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8話
しおりを挟む「は?」
サミエルは眉を顰める。
エリカは確かに自分と仕事の件については秘密にすると約束したのだから。
「え? だから私別に貴方とそんな約束はしてないんですが……」
「だ、だって仕事を手伝わないから、俺のこともバラさないって……」
「だからそんなの言ってませんって。勝手に私が言ったことにしないでくださいよ」
サミエルは自分の中の記憶を探る。
確かに、エリカは「これ以上は王子に言う」と言っていただけで、別に秘密にするとは一度も言っていなかったような気がするが……。
しかし、サミエルはもう止まれない。
エリカが約束を破ったことにするしかない。
「う、嘘だ! お前は約束した! 秘密にするって言ったんだ!」
明らかな嘘の主張をして、サミエルはエリカを指差し糾弾する。
エリカはため息をつき、サミエルに説明を始めた。
「そもそも、その秘密にすると約束したが本当だったとして、私がその約束を守ることに何のメリットがあるんですか?」
エリカの言う通りだった。
秘密にしていたところで、別になんのメリットもエリカには無い。
約束を守る必要が無いのだ。
「それにこの状況で誰が貴方の言葉を信じるんですか」
サミエルの言葉が真実だったとしても、サミエルが仕事をサボり、情報漏洩していた事実は変わらない。
「ぐ……!」
サミエルは何も言い返せない。
悔し紛れにエリカを睨むが、エリカがそれで怯むはずもなく、サミエルはさらに惨めな気持ちになるだけだった。
「でも、こんな方法で人を蹴落とすなんて、お前は最低だ!」
サミエルは苦し紛れにエリカを責める。
しかしそれは完全な的外れな言葉だった。
レオを含め、生徒会の面々から失笑が起こる。
「なっ! 何ですか! 俺の言うとおりでしょう! 確かに俺は酷いことをしたかもしれませんが、こんな方法で密告して、人を蹴落とそうとするなんて人の道を外れた行為だ!」
「貴方は、今まで私にしたことを忘れたんですか?」
「何?」
エリカかサミエルに質問した。
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