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マイクのテストをする夢
5.
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目の前にA4の紙が一枚置かれていた。講義の時に配られた、この一枚の紙であれば、持ち込みOKで何を書いても良いと言われていた。何を書いても良いと言われると落書きでもしてやるかと、絵心がある訳でもなくへそ曲がりな僕は思ったりするけど、そんなのは試験の役には立たないし、きっと受け狙いでも失敗して、苦笑されるぐらいだろうと思ったので、ちょっとだけ考えただけで止めておいた。
真面目に何を書くのかを考える。過去問を見ると、毎年、同じ問題が出題される訳では無くて、特定の箇所を詳しく問うような内容になっていた。
方針としては、二つ。ひとつは幅広く狙って書くという物。ノートとかを小さくコピー、とは言っても手書きだが、する感じだろうか。これだとリスクは少ないがする、全部書いておけば、試験で0点なんて事はないだろう。ただ、過去の試験では講義中にはサラッと触れて、後は各自で調べておくようにみたいなことも問われているところもあった。そういう問題には対処できないかもしれない。そうなると、高得点は難しいと思えるし、最悪の場合、赤点ギリギリになる可能性もゼロでは無い。
じゃあ、範囲を限定した方が良いだろうか。限定するとリスクは大きい気がする。書けなかった部分は簡単な問題でも取りこぼしてしまう可能性がある。そうなると赤点の可能性は増す気がする。ただ、当たった場合、高得点が期待できる。講義の内容や、これまでの試験の傾向を考えれば、山を張る事も決して難しい訳ではない、と思える。でも、やっぱり、失敗した時のリスクを考えると悩ましい所だった。
三ヶ嶋君はどうするんだろう。正攻法で試験に臨む三ヶ嶋君に聞いてみたら、講義で聞いた話、ノートに書いた事ぐらいであれば、全部覚えて、それ以上の詳しく調べないと分からない内容だけを書くのだという。何か、本当に正しい持ち込みの方法を教わった気がした。ただ、普段から真面目に講義を受けている三ヶ嶋君のように、ここまでの勉強量が足りていない僕にそれは無理な気がした。
何しろ試験はこれだけではない、その他の事も考えると持ち込みOKの試験のために、記憶力は使いたくないと思ってしまう。より僕に近い充の意見を聞いた方が良いのかもしれない。そう思い聞いてみたら、とにかく何でも書くという頼もしい答えが返ってきた。まず、ひたすら小さな字でノートを全て書き写し、余ったスペースにとにかく何でも書いて備えるというのだ。僕もうっすらとそうするしかないかなと考えていたのだが、それを堂々と宣言する充を見て、勇気が湧いてきてしまった。
迷う時間は勿体ないとそう決める事にした。
真面目に何を書くのかを考える。過去問を見ると、毎年、同じ問題が出題される訳では無くて、特定の箇所を詳しく問うような内容になっていた。
方針としては、二つ。ひとつは幅広く狙って書くという物。ノートとかを小さくコピー、とは言っても手書きだが、する感じだろうか。これだとリスクは少ないがする、全部書いておけば、試験で0点なんて事はないだろう。ただ、過去の試験では講義中にはサラッと触れて、後は各自で調べておくようにみたいなことも問われているところもあった。そういう問題には対処できないかもしれない。そうなると、高得点は難しいと思えるし、最悪の場合、赤点ギリギリになる可能性もゼロでは無い。
じゃあ、範囲を限定した方が良いだろうか。限定するとリスクは大きい気がする。書けなかった部分は簡単な問題でも取りこぼしてしまう可能性がある。そうなると赤点の可能性は増す気がする。ただ、当たった場合、高得点が期待できる。講義の内容や、これまでの試験の傾向を考えれば、山を張る事も決して難しい訳ではない、と思える。でも、やっぱり、失敗した時のリスクを考えると悩ましい所だった。
三ヶ嶋君はどうするんだろう。正攻法で試験に臨む三ヶ嶋君に聞いてみたら、講義で聞いた話、ノートに書いた事ぐらいであれば、全部覚えて、それ以上の詳しく調べないと分からない内容だけを書くのだという。何か、本当に正しい持ち込みの方法を教わった気がした。ただ、普段から真面目に講義を受けている三ヶ嶋君のように、ここまでの勉強量が足りていない僕にそれは無理な気がした。
何しろ試験はこれだけではない、その他の事も考えると持ち込みOKの試験のために、記憶力は使いたくないと思ってしまう。より僕に近い充の意見を聞いた方が良いのかもしれない。そう思い聞いてみたら、とにかく何でも書くという頼もしい答えが返ってきた。まず、ひたすら小さな字でノートを全て書き写し、余ったスペースにとにかく何でも書いて備えるというのだ。僕もうっすらとそうするしかないかなと考えていたのだが、それを堂々と宣言する充を見て、勇気が湧いてきてしまった。
迷う時間は勿体ないとそう決める事にした。
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