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家に帰ってドアを開ける。
すると今日一日でいろんなことを体験したせいか、一気に疲れが溢れ出して来た。
キングウルフに遭遇したと思ったら精霊に守って貰って、しかも自分は全ての精霊から加護を受ける精霊巫女で。ギルドに帰ったら大金を貰って、その後強盗に会う。
これら全部が一日で全て起こったのか本当に自分でも信じられないくらいだ。
「疲れた……お腹空いた……」
グダっとしながらアイテムポーチ等の装備を外す。
そしてエプロンをつけるとキッチンで何か使える物がないか探し始めた。
ルーチェは私のベットに座り、私を見つめている。
あ、パスタ見つけた。トマトとひき肉もあるし、後は作り置きしておいたスープでいっか。
今日は簡単にご飯を済まそう。
手早く料理をすすめながら、私はルーチェに尋ねた。
「あ、そう言えばルーチェはご飯食べる? て言うかそもそも精霊ってご飯食べるの?」
「食べなくても大丈夫だけど、アイリのご飯は食べる」
ルーチェからはそんな返答が返ってきた。
じゃあ二人分作ろう。
それから十分ほどでご飯は完成した。
ルーチェに手伝って貰って、お皿を机に置いてもらうと、私達は同時に席についた。
「いただきます」
食事の挨拶をして食べ始めた時、私はふと、「あ、こうやって誰かと食べるの久しぶりだな」と思い出した。
両親が死んでからずっと一人で生きてきた。
身の回りも全部自分だけでしないといけなかったから、寂しさを感じる暇も無いくらい忙しかったけど。
「アイリ、どうかした?」
一向に食を進めない私を不思議に思ったのか、ルーチェが首を傾げて私に質問した。
私は少し笑って首を振る。
「ううん。なんでもない」
★★★
夕食を食べ終わって後片付けをし、軽くお風呂に入った後、私は寝ることにした。
「ふわぁ~、ねむ……」
眠い目を擦りながらベットに入ると、ベットの隣でルーチェが立っていることに気がついた。ルーチェはじっと私を見つめている。
「どうしたの?」
「ボクも一緒に寝たい」
あ、そっか。
ベットは一つしかない。
「いいよ。一緒に寝よう」
私がそう言うと、ルーチェがベットの中に入ってきた。
「えへへ、あったかいね」
布団の中から顔を出したルーチェがにっこりと笑う。
(か、かわいい……!)
天使みたいに整った顔のルーチェが溶けたような笑みを浮かべると、もはや反則級のかわいさだった。
「わっ」
あまりの可愛さに我慢できなくなってギュッと抱きしめた。
ルーチェは体温が高いから、湯たんぽみたいだった。
その温かさで私の瞼が本格的に重くなってきた。
(弟がいたらこんな感じなのかな?)
そんなことを考えながら眠りに落ちていった。
すると今日一日でいろんなことを体験したせいか、一気に疲れが溢れ出して来た。
キングウルフに遭遇したと思ったら精霊に守って貰って、しかも自分は全ての精霊から加護を受ける精霊巫女で。ギルドに帰ったら大金を貰って、その後強盗に会う。
これら全部が一日で全て起こったのか本当に自分でも信じられないくらいだ。
「疲れた……お腹空いた……」
グダっとしながらアイテムポーチ等の装備を外す。
そしてエプロンをつけるとキッチンで何か使える物がないか探し始めた。
ルーチェは私のベットに座り、私を見つめている。
あ、パスタ見つけた。トマトとひき肉もあるし、後は作り置きしておいたスープでいっか。
今日は簡単にご飯を済まそう。
手早く料理をすすめながら、私はルーチェに尋ねた。
「あ、そう言えばルーチェはご飯食べる? て言うかそもそも精霊ってご飯食べるの?」
「食べなくても大丈夫だけど、アイリのご飯は食べる」
ルーチェからはそんな返答が返ってきた。
じゃあ二人分作ろう。
それから十分ほどでご飯は完成した。
ルーチェに手伝って貰って、お皿を机に置いてもらうと、私達は同時に席についた。
「いただきます」
食事の挨拶をして食べ始めた時、私はふと、「あ、こうやって誰かと食べるの久しぶりだな」と思い出した。
両親が死んでからずっと一人で生きてきた。
身の回りも全部自分だけでしないといけなかったから、寂しさを感じる暇も無いくらい忙しかったけど。
「アイリ、どうかした?」
一向に食を進めない私を不思議に思ったのか、ルーチェが首を傾げて私に質問した。
私は少し笑って首を振る。
「ううん。なんでもない」
★★★
夕食を食べ終わって後片付けをし、軽くお風呂に入った後、私は寝ることにした。
「ふわぁ~、ねむ……」
眠い目を擦りながらベットに入ると、ベットの隣でルーチェが立っていることに気がついた。ルーチェはじっと私を見つめている。
「どうしたの?」
「ボクも一緒に寝たい」
あ、そっか。
ベットは一つしかない。
「いいよ。一緒に寝よう」
私がそう言うと、ルーチェがベットの中に入ってきた。
「えへへ、あったかいね」
布団の中から顔を出したルーチェがにっこりと笑う。
(か、かわいい……!)
天使みたいに整った顔のルーチェが溶けたような笑みを浮かべると、もはや反則級のかわいさだった。
「わっ」
あまりの可愛さに我慢できなくなってギュッと抱きしめた。
ルーチェは体温が高いから、湯たんぽみたいだった。
その温かさで私の瞼が本格的に重くなってきた。
(弟がいたらこんな感じなのかな?)
そんなことを考えながら眠りに落ちていった。
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