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九話
しおりを挟む翌朝フィオナが目を覚ましたのはローデヴェイクの寝室のベッド上だった。
「んっ~……」
「あぁ、目が覚めたかい」
「ローデヴェイク、さま……?」
寝惚け眼のまま声に反応し顔を上げると、彼と目が合った。暫く呆然として眺めていると、肌寒さに身体を震わせる。不思議に思い自分の置かれている状況を確認をした。
フィオナは彼の腕に抱かれており、しかも互いに一糸纏わぬ姿だ。
成る程、通りで寒い筈だと納得をした。
(……じゃない‼︎ 何何何⁉︎ これは一体どういう事ですか⁉︎)
「あ、あああの‼︎」
余りの衝撃に上手く喋れずに吃ってしまう。因みに幾らフィオナが田舎貴族でも普段吃る事はない。
「おはよう、フィオナ」
「お、おはよう、ございます……」
「気持ち良さ気に寝ていたね。涎なんて垂らして、本当に可愛いね」
「へ⁉︎」
ローデヴェイクの言葉にフィオナは慌てて口元を押さえようとするが、その前に素早く彼に唇を塞がれてしまった。
「んっ……⁉︎」
「フィオナ、本当に可愛いね……また、我慢出来なくなちゃうよ」
抱き寄せられ隙間なく身体が密着する。素肌が直接触れ合い彼の体温や鼓動が伝わってきた。そして、脚に熱くて硬いモノが触れている……。瞬間、昨夜の記憶が一気に蘇り羞恥心と共に身体が疼くのを感じた。
「ねぇ、分かるかい? フィオナの所為で勃っちゃったんだよ。挿入てもいい?」
「っーー」
耳元を甘噛みされながら囁かれ身体を震わす。
「ぁ……あ、朝から、そんな、ダメッです‼︎」
「朝じゃなければ良いの?」
「そういう事では……」
「でも、君のここは既に物欲しそうだよ」
「ぇ、あッーー」
ぐちゅぐちゅと水音が耳に届き、それが自分の秘部から溢れ出たものだと理解したフィオナは恥ずかしさにローデヴェイクの胸元に顔を押し付け目を伏せた。
「フィオナ、君の膣に挿入りたい」
「ぁ……」
フィオナの脚に挟むようにして秘部に怒張した自身を擦り付けてくる。
薄っすらと目を開け彼を盗み見れば、眉根を寄せ切な気な表情を浮かべ吐息を洩らしていた。
「ああッ、はぁっ……フィオナっ、フィオナ……」
(ローデヴェイク様……)
きっとどんなお菓子よりも甘いーー私を呼ぶ彼の声。
お腹の奥がきゅっとなる。彼の言う通りだ。身体が物欲しそうに彼を求めている。もしかしたらまだ媚薬が残っているかも知れない。頭がぼうっとして、心臓が煩いくらいに脈を打っている。
「ローデヴェイク様、焦らしちゃ嫌です……」
はしたないと思いながらも無意識に腰が動いてしまう。嘆願する様に彼を見上げると、彼が生唾を呑んだのが分かった。
「フィオナっ」
「ローデヴェイクさま……」
焼き立てのパンに上質なお茶の薫り。フワフワのパンにたっぷりとイチゴジャムを乗せて口へと運ぶと幸せの味がした。
フィオナは黙々と食べ進める。
それにしても身体中が痛い。チラリと横目で彼を盗み見るが、別段変わった様子はなく至って普通だ。
結局あの後朝から二回も! してしまった……。
ローデヴェイクもそうだが、まさか自分がこんなに性欲があるなんて驚いた。我ながら恥ずかしい。
『媚薬を盛るなんて酷いですっ』
冷静さを取り戻したフィオナは、ローデヴェイクに抗議をしたがーー。
『媚薬というのは嘘だよ。あの蜂蜜には少しだけ酒が入ってはいたけどね』
悪びれもせずにそう言われた。
『嘘……⁉︎』
(騙された~‼︎)
フィオナは普段酒は嗜まないが、そんなに弱いとは思わなかった。しかも身体が熱くなったのは酒の影響かも知れないが、結局はあんなに醜態を晒したのは媚薬などではなくただ単にフィオナが淫乱だったという事になる。朝からも盛ってしまったし、言い逃れは出来ない。
「フィオナ」
「……」
「フィオナ?」
「……」
(これでも怒っているんですからね! 暫くローデヴェイク様とはお話ししませんから!)
無視を決め込んだフィオナは、何時も増して次から次へと平らげていく。
「フィオナ、もしかして怒ってるのかい?」
「……」
眉を上げた後、直ぐに眉根を寄せた。
何とも言い難い哀愁が漂い、まるで捨てられた仔犬に見えてくる。
まただ。物凄く覚えがある。所謂彼にとっての必殺技だ。こんな顔をされたら是が非でも赦してしまいたくなるーーだが! 今回はそう簡単に折れない。何故ならこの方、絶対に分かっててやっている! きっとフィオナの事をチョロいとか思っているに違いない! だがそうはいかない。
(私だって学習くらいするんですよ? もう騙されません!)
内心得意げに鼻を鳴らした。
「フィオナ、私の分のデザートも食べて良いよ」
「本当ですか⁉︎」
フィオナはデザートのリンゴのコンポートをローデヴェイクから受け取り嬉々として頬張った。
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