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旅路〜パライソの森⒉〜
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「右が崩れてる!
戦いに加われ!
左には負傷者がいるぞ!」
イドリアルの指示にガーディアン“ペンプティ”の仲間達が散って行く。
「エフェリア。
タイソンか?」
自身は倒れ込む同胞に付き添うエフィリアルに駆け寄った。
「イドリアル・・・助かったよ。
タイソンの背に刺さってるのは毒矢だ。
砦に帰りたいが、これじゃ無理だ。
タイソンの鼓動が弱まってるんだ!」
必死のエフェリアのザンバラになった髪を撫でイドリアルが優しい顔で微笑んだ。
「大丈夫さ。
客人を連れてきた。
彼ならタイソンを何とかしてくれるだろう。」
イドリアルが何を言っているのかエフェリアは分からなかった。
ピュ~ルルル♪ ピュ~ルルル♪ チチチ~
綺麗な鳥の歌声が聞こえた。
涙と土で汚れた顔を上げたエフェリアの目に真っ赤な鳥が旋回しているのが見えた。
「あれは・・・?」
ピュ~♪ ルルル~♪
真っ赤な鳥の歌声に反応して光の玉が雨のように降り注いでくる。
傷ついた体を癒してくれているようだ。
「そっとだよ。
そっと。」
いつの間にか、やって来ていた子供達がタイソンを囲んでいた。
「弓矢はそっと抜くんだよ。」
「傷はソルが直してくれるから、体に矢尻を残さないようにって、イオリが言ってたよ。」
「分かってるって。」
狼の耳を持った少年がタイソンの背に刺さった弓矢を握った。
「もう少しの辛抱だよ。
いくよ。」
戸惑うエフェリアが止める間も無く、狼獣人の少年は弓矢を抜いた。
傷ついたタイソンの体を真っ赤な鳥の光の玉が包み込んでいく。
「うぅぅ。」
みるみる間にタイソンの顔色に血色が戻ってきた。
ゆっくりであるが呼吸も安定している。
「・・・タイソン、助かったの?
良かった・・・。」
安堵するエフェリアにトントンとエルフの少年が肩を叩いた。
「これ、ポーションです。
傷ついた体は疲弊しているはずだから、目を覚ましたら飲ませてあげて下さい。」
「・・・ありがとう。」
驚きながら小瓶を受け取ったエフェリアにエルフの少年と人族の少女が微笑んだ。
「エフェリア、この子達は客人の家族だ。
我々を助けてくれる。
シールドを貼っている少女を守れ。
怪我人は此処に集める!」
イドリアルは言い捨てると、シールドから飛び出て、自分も戦いに身を投じて行った。
「よし。
俺達も行くよ。
ラックはナギとニナを助けてやって。」
「分かった。
気をつけろよ。」
スコルとラックは拳を重ねるとニヤッと笑った。
「シールドも狙われるかもね。
お願いね。」
ラックの肩にパティが手を置いた。
「任せて。
ナギ、ニナ。
頑張ろう。」
「「了解!!」」
飛び出してく、狼の獣人の双子はエフェリアが声を掛ける間も走って行った。
「あの・・・君達は?」
恐る恐る問いかけるエフェリアに子供達はニッコリした。
「助けに来たの。」
「助けって・・・子供は砦にいなきゃダメじゃない。
危ないわ。」
「イオリがいるから大丈夫。」
エフェリアの心配の言葉に子供達がクスクスしている。
「イオリ?
イドリアルが言っていた客人の事ね?
確か、英雄が到着していたってタイソンが言っていたわね。」
エフェリアがブツブツ言っていると、猫の獣人ラックが木の上を指差した。
「あそこにいるよ。」
思わず見上げたエフェリアが目にしたのは、背の高い木の枝に座る真っ黒な青年の姿であった。
戦いに加われ!
左には負傷者がいるぞ!」
イドリアルの指示にガーディアン“ペンプティ”の仲間達が散って行く。
「エフェリア。
タイソンか?」
自身は倒れ込む同胞に付き添うエフィリアルに駆け寄った。
「イドリアル・・・助かったよ。
タイソンの背に刺さってるのは毒矢だ。
砦に帰りたいが、これじゃ無理だ。
タイソンの鼓動が弱まってるんだ!」
必死のエフェリアのザンバラになった髪を撫でイドリアルが優しい顔で微笑んだ。
「大丈夫さ。
客人を連れてきた。
彼ならタイソンを何とかしてくれるだろう。」
イドリアルが何を言っているのかエフェリアは分からなかった。
ピュ~ルルル♪ ピュ~ルルル♪ チチチ~
綺麗な鳥の歌声が聞こえた。
涙と土で汚れた顔を上げたエフェリアの目に真っ赤な鳥が旋回しているのが見えた。
「あれは・・・?」
ピュ~♪ ルルル~♪
真っ赤な鳥の歌声に反応して光の玉が雨のように降り注いでくる。
傷ついた体を癒してくれているようだ。
「そっとだよ。
そっと。」
いつの間にか、やって来ていた子供達がタイソンを囲んでいた。
「弓矢はそっと抜くんだよ。」
「傷はソルが直してくれるから、体に矢尻を残さないようにって、イオリが言ってたよ。」
「分かってるって。」
狼の耳を持った少年がタイソンの背に刺さった弓矢を握った。
「もう少しの辛抱だよ。
いくよ。」
戸惑うエフェリアが止める間も無く、狼獣人の少年は弓矢を抜いた。
傷ついたタイソンの体を真っ赤な鳥の光の玉が包み込んでいく。
「うぅぅ。」
みるみる間にタイソンの顔色に血色が戻ってきた。
ゆっくりであるが呼吸も安定している。
「・・・タイソン、助かったの?
良かった・・・。」
安堵するエフェリアにトントンとエルフの少年が肩を叩いた。
「これ、ポーションです。
傷ついた体は疲弊しているはずだから、目を覚ましたら飲ませてあげて下さい。」
「・・・ありがとう。」
驚きながら小瓶を受け取ったエフェリアにエルフの少年と人族の少女が微笑んだ。
「エフェリア、この子達は客人の家族だ。
我々を助けてくれる。
シールドを貼っている少女を守れ。
怪我人は此処に集める!」
イドリアルは言い捨てると、シールドから飛び出て、自分も戦いに身を投じて行った。
「よし。
俺達も行くよ。
ラックはナギとニナを助けてやって。」
「分かった。
気をつけろよ。」
スコルとラックは拳を重ねるとニヤッと笑った。
「シールドも狙われるかもね。
お願いね。」
ラックの肩にパティが手を置いた。
「任せて。
ナギ、ニナ。
頑張ろう。」
「「了解!!」」
飛び出してく、狼の獣人の双子はエフェリアが声を掛ける間も走って行った。
「あの・・・君達は?」
恐る恐る問いかけるエフェリアに子供達はニッコリした。
「助けに来たの。」
「助けって・・・子供は砦にいなきゃダメじゃない。
危ないわ。」
「イオリがいるから大丈夫。」
エフェリアの心配の言葉に子供達がクスクスしている。
「イオリ?
イドリアルが言っていた客人の事ね?
確か、英雄が到着していたってタイソンが言っていたわね。」
エフェリアがブツブツ言っていると、猫の獣人ラックが木の上を指差した。
「あそこにいるよ。」
思わず見上げたエフェリアが目にしたのは、背の高い木の枝に座る真っ黒な青年の姿であった。
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2025/9/29
追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。
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