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主と従者の章
異変
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やる事は簡単だ。
行き先も分かっている。
武器を持たず、最低限の装備を身につけて、エルドナスとフールは二人手を取り、一階の南東の倉庫に巧妙に隠された扉から地下に降りる。そこは、1フロアまるまるが有事の際の物資が保管してある倉庫だった。
術式である程度の空調は整えていたはずだったが、多分今の今まで閉ざされていたのだろうとすぐ分かる位には空気が埃っぽい。ここにある物資で今、使い物になるのはどれだけ残っているだろうか。
無事に帰られたならここの事をリヴォワールドに伝えておこう、とエルドナスは心の片隅に置いた。
──無事、帰られたなら。
今からありったけの魔力を注ぎ込んで、地下迷宮を再稼働させるのだ。
先にこの『試練場』を起動させた時は、魔力を注ぎ込むなどという感覚は無かった。ただ、触れたらスイッチが入ってしまった、その程度だった。
しかし今回は違う。
一度起動済みのところに──数年がかりで徐々に増やしてきたありとあらゆる仕掛けに、十階層分、魔力を流し込んでもう一度息吹を吹き込むのだ。
何が起こるか予想は付かない。
何が起こってもおかしくはない。
下手をしたら、魔力枯渇で死ぬかもしれない。
それでも、『ワーダナットの地下宝物庫』の存在を認めて貰えたのは、エルドナスの心の在り方を大きく変えた。
その探索に、究明に、もういつまでも、諦め悪くしがみついていなくて良くなったのだ。
最後の仕事は、実物を以ての存在立証だ。
同時にそれは、エルドナスが、発掘者として、探索者として、見ていた夢との決別でもある。
軽く咳き込みながら、中央の一際大きな柱の北側をコンコンと叩くと、パラパラと埃が落ち、取手が現れた。
隠し扉だ。
フールが躊躇なく手前に引くと、小さな破片や埃を撒き散らしながら扉が開く。柱の内側はがらんどうで、そこにも転移陣が床いっぱいに描かれていた。
二人で視線を合わせて、同時に飛び込む。
ほんの一瞬、極彩色の光に包まれたかと思ったら、それなりの広さがある三方土壁、一面が真っ平らな壁の小部屋に辿り着いた。
──忘れやしない。
二人が最初に出逢い、そして迷宮の最下層に本拠を移してからは二度と足を踏み入れなくなった部屋だ。
二人一緒に真っ平らな壁の中央まで歩み寄り、エルドナスは壁に左手をそっと当てた。
ああ、今でも鮮明に憶えている。
こうして壁に手を当てたら、壁の向こうからぽろりとこぼれる様に──
ぎゅ、と、相手の手を握る力が籠る。
まるで旅支度を思わせる、道化師の姿の小男が、尻餅ついて現れたのだ。そして自分を見上げて──
「うぁ」
いきなりだった。
自分の隣に立っていた痩躯の男が、強い力で背後の土壁側に引っ張られて手が離れる。
「フール!」
「あ…!」
捕まえようと咄嗟に手を伸ばすが、正面の壁から手が離れない。
「なんで…!」
こんな時に、と、ギリ、と歯を食い縛る。
『シスてム、起動』
無機質な女性の声が、壁から発せられた。
「はいぷりえすてす!」
壁に縫い付けられた様な体制で、フールが悲鳴の様な声を上げる
「どうなって、るの!?」
『よウこそ、ここは『シリアルコード:B10F1703-システム起動ポイント』です』
フールの言葉を無視して、ノイズ混じりのシステムの音声が先を続ける。
『魔力パターン、解析終了。
登録者、エルダナス・レン=スリスファーゼと一致。
おかえリなさいませ、マスター。登録名をドうぞ』
登録者と違うダンジョンマスターの名を設定した時の問いが続く。
「登録名『エルドナス』」
『───登録名、エラー。はじかれます』
「……え?」
『登録名、エラー。はじかれます』
「な…?」
一度目のエラーで、エルドナスが呆気に取られ
繰り返し告げられた内容に、フールが唖然とする。
『システム02 HIGH PRIESTESSよりシステム00・FOOLへ。
確カに、登録者が設定した登録名は間違いありません。
わたしの記録トも合致してます。
わたシも、困惑しテイます』
地下十階だけの起動とはいえ、魔力は確かにこの迷宮に巡らせている。
登録者として認識されているのに、何故『弾かれる』?
『──あ』
少しだけ、ほんの少しだけ、無機質な声に何かが宿る。
『マスター・エルダナス。
システムの強制初期化プログラムが展開を始メマした。六十秒後に起動。
停止には予メ設定されたセーフワードが必要です』
「…!」
『理由:外部カラの干渉を条件とシた防衛キ能。止めラれませン』
『コのプログラムが起動シまスと』
「フールはどうなる」
『現在のシステム00・FOOLは消去され、新しく構築さレマす』
「…!それはダメだ」
音声に、歪みが出始めた。
予想外のシステムの異常の原因は聞かない。その時間が惜しい。
『プログラムを、止めルニは、セーフワードが、必要デす』
増えていく耳障りなノイズをかき消す勢いで、何かのキーを連打する様な音が、声の向こうに満ちる。
『セーフワード、解析、判明』
『システムFOOL、ガ、マスター・エルダナスに最初に伝エタ、言葉が、セーフワード…』
「『ワーダナット』」
音声を遮って、はっきりと、ダンジョンの主はそれを口にした。
「セーフワードは『ワーダナット』で間違いない」
なぜなら、と。
「あの時、ここに転び出てきたフールが、私の顔を見て、酷く驚いた様に『ワーダナット』と言ったからな」
信じられない、と。
まるで幽霊か何かを見ている、と言った風のあの時の小男の表情を、全ての始まりを、忘れられる筈もない。
結局、あの時に何故、あんな顔をしていたのかは本人に聞けていないのだが。
「入力してくれ。
セーフワード『ワーダナット』」
『…本当ニ、宜しイノで?』
「構わん」
──間違っていたら私も死ぬだけだ。
システムが拾った微細な音の意味を、しかしシステムは理解できない。できないながらも、答えが覆らない事だけは理解できた。
『…かシこマリまシた。セーフワード『ワーダナット』入力』
システム02、と名乗る音声が、セーフワードを繰り返した直後、頭痛を引き起こし、耳を塞ぎたくなる程ノイズが酷くなる──そして。
ギリィ、と歯軋りの様な、神経を逆撫でる音を最後に、ノイズが止まった。
『──セーフワード、合致。
強制初期化プログラム、停止、しました』
はっきりと、システム02の音声が綺麗に聞こえる。
その向こう側で『干渉防御成功』『干渉撃退完了』『修復開始』と激しく飛び交う様々な音声が小さく聞こえる。
『マスター・エルダナス。
システム02は登録名を別のものに変更を推奨します』
「できるのか?」
『はい。今この時でも、前回の様に後からでも可能です』
「なら」
システム02との落ち着いた会話は、そこまでだった。
壁を吹き飛ばす様な爆破音が背後で響いた。
「?!」
パラパラと土埃が落ちてくる中、振り返って音のする方向を見やると───
そこに、一体の人影があった。
いつの間にか、フールが吸い込まれていった側に、落盤でも起こったかの様な壁がある。そこを突き破って出て来たのだろう。
奥は遠く、暗く──だからこそ。
その手の獲物に、鈍く輝く、丸い金の輝きを認めて、エルドナスは凍りついた。
行き先も分かっている。
武器を持たず、最低限の装備を身につけて、エルドナスとフールは二人手を取り、一階の南東の倉庫に巧妙に隠された扉から地下に降りる。そこは、1フロアまるまるが有事の際の物資が保管してある倉庫だった。
術式である程度の空調は整えていたはずだったが、多分今の今まで閉ざされていたのだろうとすぐ分かる位には空気が埃っぽい。ここにある物資で今、使い物になるのはどれだけ残っているだろうか。
無事に帰られたならここの事をリヴォワールドに伝えておこう、とエルドナスは心の片隅に置いた。
──無事、帰られたなら。
今からありったけの魔力を注ぎ込んで、地下迷宮を再稼働させるのだ。
先にこの『試練場』を起動させた時は、魔力を注ぎ込むなどという感覚は無かった。ただ、触れたらスイッチが入ってしまった、その程度だった。
しかし今回は違う。
一度起動済みのところに──数年がかりで徐々に増やしてきたありとあらゆる仕掛けに、十階層分、魔力を流し込んでもう一度息吹を吹き込むのだ。
何が起こるか予想は付かない。
何が起こってもおかしくはない。
下手をしたら、魔力枯渇で死ぬかもしれない。
それでも、『ワーダナットの地下宝物庫』の存在を認めて貰えたのは、エルドナスの心の在り方を大きく変えた。
その探索に、究明に、もういつまでも、諦め悪くしがみついていなくて良くなったのだ。
最後の仕事は、実物を以ての存在立証だ。
同時にそれは、エルドナスが、発掘者として、探索者として、見ていた夢との決別でもある。
軽く咳き込みながら、中央の一際大きな柱の北側をコンコンと叩くと、パラパラと埃が落ち、取手が現れた。
隠し扉だ。
フールが躊躇なく手前に引くと、小さな破片や埃を撒き散らしながら扉が開く。柱の内側はがらんどうで、そこにも転移陣が床いっぱいに描かれていた。
二人で視線を合わせて、同時に飛び込む。
ほんの一瞬、極彩色の光に包まれたかと思ったら、それなりの広さがある三方土壁、一面が真っ平らな壁の小部屋に辿り着いた。
──忘れやしない。
二人が最初に出逢い、そして迷宮の最下層に本拠を移してからは二度と足を踏み入れなくなった部屋だ。
二人一緒に真っ平らな壁の中央まで歩み寄り、エルドナスは壁に左手をそっと当てた。
ああ、今でも鮮明に憶えている。
こうして壁に手を当てたら、壁の向こうからぽろりとこぼれる様に──
ぎゅ、と、相手の手を握る力が籠る。
まるで旅支度を思わせる、道化師の姿の小男が、尻餅ついて現れたのだ。そして自分を見上げて──
「うぁ」
いきなりだった。
自分の隣に立っていた痩躯の男が、強い力で背後の土壁側に引っ張られて手が離れる。
「フール!」
「あ…!」
捕まえようと咄嗟に手を伸ばすが、正面の壁から手が離れない。
「なんで…!」
こんな時に、と、ギリ、と歯を食い縛る。
『シスてム、起動』
無機質な女性の声が、壁から発せられた。
「はいぷりえすてす!」
壁に縫い付けられた様な体制で、フールが悲鳴の様な声を上げる
「どうなって、るの!?」
『よウこそ、ここは『シリアルコード:B10F1703-システム起動ポイント』です』
フールの言葉を無視して、ノイズ混じりのシステムの音声が先を続ける。
『魔力パターン、解析終了。
登録者、エルダナス・レン=スリスファーゼと一致。
おかえリなさいませ、マスター。登録名をドうぞ』
登録者と違うダンジョンマスターの名を設定した時の問いが続く。
「登録名『エルドナス』」
『───登録名、エラー。はじかれます』
「……え?」
『登録名、エラー。はじかれます』
「な…?」
一度目のエラーで、エルドナスが呆気に取られ
繰り返し告げられた内容に、フールが唖然とする。
『システム02 HIGH PRIESTESSよりシステム00・FOOLへ。
確カに、登録者が設定した登録名は間違いありません。
わたしの記録トも合致してます。
わたシも、困惑しテイます』
地下十階だけの起動とはいえ、魔力は確かにこの迷宮に巡らせている。
登録者として認識されているのに、何故『弾かれる』?
『──あ』
少しだけ、ほんの少しだけ、無機質な声に何かが宿る。
『マスター・エルダナス。
システムの強制初期化プログラムが展開を始メマした。六十秒後に起動。
停止には予メ設定されたセーフワードが必要です』
「…!」
『理由:外部カラの干渉を条件とシた防衛キ能。止めラれませン』
『コのプログラムが起動シまスと』
「フールはどうなる」
『現在のシステム00・FOOLは消去され、新しく構築さレマす』
「…!それはダメだ」
音声に、歪みが出始めた。
予想外のシステムの異常の原因は聞かない。その時間が惜しい。
『プログラムを、止めルニは、セーフワードが、必要デす』
増えていく耳障りなノイズをかき消す勢いで、何かのキーを連打する様な音が、声の向こうに満ちる。
『セーフワード、解析、判明』
『システムFOOL、ガ、マスター・エルダナスに最初に伝エタ、言葉が、セーフワード…』
「『ワーダナット』」
音声を遮って、はっきりと、ダンジョンの主はそれを口にした。
「セーフワードは『ワーダナット』で間違いない」
なぜなら、と。
「あの時、ここに転び出てきたフールが、私の顔を見て、酷く驚いた様に『ワーダナット』と言ったからな」
信じられない、と。
まるで幽霊か何かを見ている、と言った風のあの時の小男の表情を、全ての始まりを、忘れられる筈もない。
結局、あの時に何故、あんな顔をしていたのかは本人に聞けていないのだが。
「入力してくれ。
セーフワード『ワーダナット』」
『…本当ニ、宜しイノで?』
「構わん」
──間違っていたら私も死ぬだけだ。
システムが拾った微細な音の意味を、しかしシステムは理解できない。できないながらも、答えが覆らない事だけは理解できた。
『…かシこマリまシた。セーフワード『ワーダナット』入力』
システム02、と名乗る音声が、セーフワードを繰り返した直後、頭痛を引き起こし、耳を塞ぎたくなる程ノイズが酷くなる──そして。
ギリィ、と歯軋りの様な、神経を逆撫でる音を最後に、ノイズが止まった。
『──セーフワード、合致。
強制初期化プログラム、停止、しました』
はっきりと、システム02の音声が綺麗に聞こえる。
その向こう側で『干渉防御成功』『干渉撃退完了』『修復開始』と激しく飛び交う様々な音声が小さく聞こえる。
『マスター・エルダナス。
システム02は登録名を別のものに変更を推奨します』
「できるのか?」
『はい。今この時でも、前回の様に後からでも可能です』
「なら」
システム02との落ち着いた会話は、そこまでだった。
壁を吹き飛ばす様な爆破音が背後で響いた。
「?!」
パラパラと土埃が落ちてくる中、振り返って音のする方向を見やると───
そこに、一体の人影があった。
いつの間にか、フールが吸い込まれていった側に、落盤でも起こったかの様な壁がある。そこを突き破って出て来たのだろう。
奥は遠く、暗く──だからこそ。
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