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番外編〜未来編〜
君に出会えた奇跡〜七夕〜
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7月7日
織姫と彦星が年に一回逢瀬を交わす日
子供達が短冊に願い事を書く。
俺は大上の子を隠れて産み、そうして行方を眩ませた。
それから3年経った七夕の日。
田舎の駅の側にあるモールで、七夕祭りがやっていた。
「んしょ!かあたん!こえかくの!」
短冊を持って、一生懸命アピールする3歳になったばかりの息子。
微笑ましい親子の光景に、周りの人達も自然と微笑む。
「光輝は何を願うの?」
俺は息子の光輝に色つきペンを持たせる。光輝が短冊に字とイラストを書くのを眺める。
「んとねー、かあたんとずっといっちょにいられましゅよーに!」
舌足らずに、ずっと一緒にいられる様に。と。願われた俺は、可愛いくて思わず抱き締めてしまう。
「光輝ーっ!!!ずっと一緒にいよーねー!おっきくなっても誰にもやりたくないー!!」
ぎゅうぎゅうと抱き締めてしまう。光輝は苦しいのか、モゴモゴと蠢き出す。
「むきゃあーっ!かあたん、めっ!よ!」
光輝が俺の腕の中で、母である俺を叱る。字がぐちゃぐちゃになってしまいながらも、また書き始める。
そんな息子を見守りながらも思う。
俺は、この子を諦めずに産んでよかった。
この子を産む為に、奴から逃げ出したけれど後悔はしていない。
「ふふっ、俺も光輝とずっといられる様にお願いしよう。」
そして、俺も短冊に願いを込めて書く。
ーずっと一緒にいられます様に。ー
その頃、大上は俺を3年もずっと探し続けていた。
そうして、田舎のモールに親子がいる事を突きとめた。
「やっと、見つけた。春樹、会いたかったよ。そして、初めまして俺の息子。」
再会まであと少しー
織姫と彦星が年に一回逢瀬を交わす日
子供達が短冊に願い事を書く。
俺は大上の子を隠れて産み、そうして行方を眩ませた。
それから3年経った七夕の日。
田舎の駅の側にあるモールで、七夕祭りがやっていた。
「んしょ!かあたん!こえかくの!」
短冊を持って、一生懸命アピールする3歳になったばかりの息子。
微笑ましい親子の光景に、周りの人達も自然と微笑む。
「光輝は何を願うの?」
俺は息子の光輝に色つきペンを持たせる。光輝が短冊に字とイラストを書くのを眺める。
「んとねー、かあたんとずっといっちょにいられましゅよーに!」
舌足らずに、ずっと一緒にいられる様に。と。願われた俺は、可愛いくて思わず抱き締めてしまう。
「光輝ーっ!!!ずっと一緒にいよーねー!おっきくなっても誰にもやりたくないー!!」
ぎゅうぎゅうと抱き締めてしまう。光輝は苦しいのか、モゴモゴと蠢き出す。
「むきゃあーっ!かあたん、めっ!よ!」
光輝が俺の腕の中で、母である俺を叱る。字がぐちゃぐちゃになってしまいながらも、また書き始める。
そんな息子を見守りながらも思う。
俺は、この子を諦めずに産んでよかった。
この子を産む為に、奴から逃げ出したけれど後悔はしていない。
「ふふっ、俺も光輝とずっといられる様にお願いしよう。」
そして、俺も短冊に願いを込めて書く。
ーずっと一緒にいられます様に。ー
その頃、大上は俺を3年もずっと探し続けていた。
そうして、田舎のモールに親子がいる事を突きとめた。
「やっと、見つけた。春樹、会いたかったよ。そして、初めまして俺の息子。」
再会まであと少しー
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