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21話目 夜空の星

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 紅茶を嗜んだあと、利用したティーカップなどを台所でステラが洗っている中で、俺は浴室の湯舟に湯を張る。
 
「そういえば、ステラ」
「はい?」

 洗面所から出たところで、食器を洗い終えたのかエプロンを外したステラがこちらを振り返ってきた。

「ちょっと聞きたいんだが……」
「何でしょうか?」
「布団は、ステラの借りている部屋に敷くんじゃないのか?」

 俺は未だに部屋の隅に畳まれているステラの布団を指さし確認した。

「どうしてですか?」
「一応、ステラの部屋は荷解きが終わっただろ? 一部屋に、布団を二つ敷くのは狭苦しいと思ったんだが……」

 テーブルもあるし……。
 布団を敷くためには、片づけないといけないから、いろいろと大変だからだが……。

「それなら――」

 ステラが何か思いついたかのように笑みを浮かべる。

「私の部屋を二人の寝室にしましょう!」

 なんで、そこで妙案のような感じで話をするのか。

「別々に睡眠を取った方がいいでのは?」
「旦那様は、私の下着を見ま――「分かりました、一緒に寝ればいいんだよな」――はい!」

 完全にステラにペースを握られてしまっている。
 ここは何とかしなければ!

 夕食を食べたあとは、寝室はステラの部屋となった。
 まだ電気はつかない部屋ではあるが、寝るだけなら月あかりで何とか見えるので問題はない。
 むしろ家電製品の駆動音が聞こえないので寝やすくなるまである。
 二つの布団をフローリングの床に並べた上で、それぞれ布団に入る。
 
「旦那様」
「――ん?」
「外が――、星空が綺麗ですね」
 
 ベランダ側の大きな窓を通して夜空が良く見えた。
 そこからは、星空を見ることが出来て、とても綺麗であった。

「そう……だな――ッ!?」

 途中まで言いかけたところで、ステラが抱き着いてきたところで俺は言葉を呑み込む。

「――ス、ステラ? 何の真似だ?」
「え? 何ですか?」
「だから――」

 どうして、俺に抱き着いてきたんだ? と、思考するが――、

「だから、何ですか?」
「……何でもない」

 ここでツッコミを入れたら何となく負けだと思ったので俺は抱き着いてきていたステラから感じる肢体の柔らかさを無視する事にした。
 ただし、ステラの部屋はインフラが開通していないので、抱き着いてきているステラの女性特有の体の感触――、そしてとてもいい匂いがする。
石鹸の香りなのか……。
おそらく視覚があまり効かないことからダイレクトに感じとることができるのだろう。
 それにしても、ステラと言えば、ここ2日間で随分とグイグイと近づいてくるな。
 何か裏があるようにしか見えないんだが。



 ――翌朝。
 朝食を食べたあと、二人して登校する。
 教室に入ると、生徒が先に3人主席していた。

「今日は、普通に生徒が来ているんだな」
「そのようですね」

 それにしても、この教室、やけに女子率が高い気がするんだが……。
 まぁ年齢はまちまちだが。



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