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第2章 周辺国との和解へ向けて
第39話 提案と脅し
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「隊長様、ええと……」
「神野です。隊長?」
「ええ。兵の方が」
「まあ。良いでしょう。それで、こんな夜にお忍びとは?」
そう聞くと、もじもじし始める。
「あの…… 今回、息子。第二王子であるオリヴェルが、この国の王位に就きます。それで、私はクルーム家の娘。メリディオナル王国の王家と、親族関係があります」
なんだか、もじもじとしながら、説明をしてくれる。
「そうなんですね。二国の橋渡し。大変ですね」
「ええまあ。それでですね。今回戦争をして、あっ、申し訳ありませんでした」
そう言って、頭を下げてきた。
「いえまあ、主犯達は死にましたし。此方こそ、間違って殺してしまいまして、申し訳ありません」
よく考えれば、旦那を殺したんだよな。
「いいえ。王は、お妃に息子。第一王子が出来てから、私に興味が無いようでしたから」
そう言って、またもじもじし始める。
確か、第三王女のフェリシアちゃんが、なぜか此方をじっと見る。
父さんの仇だから仕方が無いが、なんとなく恨みの目じゃないな?
「お母様。この方と私が、婚姻を結べばよろしいのでしょうか?」
もじもじの母親と違い、スパッと切り込んでくる。
確か、フェリシアちゃん。いま、十一歳だとか、聞いた気がする。
「そうよ。そうすれば、国の両側と婚姻による繋がりが出来るし。今回の戦争で、此方が悪いとはいえ、大量に殺された恨みも、きっと薄くなるわ」
セシーリアさんの言葉に、ちょっと引っかかる。
「うん? 殺したあげく姫まで貰うと、恨みの矛先が来ないか?」
疑問点を聞いてみる。
「それはそれ、強い国が味方に付く。それだけで民は安心をいたしますし、殺されたのは先に手を出した、此方が悪いと納得を出来ますもの」
「そうね。私も民に結構人気がありますし、パリブス王国と仲良くするために嫁ぎますって言えば大丈夫よね」
「えぇ。そうね」
本当にそうか? おどしたとか思われそうだが。
さっきまでの、もじもじはどこへやら。
そして、味方になるだけで怒りが収まるなら、婚姻は要らないのでは?
「味方になるだけで良いのなら、今回の協定に明記されるはずだ。婚姻まで……」
そこまで言いかけたら、言葉を被される。
「駄目でございます。条約などと言う不確かな物。私が嫁げば、下手にパリブス王国へ手を出せば、私が殺されてしまう。そう思うからこそ、民は思いをとどめるのでございます」
人の話をぶった切り、しんみりした台詞を、上目遣いで訴えてくる。
多少演技過剰だし、条約ってそんなに軽いものなのか?
それに、十一歳って、小学校の高学年じゃないか?
そう思ったのが、顔に出たのか、読まれたのか、セシーリアさんがぶっ込んでくる。
「まだ娘は月のものも参っておりません。使えるようになるまでは、私が代わりにお相手をいたしましょう」
そう言った後、ぽっと顔が赤くなる。
「王も亡くなりましたし、私もまだギリギリ二十代。いかがでしょうか?」
「如何でしょうかって? 間に合っています」
そう言うと、ガーンという顔をする。
こういう反応って、全世界共通なのか?
「では婚約者が? 当然ですわよね。もう十九だとか。殿方としても少し、いきお……、いえ御遅うございますもの。残念ですわ。ここに居る間だけでも、よろしくてよ」
「母さま。それ以上は」
娘にたしなめられる。
残念そうな顔をして、すっと立ち上がる。
「残念でございますが、フェリシアの言うとおり。ここは引きましょう。ではまた」
そう言って、二人は帰って行ったが、部屋に充満をする女の匂い。
「だーもう」
木で作られた、窓を開放をする。
そして翌朝。
予定通り出立の準備をしていると、見慣れない馬車が一台並べられる。
むろん。フェリシアちゃんだ。
まあ、パリブス王国へ帰れば、第一王子のフレデリクも居るし、第二王子オスキャルや第三王子リキャルドもいる。
リキャルドなど、確か十六だか十七歳だから丁度良いだろう。
帰って王に進言をしてみよう。
気導鉄騎兵団の隊長を務めている、アードリアン=ユルゲンス伯爵を代官というか管理官としておいていくから、燃料とか銃弾をおいていく。
急遽城の一角に、木造だが格納庫を作る。
駐留軍として、一個小隊をおいていく。
百人程度だが、小銃と拳銃を装備している。
此方には弓と剣しか無いから、大事にはならないだろう。
ユルゲンス伯爵には、此方が戦勝国だと言っても、人道に外れた行為はするなと言ってある。
「この先、メリディオナルと戦闘になった場合。この国の国境線が戦場だ。後ろから撃たれるのは嫌だろう」
そう言って、脅し。部下にも周知をさせるように申しつける。
帰り道、道中では野営もあるが、日持ちをするパスタの乾麺とかインスタント味噌汁とかを使っている。
乾燥できるものは、凍結乾燥器を作りフリーズドライを実用化した。
臨界点乾燥とかをすると、表面張力の影響を少なく出来る。
臨界点は、液化炭酸ガス等を、チャンバーに密閉して、温度を上げていく。
すると、炭酸ガスは、気化しようとするが高圧のため気化できない。
やがて、高圧のチャンバー内は液体でも気体でもない臨界状態になる。
そこで、ゆっくりと炭酸ガスを抜いていくと、物質に表面張力による破壊を起こさずに乾燥が出来る。
そんな事を言い始めた奴がいたが、大量の液化炭酸ガスと、高圧に耐えられるチャンバーを大型化が出来ないため諦めた。
野菜でも何でも、物が抱えている水分を抜く。
意外と奥が深い。
アルコール置換とかも試したし。まあ。その中で、フリーズドライが実用化された。
ものを凍らせて、チャンバーへ入れて真空引きをする。
陰圧の状態で、氷は段々と昇華していく。
そして、最後には乾燥が出来る。
まあそんな感じで、従来の行軍に比べて飯が美味くなったと評判だ。
フェリシアちゃんも、何これと言い続けて、ぱくついているから問題ないだろう。
「神野です。隊長?」
「ええ。兵の方が」
「まあ。良いでしょう。それで、こんな夜にお忍びとは?」
そう聞くと、もじもじし始める。
「あの…… 今回、息子。第二王子であるオリヴェルが、この国の王位に就きます。それで、私はクルーム家の娘。メリディオナル王国の王家と、親族関係があります」
なんだか、もじもじとしながら、説明をしてくれる。
「そうなんですね。二国の橋渡し。大変ですね」
「ええまあ。それでですね。今回戦争をして、あっ、申し訳ありませんでした」
そう言って、頭を下げてきた。
「いえまあ、主犯達は死にましたし。此方こそ、間違って殺してしまいまして、申し訳ありません」
よく考えれば、旦那を殺したんだよな。
「いいえ。王は、お妃に息子。第一王子が出来てから、私に興味が無いようでしたから」
そう言って、またもじもじし始める。
確か、第三王女のフェリシアちゃんが、なぜか此方をじっと見る。
父さんの仇だから仕方が無いが、なんとなく恨みの目じゃないな?
「お母様。この方と私が、婚姻を結べばよろしいのでしょうか?」
もじもじの母親と違い、スパッと切り込んでくる。
確か、フェリシアちゃん。いま、十一歳だとか、聞いた気がする。
「そうよ。そうすれば、国の両側と婚姻による繋がりが出来るし。今回の戦争で、此方が悪いとはいえ、大量に殺された恨みも、きっと薄くなるわ」
セシーリアさんの言葉に、ちょっと引っかかる。
「うん? 殺したあげく姫まで貰うと、恨みの矛先が来ないか?」
疑問点を聞いてみる。
「それはそれ、強い国が味方に付く。それだけで民は安心をいたしますし、殺されたのは先に手を出した、此方が悪いと納得を出来ますもの」
「そうね。私も民に結構人気がありますし、パリブス王国と仲良くするために嫁ぎますって言えば大丈夫よね」
「えぇ。そうね」
本当にそうか? おどしたとか思われそうだが。
さっきまでの、もじもじはどこへやら。
そして、味方になるだけで怒りが収まるなら、婚姻は要らないのでは?
「味方になるだけで良いのなら、今回の協定に明記されるはずだ。婚姻まで……」
そこまで言いかけたら、言葉を被される。
「駄目でございます。条約などと言う不確かな物。私が嫁げば、下手にパリブス王国へ手を出せば、私が殺されてしまう。そう思うからこそ、民は思いをとどめるのでございます」
人の話をぶった切り、しんみりした台詞を、上目遣いで訴えてくる。
多少演技過剰だし、条約ってそんなに軽いものなのか?
それに、十一歳って、小学校の高学年じゃないか?
そう思ったのが、顔に出たのか、読まれたのか、セシーリアさんがぶっ込んでくる。
「まだ娘は月のものも参っておりません。使えるようになるまでは、私が代わりにお相手をいたしましょう」
そう言った後、ぽっと顔が赤くなる。
「王も亡くなりましたし、私もまだギリギリ二十代。いかがでしょうか?」
「如何でしょうかって? 間に合っています」
そう言うと、ガーンという顔をする。
こういう反応って、全世界共通なのか?
「では婚約者が? 当然ですわよね。もう十九だとか。殿方としても少し、いきお……、いえ御遅うございますもの。残念ですわ。ここに居る間だけでも、よろしくてよ」
「母さま。それ以上は」
娘にたしなめられる。
残念そうな顔をして、すっと立ち上がる。
「残念でございますが、フェリシアの言うとおり。ここは引きましょう。ではまた」
そう言って、二人は帰って行ったが、部屋に充満をする女の匂い。
「だーもう」
木で作られた、窓を開放をする。
そして翌朝。
予定通り出立の準備をしていると、見慣れない馬車が一台並べられる。
むろん。フェリシアちゃんだ。
まあ、パリブス王国へ帰れば、第一王子のフレデリクも居るし、第二王子オスキャルや第三王子リキャルドもいる。
リキャルドなど、確か十六だか十七歳だから丁度良いだろう。
帰って王に進言をしてみよう。
気導鉄騎兵団の隊長を務めている、アードリアン=ユルゲンス伯爵を代官というか管理官としておいていくから、燃料とか銃弾をおいていく。
急遽城の一角に、木造だが格納庫を作る。
駐留軍として、一個小隊をおいていく。
百人程度だが、小銃と拳銃を装備している。
此方には弓と剣しか無いから、大事にはならないだろう。
ユルゲンス伯爵には、此方が戦勝国だと言っても、人道に外れた行為はするなと言ってある。
「この先、メリディオナルと戦闘になった場合。この国の国境線が戦場だ。後ろから撃たれるのは嫌だろう」
そう言って、脅し。部下にも周知をさせるように申しつける。
帰り道、道中では野営もあるが、日持ちをするパスタの乾麺とかインスタント味噌汁とかを使っている。
乾燥できるものは、凍結乾燥器を作りフリーズドライを実用化した。
臨界点乾燥とかをすると、表面張力の影響を少なく出来る。
臨界点は、液化炭酸ガス等を、チャンバーに密閉して、温度を上げていく。
すると、炭酸ガスは、気化しようとするが高圧のため気化できない。
やがて、高圧のチャンバー内は液体でも気体でもない臨界状態になる。
そこで、ゆっくりと炭酸ガスを抜いていくと、物質に表面張力による破壊を起こさずに乾燥が出来る。
そんな事を言い始めた奴がいたが、大量の液化炭酸ガスと、高圧に耐えられるチャンバーを大型化が出来ないため諦めた。
野菜でも何でも、物が抱えている水分を抜く。
意外と奥が深い。
アルコール置換とかも試したし。まあ。その中で、フリーズドライが実用化された。
ものを凍らせて、チャンバーへ入れて真空引きをする。
陰圧の状態で、氷は段々と昇華していく。
そして、最後には乾燥が出来る。
まあそんな感じで、従来の行軍に比べて飯が美味くなったと評判だ。
フェリシアちゃんも、何これと言い続けて、ぱくついているから問題ないだろう。
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