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守らなくては
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「なっ!?」
ナイト様が目を剥く。自分の側近の身内が裏切る筈が無いと思っていたようだ。
「何を言うんだ君は?」
王太子殿下の声には答えず、エドは僕に言う。
「あのなぁ……カヤラ。こりゃあお前だけの問題じゃ済まねぇんだぞ。
どうせお前の事だ、あの女に“自分が何か迷惑をかけたんだろう”とかクソつっまらない事考えてんだろうぐだぐだと!!今まで思ってても言わなかったがもう言うぞ!! それ違うから」
「けど」
出来ないんだ、恐いんだよ。
でも、そんな僕の罪悪感や不安をエドは取り去っていく。
「けどじゃねぇ! 違うってハッキリ言え! 洗脳されてる場合じゃねぇぞ撥ね除けろ!! これはおじさんやおばさん、カローナさんやカイルさんにも関わってくるんだぞ! お前家族を犠牲にしても良いのか!」
「!!」
どくん、と大きく鼓動がした。
――家族。
前世で僕が壊してしまった、壊したままで逝ってしまった彼ら。
自分が健康であることと同じくらいに、僕が大事に思っている存在。前世で無知で無力な僕が、大事に出来なかった――家族。
マリアがどうしてこんな事をするのか分からない。
けれど僕にはそれ以上に、守りたいものがいる。
そう思った瞬間、僕の中にとてつもない何かが流れ込んできた。信じられない程のエネルギー、迸る勢いのそれは、必死で僕に訴えてくる。
――守らなくてはいけない。どんなに無知でも無力でも!
「王太子殿下に、申し上げます」
「ほう? 全てを認めて、マリアとの婚約を破棄する気になったのか」
冷ややかな王太子殿下の視線は、変わらず居竦ませるけれど。
でも……さっきまでとは違う。僕の中で何かが変わっている。
僕の隣にはエドがいる。
今はここにいないけど、家族や家族同然に仕えてくれている人達もいる。――その思いが、力を与えてくれた。
背に力を入れて、胸を張る。
冷たい視線を受けながら、腹に力を込めて――言った。
「僕は誰にも恥ずべきことなどしていません、オリガ家の名において!!」
家族と、友人と。――僕を信じてくれた人達の為に。
胸を張れ“前世”の僕と“現世(いま)”の僕!!
「――っ、見苦しいぞっ!」
ナイト様の怒号がビリビリと空気を揺らす。
でも、全然恐くない。だって後ろ暗いことなんかしてないから。
むしろ誰が怖がるか! って感じで真っ向から睨みつけ、歯を食いしばる。
拳は眼前に迫り、受ける痛みを覚悟したその時だった。
パシッ!
覚悟していた衝撃は起こらなかった。
「な……っ」
一瞬の間に入り込み、ナイト様の拳を扇で払いのけたその人は、この場に合わない明るい声で言う。
「あらまぁ……ここではパーティではなく、お葬式でもしているのかしら」
ナイト様が目を剥く。自分の側近の身内が裏切る筈が無いと思っていたようだ。
「何を言うんだ君は?」
王太子殿下の声には答えず、エドは僕に言う。
「あのなぁ……カヤラ。こりゃあお前だけの問題じゃ済まねぇんだぞ。
どうせお前の事だ、あの女に“自分が何か迷惑をかけたんだろう”とかクソつっまらない事考えてんだろうぐだぐだと!!今まで思ってても言わなかったがもう言うぞ!! それ違うから」
「けど」
出来ないんだ、恐いんだよ。
でも、そんな僕の罪悪感や不安をエドは取り去っていく。
「けどじゃねぇ! 違うってハッキリ言え! 洗脳されてる場合じゃねぇぞ撥ね除けろ!! これはおじさんやおばさん、カローナさんやカイルさんにも関わってくるんだぞ! お前家族を犠牲にしても良いのか!」
「!!」
どくん、と大きく鼓動がした。
――家族。
前世で僕が壊してしまった、壊したままで逝ってしまった彼ら。
自分が健康であることと同じくらいに、僕が大事に思っている存在。前世で無知で無力な僕が、大事に出来なかった――家族。
マリアがどうしてこんな事をするのか分からない。
けれど僕にはそれ以上に、守りたいものがいる。
そう思った瞬間、僕の中にとてつもない何かが流れ込んできた。信じられない程のエネルギー、迸る勢いのそれは、必死で僕に訴えてくる。
――守らなくてはいけない。どんなに無知でも無力でも!
「王太子殿下に、申し上げます」
「ほう? 全てを認めて、マリアとの婚約を破棄する気になったのか」
冷ややかな王太子殿下の視線は、変わらず居竦ませるけれど。
でも……さっきまでとは違う。僕の中で何かが変わっている。
僕の隣にはエドがいる。
今はここにいないけど、家族や家族同然に仕えてくれている人達もいる。――その思いが、力を与えてくれた。
背に力を入れて、胸を張る。
冷たい視線を受けながら、腹に力を込めて――言った。
「僕は誰にも恥ずべきことなどしていません、オリガ家の名において!!」
家族と、友人と。――僕を信じてくれた人達の為に。
胸を張れ“前世”の僕と“現世(いま)”の僕!!
「――っ、見苦しいぞっ!」
ナイト様の怒号がビリビリと空気を揺らす。
でも、全然恐くない。だって後ろ暗いことなんかしてないから。
むしろ誰が怖がるか! って感じで真っ向から睨みつけ、歯を食いしばる。
拳は眼前に迫り、受ける痛みを覚悟したその時だった。
パシッ!
覚悟していた衝撃は起こらなかった。
「な……っ」
一瞬の間に入り込み、ナイト様の拳を扇で払いのけたその人は、この場に合わない明るい声で言う。
「あらまぁ……ここではパーティではなく、お葬式でもしているのかしら」
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