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第20話 ガングニール vs エクスキャリバー 【膠着する時、そしてあっけない幕引き】
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矛盾・・・そんな例え話を思い浮かべずにはいられない。何でも貫く矛と何でも防ぐ盾、矛で盾を突けばどうなるのか?両方砕け散るとかそんな話を作った方も居た気がするけど、今回のケースの場合はどうなるのだろうか?
ガングニール と エクスキャリバー お互いに勝利の約束された武器同士での戦いは激しい火花が散りながら繰り広げられ・・・はしなかった。
お互いがヘビに睨まれた蛙の様に動けないのだ。片や投げれば勝利が確定、片や振り下ろせば勝利が確定。先に投げるか振り下ろした方が勝つってのは空論だ、何しろ順番が後からだろうと投げるか振り下ろせば勝利を約束されるのだから。
6人 vs 1人 なのに、お互いの武器がチート性能の所為でまさかこんな展開になるなんて思いもしなかった。神話クラスの武器を作って調子に乗っている場合じゃなかった、フローディアに復讐する為にはこれ以上のチート武器を作れる様になるしかないんだ!?
しかし、この状態・・・いつまで続くんだ!? もうそろそろ、マリアやリィナが体力的に持ち堪えられなくなる。背を向けてしまった瞬間に彼女達は斬られてしまう!?そんな焦りや苛立ちが抑えきれなくなりそうな時間が、わずか1時間程なのに半日以上続いている様にすら感じてしまう。
さらに30分近く経ち、ついにリィナが片膝を付いてしまう。体力が限界近くまできてしまった様だ。
「リィナ!」
「ま、まだいけます!ミツクニ様こそ前を向いていてください!」
リィナは気丈に答えるが、やはりかなり辛そうだ。対するコンラートは疲れた様子され無い、前回城を襲撃して来た際は操られている様な節が見られたからおそらくは無理やり動かされているのだろう。少し憐れにも思うが、同情はしない。こいつはサーラに汚名を着せて処刑扱いした上に、影で異母兄妹なのに犯して遊ぶ事まで考えていた奴だからだ。
「くそ!?何とかしてこの状況を破らないと、体力を無くした奴から順に奴に殺されちまう!?」
その時、泥沼に陥りそうなこの状況を救ってくれる者が現れた!それは、何も考えずに近くの森をうろついていたゴブリンさんでした・・・。ゴブリンは、遠くから俺達の膠着した様子を確認すると魔王のターニャを救おうとしたのかコンラートの見かけない装備を敵と判断したのか分からないが背中から弓を取り出してコンラートに向けて矢を放ったのだ。
ひょろひょろひょろ~っと何か間抜けな飛び方をする矢はそのままコンラートの兜に当たるがダメージになる筈も無く弾かれる。だが、それは俺達の勝利が約束された事を教えてくれた。・・・おバカなゴブリンに教えて貰ったのが生涯悔いに残りそうだが。
「なあ、これって多分アレだよなぁ?」
「ええ、おそらくアレでしょうね・・・」
「不本意な勝ち方になるかもしれませんが、仕方ありませんね」
「ゴブリンに助けられたってのが、少しショックだけどね・・・」
「それを言うなら、ゴブリンなんかに倒し方を暴かれたコンラートの方が惨めじゃない?」
「「「「「・・・・そうかもしれない」」」」」
早速、俺達はコンラートの方を向きながら少しずつ円形になっていく。そして6人でコンラートの前後左右を囲むと長かった膠着の時間は終わりを告げた。
「えい!」
「とりゃ!」
「ほい!」
コンラートの視界の後ろ側に回った、マリア・リィナ・美沙の槍が投げられた。サーラは皮肉そうな顔でそれを見つめる。
「サーラ、こんな形でお前の復讐を果たしてしまう事になって済まない」
「仕方有りませんわ、この男もまさかこんな最期を迎える事になろうとは思ってもいなかったでしょうしね」
次の瞬間、3本の槍がコンラートの背に突き刺さり貫通しながらまた3人の手元に戻る。コンラートは後ろを振り返ろうとするが、今度は俺達に背中を向ける結果となった。
「どうやらコンラートはお前にトドメを刺して欲しいみたいだぞ」
「ご期待に答えるしか無さそうですね」
「わたしも大事な側近を殺された恨みも有りますし!」
「じゃあ、俺は折角の牝豚を殺された復讐って事にするか!」
そうして、今度は俺達3人が槍を投げまた3本の槍がコンラートの背中に突き刺さる。コンラートは血を吐きながら地面に倒れるとそれまで着ていた赤い鎧は砂の様になり崩れ去りコンラートの素顔が現れた。どうやら、あの鎧でこいつを操っていた様だ。
『わ、わたしは一体・・・どうして、こんな・・ところに・・いるのだ?』
「あなたは女神フローディアに捨て駒として使われた様ですわ」
『き、貴様サーラ!?誰かがお前を・・・買ったというのか!?』
「ええ、そうよ。こちらのミツクニ様に買われて、今はこの方の妻よ」
『馬鹿な!?この様な、下賤の者を妻にしようなどと・・』
「それだから、あなたはこれから私にトドメを刺されるのですわ」
『妾の子の分際で・・・この兄を殺すのか!?』
「既に父と義母が先にあの世でお待ちです、これからは仲良く3人で暮らしてくださいな」
トスッ
『!?』
コンラートの心臓に向けて、サーラは誓いの短剣を突き刺す。コンラートはその短剣を見ながら視界が闇の底に沈んでいきそのまま息絶えた。
サーラの復讐は不本意な形にはなってしまったが、果たす事が出来た。だが、俺の復讐すべき相手長谷川とフローディアにはガングニール以上の武器が必要だと思い知らされる出来事となった。
ガングニール と エクスキャリバー お互いに勝利の約束された武器同士での戦いは激しい火花が散りながら繰り広げられ・・・はしなかった。
お互いがヘビに睨まれた蛙の様に動けないのだ。片や投げれば勝利が確定、片や振り下ろせば勝利が確定。先に投げるか振り下ろした方が勝つってのは空論だ、何しろ順番が後からだろうと投げるか振り下ろせば勝利を約束されるのだから。
6人 vs 1人 なのに、お互いの武器がチート性能の所為でまさかこんな展開になるなんて思いもしなかった。神話クラスの武器を作って調子に乗っている場合じゃなかった、フローディアに復讐する為にはこれ以上のチート武器を作れる様になるしかないんだ!?
しかし、この状態・・・いつまで続くんだ!? もうそろそろ、マリアやリィナが体力的に持ち堪えられなくなる。背を向けてしまった瞬間に彼女達は斬られてしまう!?そんな焦りや苛立ちが抑えきれなくなりそうな時間が、わずか1時間程なのに半日以上続いている様にすら感じてしまう。
さらに30分近く経ち、ついにリィナが片膝を付いてしまう。体力が限界近くまできてしまった様だ。
「リィナ!」
「ま、まだいけます!ミツクニ様こそ前を向いていてください!」
リィナは気丈に答えるが、やはりかなり辛そうだ。対するコンラートは疲れた様子され無い、前回城を襲撃して来た際は操られている様な節が見られたからおそらくは無理やり動かされているのだろう。少し憐れにも思うが、同情はしない。こいつはサーラに汚名を着せて処刑扱いした上に、影で異母兄妹なのに犯して遊ぶ事まで考えていた奴だからだ。
「くそ!?何とかしてこの状況を破らないと、体力を無くした奴から順に奴に殺されちまう!?」
その時、泥沼に陥りそうなこの状況を救ってくれる者が現れた!それは、何も考えずに近くの森をうろついていたゴブリンさんでした・・・。ゴブリンは、遠くから俺達の膠着した様子を確認すると魔王のターニャを救おうとしたのかコンラートの見かけない装備を敵と判断したのか分からないが背中から弓を取り出してコンラートに向けて矢を放ったのだ。
ひょろひょろひょろ~っと何か間抜けな飛び方をする矢はそのままコンラートの兜に当たるがダメージになる筈も無く弾かれる。だが、それは俺達の勝利が約束された事を教えてくれた。・・・おバカなゴブリンに教えて貰ったのが生涯悔いに残りそうだが。
「なあ、これって多分アレだよなぁ?」
「ええ、おそらくアレでしょうね・・・」
「不本意な勝ち方になるかもしれませんが、仕方ありませんね」
「ゴブリンに助けられたってのが、少しショックだけどね・・・」
「それを言うなら、ゴブリンなんかに倒し方を暴かれたコンラートの方が惨めじゃない?」
「「「「「・・・・そうかもしれない」」」」」
早速、俺達はコンラートの方を向きながら少しずつ円形になっていく。そして6人でコンラートの前後左右を囲むと長かった膠着の時間は終わりを告げた。
「えい!」
「とりゃ!」
「ほい!」
コンラートの視界の後ろ側に回った、マリア・リィナ・美沙の槍が投げられた。サーラは皮肉そうな顔でそれを見つめる。
「サーラ、こんな形でお前の復讐を果たしてしまう事になって済まない」
「仕方有りませんわ、この男もまさかこんな最期を迎える事になろうとは思ってもいなかったでしょうしね」
次の瞬間、3本の槍がコンラートの背に突き刺さり貫通しながらまた3人の手元に戻る。コンラートは後ろを振り返ろうとするが、今度は俺達に背中を向ける結果となった。
「どうやらコンラートはお前にトドメを刺して欲しいみたいだぞ」
「ご期待に答えるしか無さそうですね」
「わたしも大事な側近を殺された恨みも有りますし!」
「じゃあ、俺は折角の牝豚を殺された復讐って事にするか!」
そうして、今度は俺達3人が槍を投げまた3本の槍がコンラートの背中に突き刺さる。コンラートは血を吐きながら地面に倒れるとそれまで着ていた赤い鎧は砂の様になり崩れ去りコンラートの素顔が現れた。どうやら、あの鎧でこいつを操っていた様だ。
『わ、わたしは一体・・・どうして、こんな・・ところに・・いるのだ?』
「あなたは女神フローディアに捨て駒として使われた様ですわ」
『き、貴様サーラ!?誰かがお前を・・・買ったというのか!?』
「ええ、そうよ。こちらのミツクニ様に買われて、今はこの方の妻よ」
『馬鹿な!?この様な、下賤の者を妻にしようなどと・・』
「それだから、あなたはこれから私にトドメを刺されるのですわ」
『妾の子の分際で・・・この兄を殺すのか!?』
「既に父と義母が先にあの世でお待ちです、これからは仲良く3人で暮らしてくださいな」
トスッ
『!?』
コンラートの心臓に向けて、サーラは誓いの短剣を突き刺す。コンラートはその短剣を見ながら視界が闇の底に沈んでいきそのまま息絶えた。
サーラの復讐は不本意な形にはなってしまったが、果たす事が出来た。だが、俺の復讐すべき相手長谷川とフローディアにはガングニール以上の武器が必要だと思い知らされる出来事となった。
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