31 / 57
31話 一方マリヤック家では
「何故だ! 何故なのだ!」
マリヤック家の当主である私、ドニールは不機嫌だった。
何故かというと、最近仕事に忙殺されているからだ。
愚かな娘であるリナリアをネイジュ公爵家へと婚約者として出してから、私の仕事が異常なまでに増えているのだ。
今まではリナリアに大抵のことを任せていたので、使用人の中で代わりに仕事を行える者がいないのも理由の一つだ。
あまりに急にリナリアがいなくなってしまったせいで仕事を引き継がせる暇もなかった。
「ぐう……ネイジュ公爵め。あいつは元々気に食わないのだ!」
私はこの状況の元凶であるネイジュ公爵を恨んだ。
しかしどんなに愚痴を垂れたとしても目の前の机に山積みになった書類は消えない。
この量を一人でこなしていたということは、鈍重で頭も悪い娘だと思っていたがやはりそれなりには役に立っていたということだろう。
「これほど大変ならリナリアを連れ戻して…………いや、あいつの顔はもう見たくない」
ネイジュ家からリナリアを連れ戻そうか、という考えが一瞬よぎったが私はすぐにそれを否定した。
リナリアの顔を見ていると私とカトリーヌを引き離す原因となった憎き前妻を思い出す。
それにリナリアがこの屋敷にいるとカトリーヌやローラの機嫌が悪くなる。
「ええい! 誰か私の仕事を手伝わんか!」
怒りに身を任せて私はドン!と机を叩きつける。
その音を聞いて使用人が慌てて部屋の中に入ってきた。
「いかがなさいましたか!」
「どうもこうも、貴様らに任せていた人材を見つけろという仕事はどうなっているのだ! このままでは私が仕事に忙殺されてしまうではないか!」
使用人たちにはこの私の仕事の量を解消できるように、貴族の書類仕事ができる人材を探してこい、と命令を与えていた。
しかし一週間経っても一向に現れる気配がない。
私はもう我慢の限界だった。
「申し訳ありません! ですが使用人が大量にやめていった結果人手が足りないどころか、資金的に人を新たに雇うことは難しく……」
「ぐ……」
人手不足。資金不足。
それが今このマリヤック家の問題だった。
ネイジュ公爵家への借金が無くなったのはいいものの、それを記念してパーティーを開いたりカトリーヌやローラに色々買い与えた結果、予想外の出費を出してしまい資金が無くなってしまったのだ。
その結果使用人を雇えなくなってしまい、約半分ほど使用人を解雇することとなった。
そのためこの屋敷は人手が足りておらず、今も使用人たちがなんとか屋敷を回すために走り回っている状況だった。
「それを何とかするのもお前たちに任せた仕事だろう!」
だがしかしそんなことは私には関係ない!
むしろこちらは賃金を与えてやっている側なので、使用人が必死に働くのは当然なのだ。
つまり私がやれと言ったことは絶対にしなければいけない。
しかし使用人は言い訳をしようとした。
「で、ですがそれは私たちには……」
「黙れ! 口答えするな! 早く取り掛かれ!」
「……承知いたしました」
主人に反抗したので私が叱りつけてやると使用人は従順になって部屋から出ていった。
「ふん、最初からそう言っておけばいいのだ」
私は息を吐いて椅子に座り直す。
使用人を怒鳴りつけてやったことで少し気分がスッキリしていたのだが、目に書類が入ってきたのでまた私の気分は悪くなった。
「ああ、面倒臭い! 一旦休憩だ!」
私は机の引き出しを開けて葉巻を取り出すと火をつけて一服する。
「どうする、このままでは資金は完全に底をついてしまう。だが収入源の作り方など私は知らないし……」
貴族は特産品を作ったり、領地から税を取ったりして収入源を作っていく。
その収入源を子孫へと受け継ぐのだが、私は今まで受け継いだ収入源で暮らしていたので新たに金を稼ぐ方法など知らないのだ。
それにいくつかの収入源は借金返済のために売り払ってしまったので、今手元に残っているのはほとんど領地からの税収のみだ。
「すでに領地の税率は法律の定める限界まで上げてしまったし……」
私はとある手紙を取り出してため息をついた。
それは借金をしている貴族からの催促の手紙だった。
「そうすると今度はカルシール男爵への返済も滞ってしまう……」
現在いくつかある借金の中でも一番うるさく返済を求めているのがこのカルシール男爵だ。
年齢は六十ほどの老人で、若い娘を好んで手籠にしようとする変態貴族だ。
本来なら爵位が下の相手に金を借りるなど屈辱の極みなのだが、カルシール男爵は金を豊富に持っており、それでいて私に低い利子で貸し付けてくれると言ったので金に困っていた私は喜んで頷いてしまったのだ。
「このまま返すことができなければ……」
私は手紙に書かれている内容を確認するが、やはり書かれていることは変わらない。
その時、部屋の扉がノックされた。
「誰だ」
「私です。ローラです」
「おお、ローラか。入ってくれ」
私は愛しの娘であるローラがやってきたことに喜びながら返事をする。慌てて今見ていた手紙を引き出しの中に隠した。
扉を開けてローラが入ってきた。
母親譲りの赤い髪と、宝石や金で飾りつけたドレスはいつ見ても美しい。
「ローラ、どうしたのだ」
「お父様、私、欲しいペンダントがあるんです」
「分かったすぐに買おう」
私はローラのおねだりに対して即答して頷いた。
可愛い娘に我慢などさせることができるわけがない。
「ありがとう! お父様!」
「ははは、いいんだローラ。お前にはずっと我慢させてきたのだからな。もうお前に我慢はさせられない」
「そうよ! 私はリナリアのせいで狭い家で暮らすはめになったの! ちょっとくらい贅沢しても構わないわよね!」
ローラが私に抱きついてきた。
私はその頭を優しく撫でる。
前妻が生きていた頃、私はローラの頭をこうして撫でたかったのに、前妻とその実家のせいでずっと出来なかった。
妻や娘を愛しているように演技をして、理想の父親を演じていた期間は私の人生において五本の指に入るほど苦痛な期間だった。
だというのにリナリアも前妻も幸せそうな笑顔を浮かべている姿を見て反吐が出るかと思った。
偽りの笑顔を浮かべてリナリアの頭を撫でていた時には蕁麻疹が出るかと思ったくらいだ。
だからこそ、こうしてローラに愛情を注ぐことが出来る今は幸せだった。
「そういえばお父様、最近屋敷の中の使用人が少ない気がするんだけど、何かあったの?」
「い、いや。何もないよ。お前には何も関係のないことだ」
屋敷の中に使用人が少ないと言われた私はギクリとした。
ローズにはマリヤック家の財政状況を伝えるわけにはいかない。
そうすればきっと心優しいローズは買って欲しいものを諦めてしまうだろう。
それだけはできない。もうカトリーヌとローズに我慢はさせないと誓ったからだ。
(よし、税率をあげよう)
その時、私はそう決心した。
もう法律の限界まで上げているが、こっそり少しだけ上げれば気づかれることもないだろう。
領民には今よりも負担がかかるだろうが、ローラを我慢させることに比べればまだマシだ。
むしろこの愛しのローラに金を使われて本望だろう。
(それにこの手紙もあるしな……)
私は机の中にある手紙を思い出す。
そんなふうに考え事をしていると難しい顔になっていたらしく、ローラが心配そうな顔で聞いてきた。
「お父様、何か難しい顔をしてらっしゃいましたが、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……問題ない」
ローラに心配されたので私は慌てて誤魔化した。
私はそうするしかなかった。
「そう?」
「それより、今使用人に美味しいお菓子を用意させるからお茶でも飲んできたらどうだ?」
「ありがとうお父様!」
ローラは笑顔になって部屋から出ていく。
ローラが部屋から出ていった後、私はため息を吐いて手紙をまた引き出しから取り出した。
『借金が返せないならばあなたの家の娘を貰い受ける』
私が借金を抱えるカルシール男爵のその催促の手紙の文面にはそう書かれていた。
マリヤック家の当主である私、ドニールは不機嫌だった。
何故かというと、最近仕事に忙殺されているからだ。
愚かな娘であるリナリアをネイジュ公爵家へと婚約者として出してから、私の仕事が異常なまでに増えているのだ。
今まではリナリアに大抵のことを任せていたので、使用人の中で代わりに仕事を行える者がいないのも理由の一つだ。
あまりに急にリナリアがいなくなってしまったせいで仕事を引き継がせる暇もなかった。
「ぐう……ネイジュ公爵め。あいつは元々気に食わないのだ!」
私はこの状況の元凶であるネイジュ公爵を恨んだ。
しかしどんなに愚痴を垂れたとしても目の前の机に山積みになった書類は消えない。
この量を一人でこなしていたということは、鈍重で頭も悪い娘だと思っていたがやはりそれなりには役に立っていたということだろう。
「これほど大変ならリナリアを連れ戻して…………いや、あいつの顔はもう見たくない」
ネイジュ家からリナリアを連れ戻そうか、という考えが一瞬よぎったが私はすぐにそれを否定した。
リナリアの顔を見ていると私とカトリーヌを引き離す原因となった憎き前妻を思い出す。
それにリナリアがこの屋敷にいるとカトリーヌやローラの機嫌が悪くなる。
「ええい! 誰か私の仕事を手伝わんか!」
怒りに身を任せて私はドン!と机を叩きつける。
その音を聞いて使用人が慌てて部屋の中に入ってきた。
「いかがなさいましたか!」
「どうもこうも、貴様らに任せていた人材を見つけろという仕事はどうなっているのだ! このままでは私が仕事に忙殺されてしまうではないか!」
使用人たちにはこの私の仕事の量を解消できるように、貴族の書類仕事ができる人材を探してこい、と命令を与えていた。
しかし一週間経っても一向に現れる気配がない。
私はもう我慢の限界だった。
「申し訳ありません! ですが使用人が大量にやめていった結果人手が足りないどころか、資金的に人を新たに雇うことは難しく……」
「ぐ……」
人手不足。資金不足。
それが今このマリヤック家の問題だった。
ネイジュ公爵家への借金が無くなったのはいいものの、それを記念してパーティーを開いたりカトリーヌやローラに色々買い与えた結果、予想外の出費を出してしまい資金が無くなってしまったのだ。
その結果使用人を雇えなくなってしまい、約半分ほど使用人を解雇することとなった。
そのためこの屋敷は人手が足りておらず、今も使用人たちがなんとか屋敷を回すために走り回っている状況だった。
「それを何とかするのもお前たちに任せた仕事だろう!」
だがしかしそんなことは私には関係ない!
むしろこちらは賃金を与えてやっている側なので、使用人が必死に働くのは当然なのだ。
つまり私がやれと言ったことは絶対にしなければいけない。
しかし使用人は言い訳をしようとした。
「で、ですがそれは私たちには……」
「黙れ! 口答えするな! 早く取り掛かれ!」
「……承知いたしました」
主人に反抗したので私が叱りつけてやると使用人は従順になって部屋から出ていった。
「ふん、最初からそう言っておけばいいのだ」
私は息を吐いて椅子に座り直す。
使用人を怒鳴りつけてやったことで少し気分がスッキリしていたのだが、目に書類が入ってきたのでまた私の気分は悪くなった。
「ああ、面倒臭い! 一旦休憩だ!」
私は机の引き出しを開けて葉巻を取り出すと火をつけて一服する。
「どうする、このままでは資金は完全に底をついてしまう。だが収入源の作り方など私は知らないし……」
貴族は特産品を作ったり、領地から税を取ったりして収入源を作っていく。
その収入源を子孫へと受け継ぐのだが、私は今まで受け継いだ収入源で暮らしていたので新たに金を稼ぐ方法など知らないのだ。
それにいくつかの収入源は借金返済のために売り払ってしまったので、今手元に残っているのはほとんど領地からの税収のみだ。
「すでに領地の税率は法律の定める限界まで上げてしまったし……」
私はとある手紙を取り出してため息をついた。
それは借金をしている貴族からの催促の手紙だった。
「そうすると今度はカルシール男爵への返済も滞ってしまう……」
現在いくつかある借金の中でも一番うるさく返済を求めているのがこのカルシール男爵だ。
年齢は六十ほどの老人で、若い娘を好んで手籠にしようとする変態貴族だ。
本来なら爵位が下の相手に金を借りるなど屈辱の極みなのだが、カルシール男爵は金を豊富に持っており、それでいて私に低い利子で貸し付けてくれると言ったので金に困っていた私は喜んで頷いてしまったのだ。
「このまま返すことができなければ……」
私は手紙に書かれている内容を確認するが、やはり書かれていることは変わらない。
その時、部屋の扉がノックされた。
「誰だ」
「私です。ローラです」
「おお、ローラか。入ってくれ」
私は愛しの娘であるローラがやってきたことに喜びながら返事をする。慌てて今見ていた手紙を引き出しの中に隠した。
扉を開けてローラが入ってきた。
母親譲りの赤い髪と、宝石や金で飾りつけたドレスはいつ見ても美しい。
「ローラ、どうしたのだ」
「お父様、私、欲しいペンダントがあるんです」
「分かったすぐに買おう」
私はローラのおねだりに対して即答して頷いた。
可愛い娘に我慢などさせることができるわけがない。
「ありがとう! お父様!」
「ははは、いいんだローラ。お前にはずっと我慢させてきたのだからな。もうお前に我慢はさせられない」
「そうよ! 私はリナリアのせいで狭い家で暮らすはめになったの! ちょっとくらい贅沢しても構わないわよね!」
ローラが私に抱きついてきた。
私はその頭を優しく撫でる。
前妻が生きていた頃、私はローラの頭をこうして撫でたかったのに、前妻とその実家のせいでずっと出来なかった。
妻や娘を愛しているように演技をして、理想の父親を演じていた期間は私の人生において五本の指に入るほど苦痛な期間だった。
だというのにリナリアも前妻も幸せそうな笑顔を浮かべている姿を見て反吐が出るかと思った。
偽りの笑顔を浮かべてリナリアの頭を撫でていた時には蕁麻疹が出るかと思ったくらいだ。
だからこそ、こうしてローラに愛情を注ぐことが出来る今は幸せだった。
「そういえばお父様、最近屋敷の中の使用人が少ない気がするんだけど、何かあったの?」
「い、いや。何もないよ。お前には何も関係のないことだ」
屋敷の中に使用人が少ないと言われた私はギクリとした。
ローズにはマリヤック家の財政状況を伝えるわけにはいかない。
そうすればきっと心優しいローズは買って欲しいものを諦めてしまうだろう。
それだけはできない。もうカトリーヌとローズに我慢はさせないと誓ったからだ。
(よし、税率をあげよう)
その時、私はそう決心した。
もう法律の限界まで上げているが、こっそり少しだけ上げれば気づかれることもないだろう。
領民には今よりも負担がかかるだろうが、ローラを我慢させることに比べればまだマシだ。
むしろこの愛しのローラに金を使われて本望だろう。
(それにこの手紙もあるしな……)
私は机の中にある手紙を思い出す。
そんなふうに考え事をしていると難しい顔になっていたらしく、ローラが心配そうな顔で聞いてきた。
「お父様、何か難しい顔をしてらっしゃいましたが、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……問題ない」
ローラに心配されたので私は慌てて誤魔化した。
私はそうするしかなかった。
「そう?」
「それより、今使用人に美味しいお菓子を用意させるからお茶でも飲んできたらどうだ?」
「ありがとうお父様!」
ローラは笑顔になって部屋から出ていく。
ローラが部屋から出ていった後、私はため息を吐いて手紙をまた引き出しから取り出した。
『借金が返せないならばあなたの家の娘を貰い受ける』
私が借金を抱えるカルシール男爵のその催促の手紙の文面にはそう書かれていた。
あなたにおすすめの小説
誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』
富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
妹の身代わりに殺戮の王太子に嫁がされた忌み子王女、実は妖精の愛し子でした。嫁ぎ先でじゃがいもを育てていたら、殿下の溺愛が始まりました・長編版
まほりろ
恋愛
国王の愛人の娘であるアリアベルタは、母親の死後、王宮内で放置されていた。
食事は一日に一回、カビたパンやまふ腐った果物、生のじゃがいもなどが届くだけだった。
しかしアリアベルタはそれでもなんとか暮らしていた。
アリアベルタの母親は妖精の村の出身で、彼女には妖精がついていたのだ。
その妖精はアリアベルタに引き継がれ、彼女に加護の力を与えてくれていた。
ある日、数年ぶりに国王に呼び出されたアリアベルタは、異母妹の代わりに殺戮の王子と二つ名のある隣国の王太子に嫁ぐことになり……。
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
※中編を大幅に改稿し、長編化しました。2025年1月20日
※長編版と差し替えました。2025年7月2日
※コミカライズ化が決定しました。商業化した際はアルファポリス版は非公開に致します。
※表紙イラストは猫様からお借りしています。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
【完結】ねぇ、それ、誰の話?
春風由実
恋愛
子爵家の三男であるアシェル・イーガンは幼い頃から美しい子どもとして有名だった。
その美貌により周囲の大人たちからは、誰からも愛されて育つ幸福な子どもとして見られてきたが、その実態は真逆。
美しいが故に父親に利用され。
美しいが故に母親から厭われて。
美しいが故に二人の兄から虐げられた。
誰も知らない苦悩を抱えるアシェルは、家族への期待をやめて、早く家を出たいと望んでいたが。
それが叶う日は、突然にやって来た。
ウォーラー侯爵とその令嬢ソフィアが、アシェルを迎えに現れたのだ。
それは家に居場所のないアシェルの、ちょっとした思い付きから始まった行いが結んだ縁だった。
こうして王都を離れ侯爵領でのびのびと健やかに成長していったアシェルは、自分が美しいことも忘れていたくらいだったから、自身の美貌の余韻が王都の社交界にて壮大な物語を創生していたことに気付けなかった。
仕方なく嫌々ながら戻ってきた王都にて、大事な人を傷付けられて。
アシェルは物語を終わらせるとともに、すっかり忘れ去っていた家族たちとも向き合うことにした。
そして王都に新しい物語が創生する。それは真実に則った愛の物語──。
※2026.1.19 おかげさまで本編完結いたしました。ありがとうございます♡
精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果
あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」
ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。
婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。
当然ながら、アリスはそれを拒否。
他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。
『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。
その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。
彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。
『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。
「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」
濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。
······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。
復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。
※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください)
※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。
※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。
※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)