花嫁は忘れたい

基本二度寝

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レイアは控室に戻った。
式を終え、花嫁衣装を脱ぎ、身軽な衣装に着替えた。
レイアはこのまま式場を出て、一旦実家に戻るつもりだ。

「少し良いか?」

部屋の外から、夫になったばかりの男がお伺いを立てる。

二人で話したい。
ちらりとレイアのメイドに目をやる。

「ドアを開け放していただけるなら」

「…随分嫌われてしまったのだな」

結婚後、夫の屋敷に入ることを禁じる。
離れた場所に家を借り、そこで過ごせ。
愛人の子を後継者にする。
妻を抱くつもりはない。

こんな内容の誓約書を、頭を押さえつけられ、無理やり署名させられた。

そんな事をされて好かれていると思う神経を疑う。

「…誓いをしなかったのは、誰かに操を立てているのか?」

男の言葉の意味がわからない。

「夫婦の誓いを省略するとおっしゃっていたのは貴方ですよね。予定外のことをなさらないで下さい」

「それはそうだが、良かれと思って…。しかし、あんな公の場で問われれば一応、誓いはするだろう?」

「神に嘘はつけませんから」

「っ…」

男は頭を掻き乱す。

「…愛人のことだな。すまない。それはもういいんだ。私達は普通の夫婦になろう」

「いいえ、お断りします」

「っ!君はっ!なんでっ!…いや、違うな。私が悪かったんだ。君は…本当はもっと可愛いらしい人だったのにまるでみえてなかった。ちゃんと話し合えば私達は気の合う夫婦になれるのに。申し訳ない」

男の言葉に違和感を覚える。
今までの傲慢な彼はどこに行ったのか。
謝罪をするなどありえない人間だった。

「君を幸せにしたいと言った。この結婚式で君を迎えに行くと言ったのは、私だったんだ」
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