とあるダンジョンのラスボス達は六周目に全てを賭ける

太嘉

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主と従者の章

序章

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──ここは、王都東部の境界近くの、地図に名前すらない辺境の町。

青年は、遠く西から流れてきた旅人だった。
町に立ち寄ったのは、長旅の汚れ落としとしばしの休息、食糧の調達の為だったが、本業が発掘調査というのが知られるや否や、町民から、町外れの穴から「風が吹くと妙な音がするから調べて欲しい」と頼まれた。

この町には、風穴がそこかしこにあるらしい。
大体のものは町民達が調べて、危ないものは家畜が落ちないように柵を作り、浅いものは立札を立てて注意を促す、それで事足りていたようだが、この穴はどうやら新しくできたただの風穴──と判断できないものがあった。

まず、穴の大きさが、人が二、三人並んで入れるほど大きかったこと。
そして、今までの風穴とは違い、地下に緩やかに下っていっていたことだった。

この町は国境に近い。
今はまだ穏やかに生活できているが、いつ東国が攻めいる動きを見せるかは分からない。
万が一の時の為に、町民達が逃げ込める場所であるなら、と思ったのだろう。
青年は、探索期間の宿代と引き換えに、その依頼を受けた。

青年は、穴の近くにキャンプを設置して、二日に一度町へ戻る生活になった。
この辺では貴重な紙に、避難先として危険が無いか、安全を確保できるか、色々と地道に、一人で調べながらなのだろう、少しづつ場所が拓けてくる。

驚くべきことに、そこはそれなりの区画が繋がった──地下迷宮、と呼ばれる場所だった。
壁は岩肌。
松明を点さなくとも、天井や壁に自生するヒカリゴケがうっすらと足元を照らし、一定の距離で強く輝く。

一言で「地下迷宮」と言っても、大きく分けて2種類ある。
一つは、地中深くに眠る「システム」という技術が詰まった箱──これは『学府アレクサンドリア』と呼ばれる専門機関で解析が行われているが、複雑過ぎて未だに全容解明には至っていない──に魔力を込めて展開し、立体的な空間を立ち上げるもの。
もう一つは、古い遺跡とも被るところがあるが、元々街や神殿として『造られた場所』に防衛機構として「システム」が据えられて展開されるものだ。ただ、これらの中には、「システム」自体が壊れていて、ただの「遺跡」となっている場合も少なくない。

迷宮としての仕様としては初期、このあたりに『造られた』区画と思われた。
下に続く階段は無く、一階層の──地中に埋もれた遺跡の可能性が高い。

(…この広さは、そこそこの街一つ分くらいあるな)
一通り探索を終えて宿に戻ると、青年は描き広げた地図を見て唸る。

地下迷宮と呼ばれる空間は、入口近くだとならず者や小動物などが巣食っている事が多いのだが、ここは新しく見つかった場所のせいか──あとは、長閑過ぎてやんちゃなならず者がそもそもいないのか──危険な気配は感じられなかった。

区画全体に周る空気に、澱みは少なく、適度に湿り気がある。きっとこの辺りの風穴が影響しているのだろうと考えたが、地上の探索で場所を出した風穴と照らし合わせると、この区域に直結しているとはどうも考えにくかった。

出口を他に作らなければ、ここは逃げ場にはなり得ない。唯一の入口を押さえられたら、後は──最悪の自体を想像して、思わず頭を振った。

空気が乾燥していれば、貯蔵庫に使う位は出来ただろうが、そうなったら今度はヒカリゴケが生息できず、中を照らすのに松明が必要になってくる。

この場所が何に『使える』かは、一年通してここの気候とも照らし合わせてみない事にはどうしようもない。

そして厄介なことに、この区画の最奥に、巧妙に隠された通路があった。こういった通路は一方通行のカラクリがあるかもしれず、帰還経路を見つけきれなかった場合は最悪餓死も予想される事から、下準備が必要だった。

巻物に、丁寧に、雑に描かれた地図──といっても、充分に内容が分かるのだが──を清書していく
その下に、外へと繋がる部分も描き込む。
出来た地図の左側に上から、下側に左から数字を割り当てていく──座標だ。

割り当て終わると、荷物から握り込める程度の小さな木札を2枚取り出す。
それぞれに座標を書き込み、青年はソレに魔力を込めた。
一つは隠し通路の入口。
もう一つは、穴に入ってすぐの所だ。
この木札を該当の場所に埋め込む事で、地図の巻物に魔力を込めて使用する転移の術の標とするのだ。

そしてもう一つ、首飾りを取り出して、服で隠す様に身に付けた。
こちらは全ての装備と引き換えに、身一つで拠点の町に戻るという緊急脱出の護符だ。
だいたいは1回きりの使い捨て。運が良ければ残る、といったもの。
安くはない代物なのだが、地下迷宮に挑む側の冒険者達には、装備やお宝一式を喪う事から忌避されがちな道具なので、交渉次第では迷宮や遺跡を擁する街の道具屋で買うより安く仕入れられる。
命あっての物種、発掘や探索に関わる者には、生き延びる事に特化したものは切らさないのが大切なのだ。

一方通行のカラクリが起動しても完全に閉ざさない様にする為の木杭と木槌、閉じ込められた時用の貴重な携行食──緊急脱出に入る前に、できるだけ探索を進める為だ──、灯火を作り出す呪文が記された巻物、麻痺や毒を中和する薬、余分な地図用の紙束、その他もろもろを背負い袋に詰め込んで、青年はベッドに身を投げた。

こんなに興奮する探索は、数年ぶりだ。
もしかしたら、自分が探していた『地下迷宮』かもしれないと思うと、心がはやる。

青年は『学府アレクサンドリア』の徒だ。
『学府』でも、夢物語とされてきていた『地下迷宮』の存在を探し当てようと、今まで一途に探し求めてきた。
空振りだったことも多かったが、いくつか、調査保全価値のある歴史的な遺跡も見つけている──しかしそれらはどれも、青年が探し求めていたものではなかった。

今調べているところも、ハズレかもしれない。
それでも──探し求めていた『地下迷宮』でなくとも、そこから得られるモノは計り知れない。事実、青年は多くのモノを遺跡から得てきていた。

それ故に、もし当たりだったら──そう思うと、たまらないのだ。

富も、名声もいらない。
そこにあるモノを詳らかにし、保全が必要であれば処置し、その存在を「無かったこと」から拾い上げたい──師からは「危険な考えだ、改めなさい」と幾度も叱責を喰らったが、やはりそこに行き着くのだ。

「今度こそ、当たりだったらいいなぁ」
ぽつり、と呟く。
終わりが見えない長旅に倦んでいる訳ではない。
砂漠の砂粒の中から金剛石の欠片を探し出す様な日々に疲れ切ってる訳でもない。
見つからないまま旅路の途中で倒れたくない。
命ある限り自分の足で探し続けたい。
だから、終わりだったらいいなとは思うけれど、終わりにしたいと思う事はかけらもなかった。

眠ろう。
明日からは本腰入れた探索になる。
だから湯を貰い、温かいものをたらふく腹に入れた。
安全な場所での最後の休息になるかもしれないと、青年は目を閉じて、大きく息を吐いた。

────

早朝に身支度を整え、青年は、町長に当たる者に、遺跡の区画の地図と、簡単に注意点を告げ
「もしも十四日間自分が帰って来なかったら、この紙を持って隣町の冒険者ギルドに救援依頼を掛けて欲しい」
と伝える。

それは、青年の名前と所属が書かれていだ紙片だった。
『学府』の徒であれ、冒険者として旅路に付くなら、旅人達の互助会である冒険者ギルドへの加入は必須だ。
『学府』に所属しているだけで、ギルドへのさまざまな依頼の代金は本人ではなく『学府』へと請求が行くため、ギルドとしても取りっぱぐれがないのもあり、結構融通が効くのもある。

そんなに長い日数大丈夫なのか、と訝しまれたが、青年の荷物の中には、これまた特殊な製法で造られた、『学府』の徒御用達の携行食がある。
「エルヴン・クッキー」と言われるクッキーの様なもので、味はともかく、1枚で1日歩き続けても空腹感無く、かつ充分なエネルギーと栄養素を確保できるという、等価交換を無視した様な代物なのだが、実は冒険者ギルドほどではないもののあにこちに点在する『学府』の施設に普通に売られていたりする。青年の荷物の中にも、買ってそこまで経ってないものが約三十日分入っていた。

「もしも自分の死亡が確認された時は、荷物は好きに処分して下さい」
と伝えて、青年は遺跡へと向かった。

────

入口に入った所で、少し土を掘り返して、この場所の座標を記した木片を埋めると、迷う事なく隠し通路の前に立ち、こちらにも木片を埋める。
隠し通路のある辺りに、荷物から木杭を取り出すと、自分が屈まずに通れる位の高さと、床ギリギリの四隅に木槌で打ち込む。
実際は、土壁に打ち込むのではない。
土壁と、通路を隠す結界の隙間に打ち込むのだ。
その場所を見極められなければ使えない、発掘者専用の経路保全のアイテムで、しかもこれは、遺跡で数多くの隠遁結界のパターンを知り尽くすほどに見てきた青年が木杭に術式を施し、魔力を込めて自作した固有道具ユニークアイテムだ。
「───」
起動の合言葉を発すると、杭と杭を四角に繋ぐ様に魔力の光で繋がって──光が、収まった。
と同時に、杭が土壁と変わらない色合いに変化する。
「ん、成功っと」
仕掛けを施した青年にははっきりと場所が分かるが、よく目を凝らせば、目の効く盗賊なら、杭がある所に違和感を感じるだろう──その位に目眩しが掛けられる。
これで、どこか一本杭を抜くまで経路保全の術式は解けない。

地図を使った転移の仕掛けといい、経路保全の木杭の自作といい、本人は師達の見様見真似でやっているだけなのだが、言うほど簡単にできるものではない、というのは青年の自覚の外である。

「…そうだ。これも使おう」
何か直感めいたものを感じたのか、青年は、背負い袋の中に手を突っ込んで、握り拳位の大きさの糸玉と小さな工具をを取り出す。

ただの「糸玉」だ──そう、青年は勝手に呼んでいるが、二つ前に調べた遺跡から出てきた固有魔具アーティファクトで、ほんの少し魔力を込める事で尽きる事の無い糸を無限に繰り出す事ができる。
しかもその糸は、一定時間が経つと物質化し、魔力の維持なく使用者にとっての道標の代わりとなる。発掘や探索に携わる者には垂涎の道具だ。
糸玉に魔力を込めて、糸の端を引く。
それを小さな釘に外れない様に結びつけて、床に打ち込んで固定する。

準備完了だ。

工具を背負い袋に仕舞って背負い直し、糸玉を手に取ると、青年は、経路保全された隠し通路を潜り抜けた。

────

隠遁結界を潜り抜ける、いつまでも慣れない感覚の後、青年が見たのは奥に続く通路だった。
振り返って、今通り抜けて来た杭の上側に向かって適当に小石を投げると、跳ね返って来た。
一歩、元の迷宮に戻って、また入り直す。

「……良かった……」
青年は、大きく息を吐く。
結界には、目眩しだけではなく、一方通行のカラクリまで付与されていたのだ。
なんの準備も無く入っていたら、転移が出来なければ装備一式を犠牲にして帰還する羽目になるところだった。

だけれど、仕掛けられていた術式にも負けず、木杭による経路保全は生きている。糸玉もあるから、少なくとも迷う事はないだろう。
(今までのように油断せず、少しづつ探索を進めよう)
青年は、気を引き締めて、ヒカリゴケに照らされた薄明るい通路を奥に進み始めた。

────

生物の気配は無い。
自分の足音だけが鈍く響く通路は一本道で、しばらく行くと開けた所に出た。

入口を含む三方が土壁で、奥だけが、人工的に作られた様な、真っ平らな壁の、そこそこの広さの部屋だ。
ヒカリゴケが強く光る位置から割り出して、今までの通路の横幅を1区画とすると、奥に5区画、横に3区画程度だ。

「着いた……」

まっすぐに、真っ平らな壁の前に立った、青年の口から漏れる。
案外あっさりと着いてしまった、といった感じで。

「この壁」
材質、なんだろう。
──と、青年が壁に触れた時だった。

壁全体が、一瞬、強く光った後

ごろん、と、何かが転がる音がした。

見ると、小さな人影が、尻と頭をさすっている。
街で見かける旅の道化師の様な姿で、そばには、鈍く光る金の丸玉が付いた杖が転がっていた。

その人影が、青年の方を降り仰ぐ。
「───」
驚きを隠さない顔で、道化師の口から漏れたその言葉は──

思わず青年が、道化師の肩をわしりと掴む。
「今!今何て言ったの?
言ったよね、『ワーダナット』って!
教えて、ここはワーダナット女史ゆかりの施設なのかい?」
「いて!いててて!馬鹿揺さぶんな!
あとあのババアの名前連呼すんじゃねぇ!」
「ご、ごめん!」

興奮が過ぎて、思わずがくんがくんと揺さぶってたらしい。謝りながら身を離すと、道化師が揺さぶられて落ちたフードを被り直した。

「あ、あの…」
膝立ちになって、居住まいを直した青年に
「あー…なんかこう、仕切り直すのもアレだけどさ」
杖を拾って、道化師の小男が立ち上がる。

「ようこそ、シリアルコード:B10F1703 システム起動ポイントへ。
もう言っちまうけどよぉ、ここは故・メイディ・ワーダナットの個人貯蔵倉庫にだ。
おいらは選別場システム00: the FOOL。維持管理と──おいら含めた21の細分システムとマスターの橋渡しの役割が割り振られてる。

』。あんたは?」

「僕は──エルダナス・レン=スリスファーゼ。『ワーダナットの地下宝物庫』の探してる、ただの魔術師だよ」

二人の──否、一人と一体の、全ての始まりだった。
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