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第四章
番になって!
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「うわー!マジで温泉だ…!!」
今現在、俺は神殿の地下にある浴室にいる。
そして目の前に広がっているのは、まるでプールのようにデカい風呂だった。
食事が終わった後、俺はザビア将軍に風呂を勧められた。
その時は水不足だからと断ったのだが、聞けばこの国は掘れば湯が湧く程の天然温泉の宝庫だそうで、当然というか神殿に設置されているお風呂は温泉なのだそうだ。
しかも源泉かけ流し!
それを聞いた後、再び風呂を勧められた俺は一も二も無く頷いたのだった。
いやだって、あの決闘以来まともに風呂に入れて無かったし、元日本人としては温泉と聞いて入らない訳にはいかないじゃないか。
ひとまず、ずっと皮膚のように一体化していた仮面を外す。違和感無かったけど、やっぱ何となく解放感を感じるな。
脱衣場のような場所は無く、温泉を囲む天然の岩の端にタオルを置いた。
それから着ていた服を次々と脱いで大岩に纏めて乗せ、裸になると湯気で視界の悪い周囲を見渡す。探しているのはタライのような何か。先ずは掛け湯をして身を清めないと。
…無い。
石鹸は…あるけど、洗った後はどーすんだ?まさか今出てって入り方聞く訳にもいかないし…。う~ん。
「源泉かけ流しだし…。湯船に入って、そこで洗えって事なんだろうか?」
元日本人としては、非常に申し訳ない気がするが。目の前になみなみと張られた温泉の誘惑には勝てず、まずは足先を入れてみる。
うん、思ったより熱くない。思い切って身体全体を湯船の中に沈める。
「ふわぁ….!」
思わず感嘆のため息が漏れてしまった。
…ああ…凄く気持ちいい…!諸々の疲れが溶けて消えていく感じがする。
『…マスター…』
「ん…。何だ?フウ」
肩まで浸かり、再び溜息をついた俺を、フウが空中で浮かびながらジッと見つめている。あ、そっか。仮面取ってるから俺の素顔が見慣れなくて驚いたのかな。
『凄く…すごくキレー…!』
「ん?あ、どうも」
キラキラした目でそう言われ、思わずお礼を言ってしまう。
そう言えば、こいつの前で素っ裸になったけど、姿形は子供だからかベルと違って見られる忌避感とか羞恥心とかは全くないな。多分年齢的には俺より遥かに年上なんだろうけど。
フウが俺の顔に飛び付き頬ずりして甘えてきても、ちょっとこそばゆいなー位でされるがままになっていた。気分は子犬に擦り寄られてる主人である。
(これがベルだったら….)
ヘビの姿で頬擦りされたり、体全体使って擦り寄られるのを想像してみる。…うん、なんかエロいな。それじゃあ、本来の姿のベルだったら….。
(...?!わぁああ!ないないないっ!!)
考えた途端、目の裏に人外の壮絶な容姿がドアップで!しかも、人を喰ったような皮肉気な笑みを浮かべてる、色気ありまくりの超ヤバ目な顔が!!
服着ていてもしっかり分かる、なんとも羨ましいわがままボディ。…というか、あの服も真面目にありえんぐらいエロイが…。もしその着衣が無しになって、全裸になったとしたら…。
――うおぉぉ…!!だ、ダメだ!!想像するなー!!
一気に顔だけじゃなく全身熱くなってしまい、勝手に1人でパニックになりながら俺は頭を思い切り振り、あいつの映像を蹴散らした。
『マスター!僕、将来上位精霊に絶対なるから!そしたらマスター、僕と番になってくれる?』
「はぁ?番?」
俺の焦りなどつゆ知らず、顔に未だ張り付いているフゥが突如口にした台詞。
一瞬何の事かわからず、引き戻された意識にはてなマークが浮かんだ。
今現在、俺は神殿の地下にある浴室にいる。
そして目の前に広がっているのは、まるでプールのようにデカい風呂だった。
食事が終わった後、俺はザビア将軍に風呂を勧められた。
その時は水不足だからと断ったのだが、聞けばこの国は掘れば湯が湧く程の天然温泉の宝庫だそうで、当然というか神殿に設置されているお風呂は温泉なのだそうだ。
しかも源泉かけ流し!
それを聞いた後、再び風呂を勧められた俺は一も二も無く頷いたのだった。
いやだって、あの決闘以来まともに風呂に入れて無かったし、元日本人としては温泉と聞いて入らない訳にはいかないじゃないか。
ひとまず、ずっと皮膚のように一体化していた仮面を外す。違和感無かったけど、やっぱ何となく解放感を感じるな。
脱衣場のような場所は無く、温泉を囲む天然の岩の端にタオルを置いた。
それから着ていた服を次々と脱いで大岩に纏めて乗せ、裸になると湯気で視界の悪い周囲を見渡す。探しているのはタライのような何か。先ずは掛け湯をして身を清めないと。
…無い。
石鹸は…あるけど、洗った後はどーすんだ?まさか今出てって入り方聞く訳にもいかないし…。う~ん。
「源泉かけ流しだし…。湯船に入って、そこで洗えって事なんだろうか?」
元日本人としては、非常に申し訳ない気がするが。目の前になみなみと張られた温泉の誘惑には勝てず、まずは足先を入れてみる。
うん、思ったより熱くない。思い切って身体全体を湯船の中に沈める。
「ふわぁ….!」
思わず感嘆のため息が漏れてしまった。
…ああ…凄く気持ちいい…!諸々の疲れが溶けて消えていく感じがする。
『…マスター…』
「ん…。何だ?フウ」
肩まで浸かり、再び溜息をついた俺を、フウが空中で浮かびながらジッと見つめている。あ、そっか。仮面取ってるから俺の素顔が見慣れなくて驚いたのかな。
『凄く…すごくキレー…!』
「ん?あ、どうも」
キラキラした目でそう言われ、思わずお礼を言ってしまう。
そう言えば、こいつの前で素っ裸になったけど、姿形は子供だからかベルと違って見られる忌避感とか羞恥心とかは全くないな。多分年齢的には俺より遥かに年上なんだろうけど。
フウが俺の顔に飛び付き頬ずりして甘えてきても、ちょっとこそばゆいなー位でされるがままになっていた。気分は子犬に擦り寄られてる主人である。
(これがベルだったら….)
ヘビの姿で頬擦りされたり、体全体使って擦り寄られるのを想像してみる。…うん、なんかエロいな。それじゃあ、本来の姿のベルだったら….。
(...?!わぁああ!ないないないっ!!)
考えた途端、目の裏に人外の壮絶な容姿がドアップで!しかも、人を喰ったような皮肉気な笑みを浮かべてる、色気ありまくりの超ヤバ目な顔が!!
服着ていてもしっかり分かる、なんとも羨ましいわがままボディ。…というか、あの服も真面目にありえんぐらいエロイが…。もしその着衣が無しになって、全裸になったとしたら…。
――うおぉぉ…!!だ、ダメだ!!想像するなー!!
一気に顔だけじゃなく全身熱くなってしまい、勝手に1人でパニックになりながら俺は頭を思い切り振り、あいつの映像を蹴散らした。
『マスター!僕、将来上位精霊に絶対なるから!そしたらマスター、僕と番になってくれる?』
「はぁ?番?」
俺の焦りなどつゆ知らず、顔に未だ張り付いているフゥが突如口にした台詞。
一瞬何の事かわからず、引き戻された意識にはてなマークが浮かんだ。
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