裏切られた侯爵夫人なんてお断り~離婚を求められた悪役夫人は踊りだす~

みけの

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実家の両親

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お気に入り2000越えました。

有難うございます、有難うございます……m(__)m♪

――――――――――――――――――――――――


 ここがクリスティアの実家かあ……

 繁華街から少し離れた場所に家が2棟並んでいる。木造のこじんまりした造りはクリスティアの記憶にある通り。

 でも花壇の花の種類とか家庭の隅に子供のおもちゃが置いてあったりとか、記憶と違う箇所もあるけど。

―――クリスティア、ここが貴女の住んでいた家なんだね?

 頭の中で語りかけながら、ここに来ようと思った経緯を思い出した。

 ノーム邸を出た後は、よっしゃ、脱出したぞー! と爽快だった私が、遅ればせながらクリアせねばならないもう一つの案件に気が付く。それはこうだ。

―――クリスティアのご両親がどう思うか?

 ただでさえ出戻りなんて外聞悪いのに、貴族女性と来れば幸せな未来には遠ざかるだろう。次の縁談があっても後妻とかばっかりとかよく聞くし。

 私的に思っているこれからの事やエイミーの事も話しておいた方が良いし。

そんな風に思い、一度里帰りする事にした。
 懐かしいと思う程、離れていた訳じゃないのに胸が締め付けられるように苦しくなった。

 これは……きっと私の中にいるクリスティアの意識だよね。

 「……これは、お嬢様!」

庭にいた中年位の女性が、私を見て大きく目を見開く。彼女は確か……。

「ただいまミリヤ。お母様達はいる?」

 ミリヤはクリスティア達が小さい頃から、通いで来てくれている家政婦さんだ。
家を空けがちな両親の代わりに、家の管理やクリスティア達の世話をしてくれている。

「は、はい、今日はお2人共いらっしゃいます。ですが……」

 何かあったのですか? と聞きたそうにしているのに、微苦笑で答えてから

「それは後から説明するわ? お父様達はどちらかしら?」

 と、1年ぶりの我が家に足を踏み入れた。

 「エイミーがフデキオ君の子供を!?」

驚愕する2人に、私は頷く。

「ええ、わたくし離婚を言い渡されました。今日はその事の連絡に」

ダン! とお父様(私もこう呼ぼう。前世にお父さんとの呼び分けにもなるし)が机に拳を落とす。お母様は口元を両手で覆って、声が出ない様子だ。

「何を考えてるんだあの若造は!」

「あ…あなた、どうか落ち着いて……!」

「これが落ち着いていられるかっ! 娘を2人、傷ものにされたんだぞ!!」

どうにか落ち着かせようとするお母様に、怒りのまま叫ぶお父様。
 私はと言うと、冷静にここからどう、話を持っていこうかと考えていた。
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