決まっておる様だ。この姿、民は恐れているようだが、同様に敵も恐れてくれるだろう。彼らに出会えば殲滅される。その事を盛大に触れ回って良いぞ」
軍務卿ガブリエル=オリバレスが、部隊を盛大に紹介をするのは、間者達に対してのアピール。
ここにも、盛大に潜んでいるのだろう。
持っている巨大なハルバードを軽快に横へ一薙ぎ。一足飛びに前進をする。
足の裏と、背中のランドセル。両側から加速時に少しだけ空気を噴出する。
改良をしたが、それでも、タンク容量の半分を使う。
普段は使えないが、今回のデモンストレーションのために、兵達は半日練習をした。およそ二メートルの距離を、一瞬で詰める事が出来る。
そう言っている間に、視界の中で幾人か、血相を変えて移動を始める者達がいる。
むろん、それを追いかける奴も。追いかけるのは当然。此方の部隊だ。
「何だあれは。やばい。もう本国から、部隊の本隊は出発をしたはず。伝えなくては」
オリエンテム王国は、大量の部隊を放っていた。
横の情報は基本取っていないため、あわてた連中が、一斉に行動を起こす様は滑稽でもある。
「あれ全部、オリエンテムだな。捕まえろ」
通信兵は、初期的なモールスを送る。ただ、あらかじめ決められた命令は書類として流されており、それに該当する短点と長点を無音を三秒入れて、三度繰り返す。
本物と違うのは、モールス符号を誰も覚えていなかったから。
構造は、電気のスイッチを繋いだり切ったりする電磁波? ノイズ発生器。近所で電子機器を使っていれば、クレームの嵐だろうが、ここにはない。確かこんな感じと言って作ったら繋がったので、スピーカーを作るついでに実用化をした。まあ、ノイズ混じりの電波を出して切ってを繰り返すだけの、体にも悪そうな物体。
距離も短いし、今ならのろしの方が早い。
その内、振幅変調とか周波数変調の無線機を、誰かが考えてくれるだろう。
「さて、聞こうか? お前達は、オリエンテムの者達だなぁ」
捕まった彼らは、微妙に距離を開けた部屋に分けられた。
何故か、黒い全身タイツを着せられて、椅子に縛り付けられている。
様式美だそうだ。
「良い情報をくれたものは、金を与え釈放も考えている。早いもの順だがな。先着三名にしよう。しゃべる気になったら、手に持っている紐を引けば、鐘が鳴るようになっている。いいな。先着順だ……」
そう言って、兵は部屋を出る。この兵達は拷問のプロ。
「本当に、こんな事でよろしいのでしょうか? 彼らは訓練を積んだ者達。拷問をしても、なかなか情報を吐きませんが」
初めてのことに、不安そうな彼ら。
「うんまあ。駄目なら別の手を考えよう。我らミステリー研の名にかけて」
「ええ、そうね。我らミステリー研の名にかけて。何とかするわ」
ビシッと台詞を吐き、練習をしたかのように、そろった動きで、めがねがくいっとあげられる。
戦隊物の様に、そろった五人。
山本 秀明、佐藤 秀夫、武田 彩、佐々木 慶子、渡邉 洋子。
ここでは、山本秀明と佐々木 慶子が部長と副部長を名乗り、此方へ来てからは普段は、執筆を行っている。
捕虜を捕まえるという話を聞き、実録だわ。そう言って、取材と知識の検証にやって来た。
そして捕虜達、各(おのおの)が意地とプライドをかけて頑張る中。一回目の鐘が鳴る。
「なっ」
思わず声が出る。
むろんこの鐘は、秀明達が相談をして鳴らしたもの。
「はい。これを読んで」
兵に手渡されるメモ。
「あーはい。なに? それは本当か? ――ふあっ、はっはっは、残念だが、その情報が本当なのは知っておる。我が国でも情報を捉えておるからな。正直なのは認めよう。だが…… 放免をするのなら、もっと有意義な情報が良いな。残念だが、あと三回のままだ。早い者勝ちだぞぉ。――これでよろしいのでしょうか?」
「大根ね」
「大根だな」
「もっと自然に読めないのかしら?」
何故か、めがねのレンズが、白く光る。
「はあ。自然にですか。頑張ります」
だが、この世界では、効果がてきめんであった。
くそう。自分だけが逃れようと。
次々に、鐘が鳴り始める。
王国の中で、ミステリー研の名が、一気に有名になった伝説の始まりであった。
何故か小説は、情報収集の指南書と、犯罪の傾向と対策。その基本的考え方として配布されることになる。
残念な事に、一般へは配布が禁止されて、ベストセラーにはならなかった。
業を煮やした、オリエンテム王国。
大量に木の盾をくっ付けた台車を準備して、王都を出発する。
「我が国が、舐められるわけにはいかん」
「そうでございます。我が国は強国。それを、パリブス王国滅亡を持って、この大陸。コンティニアス大陸の諸国に知らしめる。その後。覇を唱える。王のお考えを実現いたしましょう」
会話をしているのは、王と今回の出兵責任者。
セレスティノ=モンストシニョス侯爵。
何よりも、戦が好きな困った御仁。
物々しくも盛大に、今回は八千もの兵を動員をした。
その頃。
パリブス王国の王都パロプンテでは、盛大に新部隊のお披露目が行われていた。
だが市民からは、驚きと恐れがにじみ出る。
緑色と土色。迷彩色の巨大な兵達が、動くたびにパシューと音を上げる。
巨大なハルバード。
赤く光るギミック。
一見。目のようだが、単なるライト。夜間も安全。
目は、黒いパンチ穴のメッシュ、その隙間から覗いている。
コンセプトは、男のロマン。
「新機動部隊を創設。第一弾として気導鉄騎兵団を本日より運用開始。第二弾は未定だが、戦車部隊と名は決まっておる様だ。この姿、民は恐れているようだが、同様に敵も恐れてくれるだろう。彼らに出会えば殲滅される。その事を盛大に触れ回って良いぞ」
軍務卿ガブリエル=オリバレスが、部隊を盛大に紹介をするのは、間者達に対してのアピール。
ここにも、盛大に潜んでいるのだろう。
持っている巨大なハルバードを軽快に横へ一薙ぎ。一足飛びに前進をする。
足の裏と、背中のランドセル。両側から加速時に少しだけ空気を噴出する。
改良をしたが、それでも、タンク容量の半分を使う。
普段は使えないが、今回のデモンストレーションのために、兵達は半日練習をした。およそ二メートルの距離を、一瞬で詰める事が出来る。
そう言っている間に、視界の中で幾人か、血相を変えて移動を始める者達がいる。
むろん、それを追いかける奴も。追いかけるのは当然。此方の部隊だ。
「何だあれは。やばい。もう本国から、部隊の本隊は出発をしたはず。伝えなくては」
オリエンテム王国は、大量の部隊を放っていた。
横の情報は基本取っていないため、あわてた連中が、一斉に行動を起こす様は滑稽でもある。
「あれ全部、オリエンテムだな。捕まえろ」
通信兵は、初期的なモールスを送る。ただ、あらかじめ決められた命令は書類として流されており、それに該当する短点と長点を無音を三秒入れて、三度繰り返す。
本物と違うのは、モールス符号を誰も覚えていなかったから。
構造は、電気のスイッチを繋いだり切ったりする電磁波? ノイズ発生器。近所で電子機器を使っていれば、クレームの嵐だろうが、ここにはない。確かこんな感じと言って作ったら繋がったので、スピーカーを作るついでに実用化をした。まあ、ノイズ混じりの電波を出して切ってを繰り返すだけの、体にも悪そうな物体。
距離も短いし、今ならのろしの方が早い。
その内、振幅変調とか周波数変調の無線機を、誰かが考えてくれるだろう。
「さて、聞こうか? お前達は、オリエンテムの者達だなぁ」
捕まった彼らは、微妙に距離を開けた部屋に分けられた。
何故か、黒い全身タイツを着せられて、椅子に縛り付けられている。
様式美だそうだ。
「良い情報をくれたものは、金を与え釈放も考えている。早いもの順だがな。先着三名にしよう。しゃべる気になったら、手に持っている紐を引けば、鐘が鳴るようになっている。いいな。先着順だ……」
そう言って、兵は部屋を出る。この兵達は拷問のプロ。
「本当に、こんな事でよろしいのでしょうか? 彼らは訓練を積んだ者達。拷問をしても、なかなか情報を吐きませんが」
初めてのことに、不安そうな彼ら。
「うんまあ。駄目なら別の手を考えよう。我らミステリー研の名にかけて」
「ええ、そうね。我らミステリー研の名にかけて。何とかするわ」
ビシッと台詞を吐き、練習をしたかのように、そろった動きで、めがねがくいっとあげられる。
戦隊物の様に、そろった五人。
山本 秀明、佐藤 秀夫、武田 彩、佐々木 慶子、渡邉 洋子。
ここでは、山本秀明と佐々木 慶子が部長と副部長を名乗り、此方へ来てからは普段は、執筆を行っている。
捕虜を捕まえるという話を聞き、実録だわ。そう言って、取材と知識の検証にやって来た。
そして捕虜達、各(おのおの)が意地とプライドをかけて頑張る中。一回目の鐘が鳴る。
「なっ」
思わず声が出る。
むろんこの鐘は、秀明達が相談をして鳴らしたもの。
「はい。これを読んで」
兵に手渡されるメモ。
「あーはい。なに? それは本当か? ――ふあっ、はっはっは、残念だが、その情報が本当なのは知っておる。我が国でも情報を捉えておるからな。正直なのは認めよう。だが…… 放免をするのなら、もっと有意義な情報が良いな。残念だが、あと三回のままだ。早い者勝ちだぞぉ。――これでよろしいのでしょうか?」
「大根ね」
「大根だな」
「もっと自然に読めないのかしら?」
何故か、めがねのレンズが、白く光る。
「はあ。自然にですか。頑張ります」
だが、この世界では、効果がてきめんであった。
くそう。自分だけが逃れようと。
次々に、鐘が鳴り始める。
王国の中で、ミステリー研の名が、一気に有名になった伝説の始まりであった。
何故か小説は、情報収集の指南書と、犯罪の傾向と対策。その基本的考え方として配布されることになる。
残念な事に、一般へは配布が禁止されて、ベストセラーにはならなかった。
3
あなたにおすすめの小説
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜
namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。
かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。
無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。
前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。
アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。
「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」
家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。
立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。
これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる