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第一話 神条コハルは憂鬱
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一日何度ため息を吐けば止まるのだろう。ベッドに仰向けになりながらぼーっと天井にぶら下がった照明を眺める。
セクハラで会社辞めて、お母さんまで失って、もう私はどうやって生きていけばいいんだろう。あんなに受験勉強も頑張って国立大学に入れたのに、一ヶ月で仕事辞めちゃったら意味ないし、お母さんと会えなくなるならもっと一緒に過ごしたかった。
泣きそうになるのぐっと堪え、気を紛らわそうと枕元にあったスマホを手に持ち、ニマニマ動画のアプリを開く。
どうやら私は本当に参っているらしい。マイリスを見ても、好きな配信者の新作動画のサムネを見てもまるで再生する気が起きない。
チラッとバナーにニュースサイトの広告が出たのが見えた。そういえば世の中はどうなっているのだろう。母が亡くなってから一月余りがたった。しかし、それ以来テレビをつけていない。友達と呼べる人も少ない私は家の外がどうなっているの知らないことに気付いた。私は急いでバナー広告をタップした。
開いたのは政治経済やエンタメを総合的に扱うニュースサイトだった。
お笑い大会で優勝した知らない芸人にインタビューした記事、知らないドラマに大衆が熱狂する理由を解説した記事など、画面をどれだけスクロールしても自分だけが取り残されているという自覚が強まるだけだった。
なんだろうこれ。ふと、近所の地名が目に止まった。それは児童養護施設に行政からの支援が少なく、困っているという内容の記事だった。
児童養護施設かぁ。私よりもっと辛い思いをしている子供がいるのかな。そんな子達がいるのを見捨てておいて、行政なんて偉そうな名前名乗るなんて・・・。
私は久しぶりに悲しみ以外の気分を感じた。
そうだ。ここの子供達に何か持って行こう。私は怒りの感情だけでなく、やる気まで取り戻していた。
セクハラで会社辞めて、お母さんまで失って、もう私はどうやって生きていけばいいんだろう。あんなに受験勉強も頑張って国立大学に入れたのに、一ヶ月で仕事辞めちゃったら意味ないし、お母さんと会えなくなるならもっと一緒に過ごしたかった。
泣きそうになるのぐっと堪え、気を紛らわそうと枕元にあったスマホを手に持ち、ニマニマ動画のアプリを開く。
どうやら私は本当に参っているらしい。マイリスを見ても、好きな配信者の新作動画のサムネを見てもまるで再生する気が起きない。
チラッとバナーにニュースサイトの広告が出たのが見えた。そういえば世の中はどうなっているのだろう。母が亡くなってから一月余りがたった。しかし、それ以来テレビをつけていない。友達と呼べる人も少ない私は家の外がどうなっているの知らないことに気付いた。私は急いでバナー広告をタップした。
開いたのは政治経済やエンタメを総合的に扱うニュースサイトだった。
お笑い大会で優勝した知らない芸人にインタビューした記事、知らないドラマに大衆が熱狂する理由を解説した記事など、画面をどれだけスクロールしても自分だけが取り残されているという自覚が強まるだけだった。
なんだろうこれ。ふと、近所の地名が目に止まった。それは児童養護施設に行政からの支援が少なく、困っているという内容の記事だった。
児童養護施設かぁ。私よりもっと辛い思いをしている子供がいるのかな。そんな子達がいるのを見捨てておいて、行政なんて偉そうな名前名乗るなんて・・・。
私は久しぶりに悲しみ以外の気分を感じた。
そうだ。ここの子供達に何か持って行こう。私は怒りの感情だけでなく、やる気まで取り戻していた。
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