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第2話 まずは鍛冶LV上げする為の工房を借りてみよう
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闇の間から出ると、そこはとある街の外にある林の中だった。いきなり街中に俺が現れると流石に目立ちすぎるからな。逆に有り難い。
街の入り口まで来ると衛兵に身分証を求められるが、乗っていた馬車を盗賊に襲われ命からがら逃げる際に落としてしまったと伝える。林の中から街に入る人の様子を前もって観察しておいて良かった。まだこの世界では、馬車や牛の荷車での物資しか行われていないようだ。
「身分証を落としてしまうとは災難だったな、街の中央の役所で臨時の身分証の発行所が有るからまずはそこへ行くと良い。幾らか手数料は取られてしまうが、盗賊に命を奪われなかっただけ感謝しないとな」
「はい、有難うございます。早速訪ねてみたいと思います」
営業スタイルにスイッチを入れれば言葉遣いも丁寧に幾らでも出来る、言葉遣い1つで得られる信用度は大きいからな。特に老人共を敬う口調で話せばちょろかった。
中央の役所に行くと幾つか窓口が有り、その内の1つに臨時身分証の発行所が在った。
「こんにちわ、本日はどの様なご用件でしょうか?」
「申し訳ありません、一昨日の夜半にここから少し離れた場所を馬車で移動中に盗賊に襲われまして馬車をそのまま乗り捨てる事で命拾いをしたのですがその際に身分証を落としてしまった様で入り口におられました衛兵の方からこちらを教えて頂いた次第です」
「はい、先程衛兵の詰め所から連絡の有った方ですね。では、手数料として5Gを頂く事になりますがよろしいでしょうか?尚、あくまでも臨時の身分証となりますので通用するのはこの国内のみとなる事をご了承下さい。また再発行を行えるのは首都に在ります王家直轄の登録管理所となりますが、お急ぎの用件が有りましたら先にそちらを済ませてから向かわれても結構です」
「丁寧に教えて頂き真に有難うございました、慌てて逃げたお陰で手元に残せた物がほとんど無いのでしばらくこの街で鍛冶の真似事をしながらお金を稼いで向かおうと思います」
「あら、鍛冶のお仕事を希望されますか?」
「はい、この間やっと師匠から合格点を頂き独立を許されました。まだ職業LVや製作LVは1しかないのであまり良い物は作れないと思いますが、LV上げも兼ねてしばらく間借り出来る工房がもし有れば教えて頂けると有り難いのですが?」
「それでしたら、この役所を出まして最初の十字路を左折してしばらく進むと工房街が有りますのでそちらに向かわれると良いでしょう。工房長さんにはこちらから連絡を入れておきますのでご安心下さい。それでは、名のみで結構ですので教えて下さい。職業は鍛冶屋との事でしたので一緒に身分証に記入しておきます」
「名はミツクニでお願いします」
「ミツクニですね、少々お待ち下さい」
5分程で臨時の身分証は発行された。
「こちらが臨時の身分証となります。先程も申し上げましたが有効範囲は国内のみとなりますので国外に出られる場合は首都の登録管理所に必ず行く様にして下さい」
「ご心配をお掛けいたしましてすいませんでした、早速工房街に向かわせて頂きます」
「はい、お気をつけて」
役所を出ると早速工房街へ向かう、どうやら電話の様な物が普及しているらしい。もし俺が役所に何時までも向かわなかったら不審者として捜索されていたかもしれん。離れた場所との連絡手段がこの世界には有ると始めに分かったのは収穫だ、後で色々と利用出来る事も有るだろう。
工房街の入り口に来ると、1人のドワーフが立っていた。
「お前が先程役所から連絡の有った駆け出しの鍛冶屋の坊主か?盗賊に馬車を襲われたって話だが鍛冶の道具もその中に残したままか?」
「はい、丁度道具類の手入れをしていた所で動転してしまい持ち出せたのはこれだけになります」
そう言いながら、アイテムボックスからロングソードと鉄鉱石の袋を取り出してみせた。
「お前アイテムボックスを使えるのか!?すぐその場で全部収納すれば良かったではないか・・・だが中に何も無ければ追いかけられてたかもしれないから道具類でも残して逃げたのは正解だったかもしれんな」
「ええ、こちらで鍛冶の道具をお譲りして頂く事は可能でしょうか?あと自分の師匠は偏屈で名を最後まで教えてくれませんでしたが餞別でこの剣を護身用に打ってくれました」
ロングソードには銘が刻まれていたので、嘘っぱちで出鱈目を言ってみる。
「どれどれ・・・こ、これは!まだ生きていたというのか!?あの伝説の刀匠が!」
ほほ~凄い有名の人の作品らしいな、ヴェルドには感謝しないとな。
「済まない!この剣を譲ってくれないか!?この剣の打ち方には未知の新しい技が使われているんだ。この技術を解明出来ればこの街、いやこの国の鍛冶の技術は飛躍的に発展する!」
俺からしてみれば只のロングソードだが、これは少し金になりそうだ。
「師匠からの大事な餞別をタダで渡したら、それこそ破門されてしまいますからお断りします!」
「頼む!先程言っていた道具類も一式渡そう、あとこの街を出るまでの工房の間借り賃も支払わなくて良い!あとは護身用の武器をわしの工房から好きなのを1つ持っていってくれ。そして門外不出の筈の技術を放出するんだ謝礼兼口止め料として100万Gを払うからぜひ譲ってくだされ!」
「そこまで仰られるなら、いいでしょう。あとオマケで今後使う事になるかもしれないので少し上等な鉱石類や魔宝石も幾つか分けて頂ければ有り難いのですが・・・」
「分かった!ほんの少しだけだがミスリルの鉱石がある、あと他の工房の連中にも声を掛けるからちょっとだけ待っていてくれ!」
そこまで必死にならなくても良いのにちょろい爺さんだ、ロングソードと街に居る間の工房の権利書等の受け渡しは明日行う事にしてこの日は工房長のお誘いで歓迎会が急遽行われた。酒に弱いフリをしながら、集まった人から色々と情報を集める。酔った勢いで秘伝の製法を言ってくる奴まで居るから笑いが止まらない、1本もまだ武器を作っていないのに武器製作LVが2に上がっていた。
(わざわざ秘伝まで教えてくれてありがとなジジイ共、勇者を殺す為の技術向上に利用させてもらうから後で泣き言言うんじゃねえぞ)
まだまだ鍛冶の秘伝など盗めそうなので、その晩はジジイ共を徹底的に酔わせて技術を吐かせていくのだった。
街の入り口まで来ると衛兵に身分証を求められるが、乗っていた馬車を盗賊に襲われ命からがら逃げる際に落としてしまったと伝える。林の中から街に入る人の様子を前もって観察しておいて良かった。まだこの世界では、馬車や牛の荷車での物資しか行われていないようだ。
「身分証を落としてしまうとは災難だったな、街の中央の役所で臨時の身分証の発行所が有るからまずはそこへ行くと良い。幾らか手数料は取られてしまうが、盗賊に命を奪われなかっただけ感謝しないとな」
「はい、有難うございます。早速訪ねてみたいと思います」
営業スタイルにスイッチを入れれば言葉遣いも丁寧に幾らでも出来る、言葉遣い1つで得られる信用度は大きいからな。特に老人共を敬う口調で話せばちょろかった。
中央の役所に行くと幾つか窓口が有り、その内の1つに臨時身分証の発行所が在った。
「こんにちわ、本日はどの様なご用件でしょうか?」
「申し訳ありません、一昨日の夜半にここから少し離れた場所を馬車で移動中に盗賊に襲われまして馬車をそのまま乗り捨てる事で命拾いをしたのですがその際に身分証を落としてしまった様で入り口におられました衛兵の方からこちらを教えて頂いた次第です」
「はい、先程衛兵の詰め所から連絡の有った方ですね。では、手数料として5Gを頂く事になりますがよろしいでしょうか?尚、あくまでも臨時の身分証となりますので通用するのはこの国内のみとなる事をご了承下さい。また再発行を行えるのは首都に在ります王家直轄の登録管理所となりますが、お急ぎの用件が有りましたら先にそちらを済ませてから向かわれても結構です」
「丁寧に教えて頂き真に有難うございました、慌てて逃げたお陰で手元に残せた物がほとんど無いのでしばらくこの街で鍛冶の真似事をしながらお金を稼いで向かおうと思います」
「あら、鍛冶のお仕事を希望されますか?」
「はい、この間やっと師匠から合格点を頂き独立を許されました。まだ職業LVや製作LVは1しかないのであまり良い物は作れないと思いますが、LV上げも兼ねてしばらく間借り出来る工房がもし有れば教えて頂けると有り難いのですが?」
「それでしたら、この役所を出まして最初の十字路を左折してしばらく進むと工房街が有りますのでそちらに向かわれると良いでしょう。工房長さんにはこちらから連絡を入れておきますのでご安心下さい。それでは、名のみで結構ですので教えて下さい。職業は鍛冶屋との事でしたので一緒に身分証に記入しておきます」
「名はミツクニでお願いします」
「ミツクニですね、少々お待ち下さい」
5分程で臨時の身分証は発行された。
「こちらが臨時の身分証となります。先程も申し上げましたが有効範囲は国内のみとなりますので国外に出られる場合は首都の登録管理所に必ず行く様にして下さい」
「ご心配をお掛けいたしましてすいませんでした、早速工房街に向かわせて頂きます」
「はい、お気をつけて」
役所を出ると早速工房街へ向かう、どうやら電話の様な物が普及しているらしい。もし俺が役所に何時までも向かわなかったら不審者として捜索されていたかもしれん。離れた場所との連絡手段がこの世界には有ると始めに分かったのは収穫だ、後で色々と利用出来る事も有るだろう。
工房街の入り口に来ると、1人のドワーフが立っていた。
「お前が先程役所から連絡の有った駆け出しの鍛冶屋の坊主か?盗賊に馬車を襲われたって話だが鍛冶の道具もその中に残したままか?」
「はい、丁度道具類の手入れをしていた所で動転してしまい持ち出せたのはこれだけになります」
そう言いながら、アイテムボックスからロングソードと鉄鉱石の袋を取り出してみせた。
「お前アイテムボックスを使えるのか!?すぐその場で全部収納すれば良かったではないか・・・だが中に何も無ければ追いかけられてたかもしれないから道具類でも残して逃げたのは正解だったかもしれんな」
「ええ、こちらで鍛冶の道具をお譲りして頂く事は可能でしょうか?あと自分の師匠は偏屈で名を最後まで教えてくれませんでしたが餞別でこの剣を護身用に打ってくれました」
ロングソードには銘が刻まれていたので、嘘っぱちで出鱈目を言ってみる。
「どれどれ・・・こ、これは!まだ生きていたというのか!?あの伝説の刀匠が!」
ほほ~凄い有名の人の作品らしいな、ヴェルドには感謝しないとな。
「済まない!この剣を譲ってくれないか!?この剣の打ち方には未知の新しい技が使われているんだ。この技術を解明出来ればこの街、いやこの国の鍛冶の技術は飛躍的に発展する!」
俺からしてみれば只のロングソードだが、これは少し金になりそうだ。
「師匠からの大事な餞別をタダで渡したら、それこそ破門されてしまいますからお断りします!」
「頼む!先程言っていた道具類も一式渡そう、あとこの街を出るまでの工房の間借り賃も支払わなくて良い!あとは護身用の武器をわしの工房から好きなのを1つ持っていってくれ。そして門外不出の筈の技術を放出するんだ謝礼兼口止め料として100万Gを払うからぜひ譲ってくだされ!」
「そこまで仰られるなら、いいでしょう。あとオマケで今後使う事になるかもしれないので少し上等な鉱石類や魔宝石も幾つか分けて頂ければ有り難いのですが・・・」
「分かった!ほんの少しだけだがミスリルの鉱石がある、あと他の工房の連中にも声を掛けるからちょっとだけ待っていてくれ!」
そこまで必死にならなくても良いのにちょろい爺さんだ、ロングソードと街に居る間の工房の権利書等の受け渡しは明日行う事にしてこの日は工房長のお誘いで歓迎会が急遽行われた。酒に弱いフリをしながら、集まった人から色々と情報を集める。酔った勢いで秘伝の製法を言ってくる奴まで居るから笑いが止まらない、1本もまだ武器を作っていないのに武器製作LVが2に上がっていた。
(わざわざ秘伝まで教えてくれてありがとなジジイ共、勇者を殺す為の技術向上に利用させてもらうから後で泣き言言うんじゃねえぞ)
まだまだ鍛冶の秘伝など盗めそうなので、その晩はジジイ共を徹底的に酔わせて技術を吐かせていくのだった。
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