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9話
しおりを挟むエリカの言葉を理解していなさそうなサミエルに、エリカは説明する。
「私が何か口を開けば罵倒し、一方的に仕事を押し付けてきたのを貴方は忘れたと言うんですか?」
「……」
「でも婚約者だからとずっと我慢して貴方の言うことを聞いていたのに、貴方はそんな私を躊躇無く切り捨てましたよね? 違いますか?」
違わない。
サミエルは言い返せなかった。
「し、しかしお前のしたことは人として……」
「人としての道? 私の人格を何度も否定して、馬車馬のように働かせて、最後は捨てようとした貴方が、私に道理を説くんですか?」
「っ……!」
エリカの言っていることは正論だった。
「それに私に婚約破棄を叩きつけた後も都合よく仕事だけはさせようとしてきて…………これって私のことを道具としか見てないってことですよね?」
「……酷いな」
「……まさかこれ程とは」
「……信じられない」
淡々と告げられるエリカに対するサミエルの仕打ちに、レオを含む生徒会の面々は言葉を発することが出来ないようだった。
エリカがレオ達にサミエルの行いを報告した時も、ここまで詳しくサミエルの行いは語られることは無かったため、レオ達はこれ程までサミエルが非道な行いをしていたとはおもっていなかったのだ。
「人を道具としか捉えず、今もなお言い逃れようとする貴方に、人道なんて言われたくありません!」
エリカはサミエルに言い切った。
「…………」
サミエルは苦々しい表情でエリカを睨みつける。
それは小さなプライドを守るための、苦し紛れの反抗だった。
「もう良いだろう」
レオが割って入る。
そしてサミエルに冷たい目を向けた。
「サミエル、まさかこれ程まで君が非道な人間だとは思わなかったよ」
「っ!? 待ってください!」
サミエルはレオの次にどんな言葉を言うのか理解した。
慌ててレオに静止をかけようとするが、遅かった。
「──サミエル、君を生徒会から追放する」
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