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誓いの首輪と嫉妬の指輪 6
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リューイの体が熱い。
ウィリディスに貫かれ、何度も最奥を刺激されてリューイは幾度も絶頂を体に刻み込んだ。
今もまた四つん這いになりながらウィリディスの熱を咥えこんでいる。腕に力は入らず、上体をソファに預けた形となっていた。
「んぁああ……く、はぁ…あぁっ……も、むり…」
「何度出してもお前のここは緩まないな」
動きを止めてウィリディスは静かにリューイの腹を撫でる。体全部が敏感になったリューイはひくっと腰を揺らした。
ウィリディスに弱い部分を抉るように突き上げられ決して萎えることのない熱でひたすら攻められてはたまったものではない。
今でさえ中に感じる熱の脈動がリューイを苛むためブランケットを握りしめて耐えていた。
ウィリディスはリューイの中から己を引き抜けば腕を引きリューイの体を自分の足の間に座らせる。
ウィリディスの胸元に寄りかかったリューイは上目遣いにウィリディスを見上げてくる。パーティ用に整えていた髪は乱れて落ちている。
あんなにかっこよかったのにな、とぼんやりとした意識の中で思いつつも、今の獣じみた顔も嫌いじゃないと思いなおす。
「どうした?」
「ウィル…あのね…すごくかっこよかったよ」
「なにがだ?」
「さっきのウィル…オールバックにして、ぴしっとスーツで決めて…あの場所にいた誰よりもかっこよかった。男らしいというか…人目を引いて…あぁ、俺の愛した相手、こんなにかっこいいんだって思った」
「お前は……」
はーと長く息を吐き出すウィリディスを見て首をかしげる。
顔を手で覆ってしまったためにその表情をうかがい知ることはできない。
ウィル、と小さくその名前を呼べばウィリディスはリューイを見る。乱れて落ちてきた髪をかきあげるしぐさにも雄を感じてしまい、言いようのない感覚が体中を走っていく。
「ずるい…男らしくてずるい」
「男らしい、な…」
「そういわれるの嫌?」
「嫌ではない。それが好いた相手だから、なおのこと」
「俺も、男らしいところあるでしょ」
リューイの顎をくすぐるように撫でてからウィリディスは少し考える。
こうして肌を重ねているときのリューイはどこか性を超越している気がする。
男らしさを考えてみればその懐の広さがあげられるだろうか。答えを待っているリューイに笑いかけてから自分と向き合うように体を動かした。
「お前は始めて会った相手すら受け入れてしまえる広さがあるな。俺にはない部分が好ましい」
「うん…」
「誰もが持てる特性ではない。親に捨てられたお前だからこそ、なのかもしれないな…」
目を伏せるリューイを抱きしめてウィリディスは息を吐き出す。まだ体の奥で情欲の炎は燃えている。
リューイの肌も熱い。
「…もう一度だけ抱いてもいいか」
「俺、もう出ないんだけど」
「あと一度…触れればわかるだろう?」
「触らなくても見ればわかるよ…いまだにがちがちじゃん…いいよ、俺もほしい…こんなの見せられたら俺もたまらない」
リューイの手がウィリディスの熱を静かに撫でる。
口づけて吐息を奪えばその肢体を抱き上げて柵に近づく。きょとんとしたリューイだが石造りの地に足が触れればその冷たさに体を震わせる。
リューイを柵に掴まらせてウィリディスは後ろからリューイを貫くつもりだった。
リューイは肩ごしにウィリディスを振り向く。ウィリディスは己をリューイの窄まりにこすりつけて再び胎内を犯す。
柵を掴む手に力がこもる。
「リューイ、池を見てみろ」
「こんな、ときに景色なんて見てらんな…ぁ」
一度奥を突かれリューイの膝から力が抜ける。
腹部に回ったウィリディスの腕に支えられてなんとかたっているような状態だった。
リューイは水面に視線を落とす。
頬を上気させ与えられる快楽に緩みきった顔をする自分がいた。
「俺に抱かれているときのお前はいつもその顔だ。気持ちよくてたまらないと、体全部で俺に伝えてくる」
「や、やだ…俺、こんな顔してない」
「してる。俺を濡れた目で見て煽ってくる」
ウィリディスが動き出す。
幾度も突かれ出され緩んだはずの孔は己の痴態を見せられて引き締まる。ウィリディスも柵を片手で掴みリューイの体に覆いかぶさる。
水面にウィリディスの顔も映る。誕生日にもらったアルバムのどこにもない顔がそこにはあった。
リューイを見つめる瞳は熱が灯り時折繋がるところからの快感に眉をひそめる。
リューイは腕を後ろに回しウィリディスの頬に触れた。
ウィリディスは頬に触れるリューイの手のひらに顔を寄せる。
「きもちいい?ウィル、気持ちいいって顔してる」
「気持ちいいから止まれない」
「嬉しい…」
決して激しい動きではない。緩やかにリューイと二人高みへと登る。
水面に波紋が広がる。
リューイの肩に額を当てたウィリディスは乱れた息を整えようとした。
しばらく二人でそのままでいたが、ウィリディスが腰を引けばごぽりと音を立ててリューイの孔からはウィリディスの欲が流れ出す。
今度こそ座り込んでしまったリューイだがウィリディスの腕に抱えられてソファに横たわる。
「つらいか」
「ううん…気持ちよかったからなんともない」
リューイの隣に横たわり汗で濡れた髪にふれる。
リューイと見つめ合えば自ずと唇が重なる。
「ここで寝るの」
「寒いか」
「ううん。ウィルがいるし、ブランケットもあるから平気」
「朝日がよく見える場所だ…それを見てから部屋に戻ろう」
「朝日…」
「きれいなんだ。雪が降れば寒さは厳しいが景色が一変して楽しいと思う。子どもたちも雪遊びにはしゃぐだろうな」
「俺、雪って見たことないけど本当に冷たいの?」
「……そうか…都市では、農作物に必要なとき以外降らさないから知らないのか」
リューイの言葉にウィリディスはつぶやいた。
悲しげな顔のウィリディスにリューイは慌てる。なぜウィリディスがそんな顔をするのかわからない。
「お、俺別に雪を見たことなくても平気だよ。それにそのうち見られるでしょう」
「普通に生きていたらまず見られるものではない」
「…なんで」
「都市は人が快適に生き、問題なく子孫を残せるように環境を不自然なほどに整えているからだ」
「そうなの?」
「ある程度の気温の上下や天候は……この話はやめよう。長くなる」
「今度聞かせてくれる?」
うなずいたウィリディスを見つめてからリューイは口元に笑みを浮かべた。気にはなるがそのうちに聞けるだろう。
ウィリディスの胸元に体を預けて目を閉じる。
まだ中にウィリディスが収まっている気がして下肢に力が入る。
だがそれも背中にウィリディスの腕が回れば緩やかに解けた。
おやすみ、とウィリディスの声がする。
おやすみ、と果たして返せただろうか。腕の中でリューイは眠る。
ウィリディスは静かに寝顔を見つめた。
リューイだけではない。あの都市に生きていく者たちはほとんどすべて、今の環境がどれだけ不自然かを知らない。
ウィリディスは生まれたときはこの場所に住んでいた。都市に移ったのは高校からだが普通にあったものがないことに驚いた。
両親や屋敷、その近辺で働く者たちは知っていた。
広大な都市が、実は一つのドームのようなものであるということを。
「…昔の技術には驚かされる。今ですらあんな巨大なものを作ろうなどとは思わないだろうに」
リューイやその弟たちは知る由もない。
クラートやフォートでさえあまり知らないのである。
リューイを強く抱いてウィリディスは目を閉じる。
リューイの寝息に誘われるようにしてウィリディスも眠りについた。
その日は珍しく夢を見ずに眠れた。だが、体を揺さぶられて意識を浮上させる。
「ウィル、見て、ほら、すごいよ」
目を開けたウィリディスの視界いっぱいにリューイの笑顔が映る。手を伸ばしリューイを引き寄せればキスをした。
言葉なく口を開閉させる姿を見てから体を起こす。
朝日が目を焼いた。
何度か瞬きをすれば明るさに慣れる。どうやらちょうど朝日の昇る時間らしい。
「見て、すごくキラキラしてる。あんなふうに朝日って昇っていくんだね。めっちゃきれい…」
リューイは柵のそばまで行けば朝日に負けないほどの笑みを見せる。
ウィリディスもそばに近寄って同じように朝日を見つめる。
「見てみて、池に道ができてる」
「あぁ…ちょうど今の時期、この池には朝日で道ができる…とはいえ、水面に光が映っているだけだから歩けはしないが」
二人の目の前に朝日が照り水面をより一層輝かせた。リューイは言葉なく朝日を見つめていた。
もし次があるのならばリューイとともに雪気色が見たいと心内で思う。
しかしそれはかなわないことも知っていた。
「さて…朝食前に俺たちはシャワーを浴びないといけないな…戻るぞ」
「あ、待って」
朝日に背を向けたウィリディスをリューイが引き留める。
足を止めたウィリディスの腕を引いたリューイは顔を寄せる。キスをされるのかと思えば違うらしい。
「また、連れてきてね。今度は雪見たい」
「……次に来るときはお前は俺の番になっているか?」
「さぁ、どうだろう」
「番ならばいつでも連れてきてやる」
腰を抱き口づける。
角度を変えて二度三度と口づけては止まらない。リューイの手が胸元に置かれてようやく動きを止めた。
「ごはんとシャワー」
「わかった」
小さく息をついてからリューイを解放する。リューイからウィリディスの手が握られるとまだ何かあるのかと眉を寄せる。
リューイはウィリディスの手を口元に運べば、かぷっと薬指に歯を立てた。
驚くウィリディスを見てリューイは笑う。
「指輪、もうしてないから俺のってわかるように歯型残しちゃった」
「お前には残してはダメか?」
「俺にはウィルの匂いいっぱいついてるだろ」
脱ぎ散らかしたスーツを手にしながらリューイは振り向く。朝日に照らされていつも以上にまぶしくてたまらない。
「ほら、早く着て行こう?朝ごはん食べ損ねちゃうかも」
「わかったわかった」
リューイに急かされてウィリディスもしわくちゃになったスーツをまとう。
そして今日の朝ご飯は何かなと楽しみにするリューイとともに東屋を後にした。
ウィリディスに貫かれ、何度も最奥を刺激されてリューイは幾度も絶頂を体に刻み込んだ。
今もまた四つん這いになりながらウィリディスの熱を咥えこんでいる。腕に力は入らず、上体をソファに預けた形となっていた。
「んぁああ……く、はぁ…あぁっ……も、むり…」
「何度出してもお前のここは緩まないな」
動きを止めてウィリディスは静かにリューイの腹を撫でる。体全部が敏感になったリューイはひくっと腰を揺らした。
ウィリディスに弱い部分を抉るように突き上げられ決して萎えることのない熱でひたすら攻められてはたまったものではない。
今でさえ中に感じる熱の脈動がリューイを苛むためブランケットを握りしめて耐えていた。
ウィリディスはリューイの中から己を引き抜けば腕を引きリューイの体を自分の足の間に座らせる。
ウィリディスの胸元に寄りかかったリューイは上目遣いにウィリディスを見上げてくる。パーティ用に整えていた髪は乱れて落ちている。
あんなにかっこよかったのにな、とぼんやりとした意識の中で思いつつも、今の獣じみた顔も嫌いじゃないと思いなおす。
「どうした?」
「ウィル…あのね…すごくかっこよかったよ」
「なにがだ?」
「さっきのウィル…オールバックにして、ぴしっとスーツで決めて…あの場所にいた誰よりもかっこよかった。男らしいというか…人目を引いて…あぁ、俺の愛した相手、こんなにかっこいいんだって思った」
「お前は……」
はーと長く息を吐き出すウィリディスを見て首をかしげる。
顔を手で覆ってしまったためにその表情をうかがい知ることはできない。
ウィル、と小さくその名前を呼べばウィリディスはリューイを見る。乱れて落ちてきた髪をかきあげるしぐさにも雄を感じてしまい、言いようのない感覚が体中を走っていく。
「ずるい…男らしくてずるい」
「男らしい、な…」
「そういわれるの嫌?」
「嫌ではない。それが好いた相手だから、なおのこと」
「俺も、男らしいところあるでしょ」
リューイの顎をくすぐるように撫でてからウィリディスは少し考える。
こうして肌を重ねているときのリューイはどこか性を超越している気がする。
男らしさを考えてみればその懐の広さがあげられるだろうか。答えを待っているリューイに笑いかけてから自分と向き合うように体を動かした。
「お前は始めて会った相手すら受け入れてしまえる広さがあるな。俺にはない部分が好ましい」
「うん…」
「誰もが持てる特性ではない。親に捨てられたお前だからこそ、なのかもしれないな…」
目を伏せるリューイを抱きしめてウィリディスは息を吐き出す。まだ体の奥で情欲の炎は燃えている。
リューイの肌も熱い。
「…もう一度だけ抱いてもいいか」
「俺、もう出ないんだけど」
「あと一度…触れればわかるだろう?」
「触らなくても見ればわかるよ…いまだにがちがちじゃん…いいよ、俺もほしい…こんなの見せられたら俺もたまらない」
リューイの手がウィリディスの熱を静かに撫でる。
口づけて吐息を奪えばその肢体を抱き上げて柵に近づく。きょとんとしたリューイだが石造りの地に足が触れればその冷たさに体を震わせる。
リューイを柵に掴まらせてウィリディスは後ろからリューイを貫くつもりだった。
リューイは肩ごしにウィリディスを振り向く。ウィリディスは己をリューイの窄まりにこすりつけて再び胎内を犯す。
柵を掴む手に力がこもる。
「リューイ、池を見てみろ」
「こんな、ときに景色なんて見てらんな…ぁ」
一度奥を突かれリューイの膝から力が抜ける。
腹部に回ったウィリディスの腕に支えられてなんとかたっているような状態だった。
リューイは水面に視線を落とす。
頬を上気させ与えられる快楽に緩みきった顔をする自分がいた。
「俺に抱かれているときのお前はいつもその顔だ。気持ちよくてたまらないと、体全部で俺に伝えてくる」
「や、やだ…俺、こんな顔してない」
「してる。俺を濡れた目で見て煽ってくる」
ウィリディスが動き出す。
幾度も突かれ出され緩んだはずの孔は己の痴態を見せられて引き締まる。ウィリディスも柵を片手で掴みリューイの体に覆いかぶさる。
水面にウィリディスの顔も映る。誕生日にもらったアルバムのどこにもない顔がそこにはあった。
リューイを見つめる瞳は熱が灯り時折繋がるところからの快感に眉をひそめる。
リューイは腕を後ろに回しウィリディスの頬に触れた。
ウィリディスは頬に触れるリューイの手のひらに顔を寄せる。
「きもちいい?ウィル、気持ちいいって顔してる」
「気持ちいいから止まれない」
「嬉しい…」
決して激しい動きではない。緩やかにリューイと二人高みへと登る。
水面に波紋が広がる。
リューイの肩に額を当てたウィリディスは乱れた息を整えようとした。
しばらく二人でそのままでいたが、ウィリディスが腰を引けばごぽりと音を立ててリューイの孔からはウィリディスの欲が流れ出す。
今度こそ座り込んでしまったリューイだがウィリディスの腕に抱えられてソファに横たわる。
「つらいか」
「ううん…気持ちよかったからなんともない」
リューイの隣に横たわり汗で濡れた髪にふれる。
リューイと見つめ合えば自ずと唇が重なる。
「ここで寝るの」
「寒いか」
「ううん。ウィルがいるし、ブランケットもあるから平気」
「朝日がよく見える場所だ…それを見てから部屋に戻ろう」
「朝日…」
「きれいなんだ。雪が降れば寒さは厳しいが景色が一変して楽しいと思う。子どもたちも雪遊びにはしゃぐだろうな」
「俺、雪って見たことないけど本当に冷たいの?」
「……そうか…都市では、農作物に必要なとき以外降らさないから知らないのか」
リューイの言葉にウィリディスはつぶやいた。
悲しげな顔のウィリディスにリューイは慌てる。なぜウィリディスがそんな顔をするのかわからない。
「お、俺別に雪を見たことなくても平気だよ。それにそのうち見られるでしょう」
「普通に生きていたらまず見られるものではない」
「…なんで」
「都市は人が快適に生き、問題なく子孫を残せるように環境を不自然なほどに整えているからだ」
「そうなの?」
「ある程度の気温の上下や天候は……この話はやめよう。長くなる」
「今度聞かせてくれる?」
うなずいたウィリディスを見つめてからリューイは口元に笑みを浮かべた。気にはなるがそのうちに聞けるだろう。
ウィリディスの胸元に体を預けて目を閉じる。
まだ中にウィリディスが収まっている気がして下肢に力が入る。
だがそれも背中にウィリディスの腕が回れば緩やかに解けた。
おやすみ、とウィリディスの声がする。
おやすみ、と果たして返せただろうか。腕の中でリューイは眠る。
ウィリディスは静かに寝顔を見つめた。
リューイだけではない。あの都市に生きていく者たちはほとんどすべて、今の環境がどれだけ不自然かを知らない。
ウィリディスは生まれたときはこの場所に住んでいた。都市に移ったのは高校からだが普通にあったものがないことに驚いた。
両親や屋敷、その近辺で働く者たちは知っていた。
広大な都市が、実は一つのドームのようなものであるということを。
「…昔の技術には驚かされる。今ですらあんな巨大なものを作ろうなどとは思わないだろうに」
リューイやその弟たちは知る由もない。
クラートやフォートでさえあまり知らないのである。
リューイを強く抱いてウィリディスは目を閉じる。
リューイの寝息に誘われるようにしてウィリディスも眠りについた。
その日は珍しく夢を見ずに眠れた。だが、体を揺さぶられて意識を浮上させる。
「ウィル、見て、ほら、すごいよ」
目を開けたウィリディスの視界いっぱいにリューイの笑顔が映る。手を伸ばしリューイを引き寄せればキスをした。
言葉なく口を開閉させる姿を見てから体を起こす。
朝日が目を焼いた。
何度か瞬きをすれば明るさに慣れる。どうやらちょうど朝日の昇る時間らしい。
「見て、すごくキラキラしてる。あんなふうに朝日って昇っていくんだね。めっちゃきれい…」
リューイは柵のそばまで行けば朝日に負けないほどの笑みを見せる。
ウィリディスもそばに近寄って同じように朝日を見つめる。
「見てみて、池に道ができてる」
「あぁ…ちょうど今の時期、この池には朝日で道ができる…とはいえ、水面に光が映っているだけだから歩けはしないが」
二人の目の前に朝日が照り水面をより一層輝かせた。リューイは言葉なく朝日を見つめていた。
もし次があるのならばリューイとともに雪気色が見たいと心内で思う。
しかしそれはかなわないことも知っていた。
「さて…朝食前に俺たちはシャワーを浴びないといけないな…戻るぞ」
「あ、待って」
朝日に背を向けたウィリディスをリューイが引き留める。
足を止めたウィリディスの腕を引いたリューイは顔を寄せる。キスをされるのかと思えば違うらしい。
「また、連れてきてね。今度は雪見たい」
「……次に来るときはお前は俺の番になっているか?」
「さぁ、どうだろう」
「番ならばいつでも連れてきてやる」
腰を抱き口づける。
角度を変えて二度三度と口づけては止まらない。リューイの手が胸元に置かれてようやく動きを止めた。
「ごはんとシャワー」
「わかった」
小さく息をついてからリューイを解放する。リューイからウィリディスの手が握られるとまだ何かあるのかと眉を寄せる。
リューイはウィリディスの手を口元に運べば、かぷっと薬指に歯を立てた。
驚くウィリディスを見てリューイは笑う。
「指輪、もうしてないから俺のってわかるように歯型残しちゃった」
「お前には残してはダメか?」
「俺にはウィルの匂いいっぱいついてるだろ」
脱ぎ散らかしたスーツを手にしながらリューイは振り向く。朝日に照らされていつも以上にまぶしくてたまらない。
「ほら、早く着て行こう?朝ごはん食べ損ねちゃうかも」
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