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番外編
ヘリオドール・アガットの献身と受難─2─
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双子の荷物を自室に運んだ後、事務局で、急ぎトーリボルに一番近い『学府』の施設と連絡を取ってもらう。
学府の施設にはそれぞれに通信用の機材が揃っている。どういう原理かは伏せられている──多分どうせろくでもない原理なんだろう──が、それを使って本部と支部、支部同士間での音声のやりとりが出来るのは便利な時代だ。
「あ、すみません。『学府』本部から──」
自分の所属と名前を名乗り、トーリボルに『学府』の拠点が急遽ではあるが設置されていること、急遽である為通信機材がまだ設置されていない事、そこに眼鏡を一本、急ぎ配達して欲しいと依頼する。
「派遣されたひと、とにかく急ぎで鳥に変化して翔んでったんで、自前の眼鏡置いて行きまして…」
『わかりました、度数は?』
「度数は……」
伝えると、在庫があったのか、すぐに急いで持っていくとの返事が来た。
眼鏡は材料の加工が難しいのもあり高級品なのだが、故に、書類作成等で目を悪くする者が絶えない『学府』では、普通のものであれば度数が合えば貸し出しされる。
ヘリオドールも借りているが──
「アガット師」
連絡を終えると、昨日、自分にタグを持ってきてくれた事務員に声を掛けられた。
「眼鏡がらみでお話が。
申請が通りましたので、今お使いの眼鏡はそのまま持ち出して頂けます」
「有難い、助かります」
「他のご入用の荷は、まとめて出立当日の朝、お持ちします」
「ありがとうございます──あ」
よろしくお願いします、と続けようとして、ヘリオドールは思い出した。
「あの、ちょっと『人探し』なんですが…こう、黒髪を撫でつけた様な、小太りの、人間の、男なんですが…」
どうかなさいましたか?との返しに、内容をひそひそと耳打ちする。
少し考え込むと、事務員が数人の写真を出してくる。そのなかの一枚が
「…この人です」
「分かりました」
双子のエルフの妹・アレンティーナは端的に言っても美しい。儚げで、力づくでどうにかできてしまいそうな──
(外観はだけど。外観だけだけど)
なので、『学府』に来てから研究室を得るまで、気が休まる時はあまり無かっただろうというのは想像に難くない。
「ところで、お二人の研究室について、何か聞いていらっしゃいますか?」
「何も聞いてませんし、本人たちに片付けさせますので…まあ、こんな感じですし封印でお願いします」
研究室を畳まずに長期外出になる場合は、保存と封印に分かれる。保存はその言葉通り、人の立入を最低限にしてそのまま保存するのだが、封印は専用の道具を使って「その場だけ時を停める」のである。
空気の入れ替えや掃除が必要無くなるので、現状をそのままにしておくのに役に立つ。
ただ、研究室の主が生還した場合はペナルティは無いが、死亡した場合、封印が解ける事で時間が急速に進み、中のモノは何であろうと全て消滅する。
それが例え、たった一つしかない迷宮固有武器であったとしても、だ。
「了解しました。明日の朝、出立前に立ち会いをお願い致します」
「はい」
よろしくお願いします、と頭を下げて、ヘリオドールは自室に戻った。
────
夜中。
(───ほんとに貴方が動いて下さるとは思ってませんでした)
(動きますよ、あんなんのさばらせたくないんで)
事務員とヘリオドールが無言で手をひらひらさせていた。
エルフの指文字だ。
『学府』の事務員であれば、どんな種族であろうと最初に身に付ける事になる。
研究員の七割が森の民であり、様々な分野での研究に目がないエルフである以上、今回の様に音に出せないやりとりに必要なのだ。
ハーフフットは皆、生まれながらの絡繰士と言われるほど、密やかで精密な動きが出来る。
ヘリオドールからの情報で、残業申請してこっそり隠れていたら、件の男が動いたのだ。
(『これ』です)
手をひらひらさせながらヘリオドールが紐の付いた木札を渡す。
(ありがとうございます、掛けてきますね)
ひらひらし返しながら、事務員がそれを受け取りささっと行ってさっと研究室の入口に木札を掛けて戻ってきた。
誰にでも作れる、外から強制施錠する「だけ」の簡単な固有道具だ。しかし簡単なだけあって、どれだけでも効果を高める方に効果付与が出来るので、これを破るのは至難の業だ。
(もののついでで記録の宝珠もあのあとすぐに天井に設置済です。明日朝まで閉じ込めておいてみんなで吊し上げましょう)
(ありがとう、頼もしいね)
(まかてせください。では)
仕事は終わった、と事務員が帰っていった。
見送るも何も、まるで居なかったかの様にいなくなったので、ヘリオドールも自分の部屋で最後の時間を過ごす事にした。
─────
翌朝、早朝から色々あったものの、双子の部屋の封印も無事終わり──件の男は隠れていたものの、証拠は映像まで含めて揃っていたし、研究室に封印の儀式をするのが分かるや否や飛び出してきたのだ──、ヘリオドールの出立の時間が来た。
皆、忙しい。見送りはないはず、と思ったら、ハーフフットの事務員がひょっこりと顔を出した。
「昨夜はありがとう、助かりました」
「こちらこそ、あの人なかなか尻尾出さなかったので困ってたところでした」
どうやったんですか?と訊かれたものの、笑って誤魔化す。
「──そうだ」
これ、どうぞ。
ヘリオドールは玻璃製のスキットルを二本、事務員に手渡した。
「こちらは?」
「以前探索で見つけました、固有道具です。
最初に入れた飲用可能なモノを、少し、うん、一割くらい残しておいたら、同じモノを再生して満たしてくれるというモノでして。
最初に九割くらい詰めないといけませんが、だいたい残り半分くらいの量なら一晩で戻りますよ」
探索で見つけた様々なモノについては、余程のモノでない限り、こういった小物に関しては『学府』への提出は任意である。冒険や探索に必要な小道具や武防具であれば、手元に残しておくのも自由だ。
同じようなモノを10本ほど見つけているので、今回の旅路にヘリオドールも飲用水を2本と、薬学棟で開発完了まで秒読みらしい特効薬を──被検体になる事を条件に──1本、詰めている。
「ハーフフットの蒸留酒入れに、いかがでしょう?」
ひそひそと付け加えると、目を輝かせて握手された。そのままぶんぶん振られた腕が地味に痛い。
「ありがとうございます、良い旅路を!」
「こちらこそ、いつもありがとうございました。またお会いできる日まで」
こうして、ヘリオドール・アガットの長い旅路が始まった。
────
「って、大変だったんだからな!」
トーリボルの城塞都市内に入り、まずは冒険者ギルドに向かうと、そこに元同僚・フェンティセーザの姿があった。
支部の場所も、フェンティセーザの所在も確認しないといけなかったが無駄足を踏まずに済んだのは幸運と言えよう。
そんな二人が、振るわれた拳を両手で止めて何とか持ち堪えている。
「…一発くらい殴られてくれてもいいんじゃないかな?」
「気持ちは分かるが痛いのは御免被るな」
側で見ていたギルドマスター・フォスタンドには、魔術師二人のやりとりが、まるで猫の仔のじゃれあいの様に見えてならなかった。それはそうだろう、少なくとも素手で殴り合うような職業ではない。
「今から手続き済ませるから荷物見ててよ。あと拠点までの案内よろしく」
「分かった」
短く会話を済ませると、フェンティセーザは外に、ヘリオドールは慣れた様に滞在者登録の窓口に向かう。
「登録はそっちでいいのか?」
「平気で難易度高い方に突っ込まないでくれないかな!?」
背後からの揶揄いの声に、キィっとヘリオドールが返す。
──そう。
今回の『ワーダナットの地下宝物庫』の件は『学府』はかなり敏感になっているらしく、王都に嗅ぎつかれないように、今回の目的地は「アーマラット支部の人員補充」という形で設定されているのだ。
王都有する領地への関所を通ってからというものの、ずっとそれとなく後を付けられているだけでなく、一日半から二日に一度、巡回の兵から呼び止められている。
ここはあくまでも経由地で、拠点登録をする訳にはいかないのだ。
冒険者ギルドも、午前と午後で手続きを分けているのだろうか、すんなりと終わった。外に出ると、フェンティセーザが馬を引く準備を整えていた。
「案内しよう」
こちらだ、と馬を一頭引き始めた同僚の後を、ヘリオドールは素直について行った。
大通りを対面に渡ってしばらく真っ直ぐ行くと、突き当たりが『学府』の支部だった。二階建てで、そこそこに大きな建物だ。馬を繋いでいる間に、フェンティセーザが台車を持ってきたので、それに積んできた荷物をほとんど載せる。
「ほら、これ位は自分で運びなよ」
布に巻かれた長物を、丁寧な取り扱いでフェンティセーザに渡すと
「……ああ」
受け取ったフェンティセーザの顔が、ほころんだ。
「──君に頼んでよかった」
「礼はいいから、さっさと運ぶ場所まで案内してよ」
ふい、と横を向いて台車を押し始めるヘリオドールに、「ああ」とフェンティセーザが先導する。
漸くヘリオドール・アガットの旅路に、一区切りが付いた。
────
学府の施設にはそれぞれに通信用の機材が揃っている。どういう原理かは伏せられている──多分どうせろくでもない原理なんだろう──が、それを使って本部と支部、支部同士間での音声のやりとりが出来るのは便利な時代だ。
「あ、すみません。『学府』本部から──」
自分の所属と名前を名乗り、トーリボルに『学府』の拠点が急遽ではあるが設置されていること、急遽である為通信機材がまだ設置されていない事、そこに眼鏡を一本、急ぎ配達して欲しいと依頼する。
「派遣されたひと、とにかく急ぎで鳥に変化して翔んでったんで、自前の眼鏡置いて行きまして…」
『わかりました、度数は?』
「度数は……」
伝えると、在庫があったのか、すぐに急いで持っていくとの返事が来た。
眼鏡は材料の加工が難しいのもあり高級品なのだが、故に、書類作成等で目を悪くする者が絶えない『学府』では、普通のものであれば度数が合えば貸し出しされる。
ヘリオドールも借りているが──
「アガット師」
連絡を終えると、昨日、自分にタグを持ってきてくれた事務員に声を掛けられた。
「眼鏡がらみでお話が。
申請が通りましたので、今お使いの眼鏡はそのまま持ち出して頂けます」
「有難い、助かります」
「他のご入用の荷は、まとめて出立当日の朝、お持ちします」
「ありがとうございます──あ」
よろしくお願いします、と続けようとして、ヘリオドールは思い出した。
「あの、ちょっと『人探し』なんですが…こう、黒髪を撫でつけた様な、小太りの、人間の、男なんですが…」
どうかなさいましたか?との返しに、内容をひそひそと耳打ちする。
少し考え込むと、事務員が数人の写真を出してくる。そのなかの一枚が
「…この人です」
「分かりました」
双子のエルフの妹・アレンティーナは端的に言っても美しい。儚げで、力づくでどうにかできてしまいそうな──
(外観はだけど。外観だけだけど)
なので、『学府』に来てから研究室を得るまで、気が休まる時はあまり無かっただろうというのは想像に難くない。
「ところで、お二人の研究室について、何か聞いていらっしゃいますか?」
「何も聞いてませんし、本人たちに片付けさせますので…まあ、こんな感じですし封印でお願いします」
研究室を畳まずに長期外出になる場合は、保存と封印に分かれる。保存はその言葉通り、人の立入を最低限にしてそのまま保存するのだが、封印は専用の道具を使って「その場だけ時を停める」のである。
空気の入れ替えや掃除が必要無くなるので、現状をそのままにしておくのに役に立つ。
ただ、研究室の主が生還した場合はペナルティは無いが、死亡した場合、封印が解ける事で時間が急速に進み、中のモノは何であろうと全て消滅する。
それが例え、たった一つしかない迷宮固有武器であったとしても、だ。
「了解しました。明日の朝、出立前に立ち会いをお願い致します」
「はい」
よろしくお願いします、と頭を下げて、ヘリオドールは自室に戻った。
────
夜中。
(───ほんとに貴方が動いて下さるとは思ってませんでした)
(動きますよ、あんなんのさばらせたくないんで)
事務員とヘリオドールが無言で手をひらひらさせていた。
エルフの指文字だ。
『学府』の事務員であれば、どんな種族であろうと最初に身に付ける事になる。
研究員の七割が森の民であり、様々な分野での研究に目がないエルフである以上、今回の様に音に出せないやりとりに必要なのだ。
ハーフフットは皆、生まれながらの絡繰士と言われるほど、密やかで精密な動きが出来る。
ヘリオドールからの情報で、残業申請してこっそり隠れていたら、件の男が動いたのだ。
(『これ』です)
手をひらひらさせながらヘリオドールが紐の付いた木札を渡す。
(ありがとうございます、掛けてきますね)
ひらひらし返しながら、事務員がそれを受け取りささっと行ってさっと研究室の入口に木札を掛けて戻ってきた。
誰にでも作れる、外から強制施錠する「だけ」の簡単な固有道具だ。しかし簡単なだけあって、どれだけでも効果を高める方に効果付与が出来るので、これを破るのは至難の業だ。
(もののついでで記録の宝珠もあのあとすぐに天井に設置済です。明日朝まで閉じ込めておいてみんなで吊し上げましょう)
(ありがとう、頼もしいね)
(まかてせください。では)
仕事は終わった、と事務員が帰っていった。
見送るも何も、まるで居なかったかの様にいなくなったので、ヘリオドールも自分の部屋で最後の時間を過ごす事にした。
─────
翌朝、早朝から色々あったものの、双子の部屋の封印も無事終わり──件の男は隠れていたものの、証拠は映像まで含めて揃っていたし、研究室に封印の儀式をするのが分かるや否や飛び出してきたのだ──、ヘリオドールの出立の時間が来た。
皆、忙しい。見送りはないはず、と思ったら、ハーフフットの事務員がひょっこりと顔を出した。
「昨夜はありがとう、助かりました」
「こちらこそ、あの人なかなか尻尾出さなかったので困ってたところでした」
どうやったんですか?と訊かれたものの、笑って誤魔化す。
「──そうだ」
これ、どうぞ。
ヘリオドールは玻璃製のスキットルを二本、事務員に手渡した。
「こちらは?」
「以前探索で見つけました、固有道具です。
最初に入れた飲用可能なモノを、少し、うん、一割くらい残しておいたら、同じモノを再生して満たしてくれるというモノでして。
最初に九割くらい詰めないといけませんが、だいたい残り半分くらいの量なら一晩で戻りますよ」
探索で見つけた様々なモノについては、余程のモノでない限り、こういった小物に関しては『学府』への提出は任意である。冒険や探索に必要な小道具や武防具であれば、手元に残しておくのも自由だ。
同じようなモノを10本ほど見つけているので、今回の旅路にヘリオドールも飲用水を2本と、薬学棟で開発完了まで秒読みらしい特効薬を──被検体になる事を条件に──1本、詰めている。
「ハーフフットの蒸留酒入れに、いかがでしょう?」
ひそひそと付け加えると、目を輝かせて握手された。そのままぶんぶん振られた腕が地味に痛い。
「ありがとうございます、良い旅路を!」
「こちらこそ、いつもありがとうございました。またお会いできる日まで」
こうして、ヘリオドール・アガットの長い旅路が始まった。
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「って、大変だったんだからな!」
トーリボルの城塞都市内に入り、まずは冒険者ギルドに向かうと、そこに元同僚・フェンティセーザの姿があった。
支部の場所も、フェンティセーザの所在も確認しないといけなかったが無駄足を踏まずに済んだのは幸運と言えよう。
そんな二人が、振るわれた拳を両手で止めて何とか持ち堪えている。
「…一発くらい殴られてくれてもいいんじゃないかな?」
「気持ちは分かるが痛いのは御免被るな」
側で見ていたギルドマスター・フォスタンドには、魔術師二人のやりとりが、まるで猫の仔のじゃれあいの様に見えてならなかった。それはそうだろう、少なくとも素手で殴り合うような職業ではない。
「今から手続き済ませるから荷物見ててよ。あと拠点までの案内よろしく」
「分かった」
短く会話を済ませると、フェンティセーザは外に、ヘリオドールは慣れた様に滞在者登録の窓口に向かう。
「登録はそっちでいいのか?」
「平気で難易度高い方に突っ込まないでくれないかな!?」
背後からの揶揄いの声に、キィっとヘリオドールが返す。
──そう。
今回の『ワーダナットの地下宝物庫』の件は『学府』はかなり敏感になっているらしく、王都に嗅ぎつかれないように、今回の目的地は「アーマラット支部の人員補充」という形で設定されているのだ。
王都有する領地への関所を通ってからというものの、ずっとそれとなく後を付けられているだけでなく、一日半から二日に一度、巡回の兵から呼び止められている。
ここはあくまでも経由地で、拠点登録をする訳にはいかないのだ。
冒険者ギルドも、午前と午後で手続きを分けているのだろうか、すんなりと終わった。外に出ると、フェンティセーザが馬を引く準備を整えていた。
「案内しよう」
こちらだ、と馬を一頭引き始めた同僚の後を、ヘリオドールは素直について行った。
大通りを対面に渡ってしばらく真っ直ぐ行くと、突き当たりが『学府』の支部だった。二階建てで、そこそこに大きな建物だ。馬を繋いでいる間に、フェンティセーザが台車を持ってきたので、それに積んできた荷物をほとんど載せる。
「ほら、これ位は自分で運びなよ」
布に巻かれた長物を、丁寧な取り扱いでフェンティセーザに渡すと
「……ああ」
受け取ったフェンティセーザの顔が、ほころんだ。
「──君に頼んでよかった」
「礼はいいから、さっさと運ぶ場所まで案内してよ」
ふい、と横を向いて台車を押し始めるヘリオドールに、「ああ」とフェンティセーザが先導する。
漸くヘリオドール・アガットの旅路に、一区切りが付いた。
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