えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?

水垣するめ

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8話

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「えっ……?」

「いや、ローズが無実であることは私自身が知っているのに、先程からスパイだの何だの、何を言っているんだお前は?」

 その通りだった。

 国王自身がローズが無実であることを知っているのに、作り話で誤魔化される訳がない。

「い、いや……」

 レイは動揺し始めた。

「当たり前だろう。留学を承認したのは私なんだ。真実を知っているし、お前がいくら作り話をしても騙される訳がないだろう」

「じゃ、じゃあ! 書類の偽造は無かったことにします! ローズは留学したと父上に見せかけ、国内にいたのです!」

「はぁ……そんな簡単に無かったことに出来るわけが無いだろう。お前は自分が何を言ったか自覚がないのか? 今さっき説明しただろう」

 公爵家に対する宣戦布告に近い言葉をローズに吐き、それを簡単に「無かったことにします!」と言うレイに対して、国王は頭を抱えた。

「どうですか父上! これなら矛盾は無いでしょう!」

 しかしレイは自覚が無いようで、国王に質問していた。

「……まだ勘違いしているようだな」

 国王は残念そうに頭を振る。

「国王である私が「ローズは留学している」と言ったら、留学しているのだ。お前の話に関係無く、な」

 国王の言葉は絶対。
 その国王が「ローズは留学している」と認めているのだから、レイが仮にどんな真実を出してきても、ローズは留学していたことになる。

 国王が言っているのはそういう事だった。

「こんなことも分からないとは……もう駄目かもしれんな」

 国王は小さく呟く。

 その言葉を聞いて、レイの隣に座っている人物が急に声を張り上げた。

「わ、私が証言します! 私はローズ様に虐められていません! レイ王子が勝手に言い出しただけです!」

 急に話し出したのはナタリーだった。
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