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22話目 二人は付き合っているの?
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「おはよう」
そう言いながら俺は着席する。
周りの女性達から何だか生暖かい視線を向けられている気がする。
朝のホームルームが始まるまで、まだ時間がある中、教室の席に座っていた女性――、20代前半の茶髪の人が、
「アンタたち付き合っているの?」
――と、いきなり唐突に話しかけてきた。
「――え?」
思わず、あまりにもあまりな問いかけに俺は一瞬、何を言われたのか理解が出来なかった。
「あー。ごめんごめん。うちは本能寺(ほんのうじ) 楓(かえで)って言うんだけど。そんなに警戒しなくても大丈夫」
何が大丈夫なのかよくは分からないが。
「星空拓真です」
「知っているよ。それよりも、あんた、隣の席の子と付き合ってるの?」
「質問の意図が分からない」
そもそも他人には関係の無い事だ。
個人間のプライベートについて話すつもりはない。
「――え? そう見えますか?」
ただし、俺が秘密にしたいと思っていることと、ステラが考えていることは別問題であった。
ステラは目を輝かせながら、本能寺に返答した。
「う、うん……」
あまりにもアッサリとステラがバッサリと答えてしまったため、それが以外だったからなのか本能寺は、若干、引いた感じで頭を前後に振って肯定の意を示していた。
「ですって! 拓真!」
「おい。秘密にするって約束はどこにいった?」
「だって、本能寺さんは確信があって話しかけてきたのよね?」
笑みこそ作るが、ステラの目は一切笑っていない。
「そ、そうだけど……。もう少し隠すかと思ったよ」
「え? だって! 確信を持っている人に、ダラダラと世間話をするのって時間の無駄ではありませんこと?」
首を傾げるステラさん。
何故か分からないが怒っているように見える。
「ま、まぁ……、そうだけど……」
どうやら相手も同じ考えらしい。
「それで、どこで私と拓真のことを知ったのかしら?」
そのステラの言葉に本能寺の視線が、おかっぱ頭の黒髪の20歳半ばとも見える女性に向けられた。
「ゆかり」
「――ん? どうしたの?」
席を立ちあがって、こちらへ向かってくる女性。
「かえで、何かあったの?」
「――いや、それが……、ゆかりに教えてもらったことを二人に伝えちゃて……」
「あー、それで、そっちの銀髪な帰国子女さんが怒っているのね」
銀髪の帰国子女って……。
「ごめんなさいね。楓ったら、なんでも人に話しちゃうから」
「どういうことだ?」
そこで、話の筋が見えないので横から俺は話しかけた。
「あ――、私の名前は水島ゆかり。二人と同じ、一応は高校生よ? 年齢は秘密だけど」
「そんなことはどうでいいわ。それよりも、どうして私と拓真のことを知っているの?」
俺と、ゆかりさんとの会話をバッサリ切るかのように淡々と言葉を紡ぐステラ。
「えーと、昨日、スーパーに買い物に来たわよね? その時に、高校生二人で買い物に来るなんて珍しいなーって思って、それで楓に話したの。ごめんね、それで迷惑をかけて」
「そうですか」
溜息をつくとステラは、椅子をズラして俺の隣に来る。
「――と、いうことで拓真は私のですので、手を出さないでください」
威嚇するようにステラは言葉を発した。
そう言いながら俺は着席する。
周りの女性達から何だか生暖かい視線を向けられている気がする。
朝のホームルームが始まるまで、まだ時間がある中、教室の席に座っていた女性――、20代前半の茶髪の人が、
「アンタたち付き合っているの?」
――と、いきなり唐突に話しかけてきた。
「――え?」
思わず、あまりにもあまりな問いかけに俺は一瞬、何を言われたのか理解が出来なかった。
「あー。ごめんごめん。うちは本能寺(ほんのうじ) 楓(かえで)って言うんだけど。そんなに警戒しなくても大丈夫」
何が大丈夫なのかよくは分からないが。
「星空拓真です」
「知っているよ。それよりも、あんた、隣の席の子と付き合ってるの?」
「質問の意図が分からない」
そもそも他人には関係の無い事だ。
個人間のプライベートについて話すつもりはない。
「――え? そう見えますか?」
ただし、俺が秘密にしたいと思っていることと、ステラが考えていることは別問題であった。
ステラは目を輝かせながら、本能寺に返答した。
「う、うん……」
あまりにもアッサリとステラがバッサリと答えてしまったため、それが以外だったからなのか本能寺は、若干、引いた感じで頭を前後に振って肯定の意を示していた。
「ですって! 拓真!」
「おい。秘密にするって約束はどこにいった?」
「だって、本能寺さんは確信があって話しかけてきたのよね?」
笑みこそ作るが、ステラの目は一切笑っていない。
「そ、そうだけど……。もう少し隠すかと思ったよ」
「え? だって! 確信を持っている人に、ダラダラと世間話をするのって時間の無駄ではありませんこと?」
首を傾げるステラさん。
何故か分からないが怒っているように見える。
「ま、まぁ……、そうだけど……」
どうやら相手も同じ考えらしい。
「それで、どこで私と拓真のことを知ったのかしら?」
そのステラの言葉に本能寺の視線が、おかっぱ頭の黒髪の20歳半ばとも見える女性に向けられた。
「ゆかり」
「――ん? どうしたの?」
席を立ちあがって、こちらへ向かってくる女性。
「かえで、何かあったの?」
「――いや、それが……、ゆかりに教えてもらったことを二人に伝えちゃて……」
「あー、それで、そっちの銀髪な帰国子女さんが怒っているのね」
銀髪の帰国子女って……。
「ごめんなさいね。楓ったら、なんでも人に話しちゃうから」
「どういうことだ?」
そこで、話の筋が見えないので横から俺は話しかけた。
「あ――、私の名前は水島ゆかり。二人と同じ、一応は高校生よ? 年齢は秘密だけど」
「そんなことはどうでいいわ。それよりも、どうして私と拓真のことを知っているの?」
俺と、ゆかりさんとの会話をバッサリ切るかのように淡々と言葉を紡ぐステラ。
「えーと、昨日、スーパーに買い物に来たわよね? その時に、高校生二人で買い物に来るなんて珍しいなーって思って、それで楓に話したの。ごめんね、それで迷惑をかけて」
「そうですか」
溜息をつくとステラは、椅子をズラして俺の隣に来る。
「――と、いうことで拓真は私のですので、手を出さないでください」
威嚇するようにステラは言葉を発した。
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