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第2部 外の世界
第29話 オマケは私
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「さあ行きましょう」
イルゼさんとイルマちゃんを見ると、惚けた顔をしている。
どうしたんだろう?
「どうしたのですか、2人とも」
「あ、はい」
2人はおずおずと立ち上がった。
その前に倒したミノタウロスをストレージに収納する。
えっ??
「行きます。2人とも着いて来て」
俺達は走り出す。
「ワォ!」
「何これ、体が軽い」
2人のステータスは俺の魔法で、一時的に能力が上がっている。
街道をひたすら東に走って逃げる。
「騎士団員の人達が動けなくなってたけど、あれはどうしたの?」
「イルマちゃん、あれは魔力をぶつけたんだよ」
「魔力を?でも私達は平気だったよ」
「あれは2人が俺の側に居たからだよ。あの時、俺は半径2mくらいのところから、魔力を広げたから俺の側に居た2人には影響が出なかったのさ」
「そうだったのね」
それからしばらく走った。
「少し休もうか、そろそろオーバー オールの効果が切れる頃だから」
「そうしましょうか」
俺達は木陰に入り、岩に座った。
「着替えるから、ちょっと待っててね」
俺はそう言うと木の陰に入った。
ボロボロのライトアーマーを脱ぎ、ストレージに収納していた服に着替えた。
「タケシ様はマジック・バッグを、お持ちだったのでしょうか?」
「えぇ、まあ」
「ですがそのバッグが見当たりません」
「俺のはストレージと言う魔法です」
「魔法ですか?」
「えぇ、マジック・バッグがバッグに付与された魔法から、俺のは俺自身で操作できる魔法という事です」
「どういう事でしょうか?」
「例えば」
俺は何もない空間に手を入れ、タンスを出した。
「それは」
「討伐に出る時にもう戻る事も無いと思い、部屋にある物を全部、持ってきました」
「どういう事よ、タケシ君。私にも分かるように話してよ」
「俺のストレージは時空間魔法なんだ」
「時空間魔法??」
「そう空間を開けそこに物を仕舞う事ができるんだよ」
「へ~便利ね、タケシ君が居たら、運送業でやっていけそうね」
「そ、それは危険です。マジック・バッグだけでも、高価なのにそんな能力をお持ちだと分かったら大変な事になります」
「冗談よ、イルゼさん。それ以前に、もう大変な事になってるしね」
「そうですね、それからタケシ様にお伺いしたいことがあります」
「なんでしょうか」
「タケシ様が使われていた魔法は、あれは聖魔法でしょうか」
「そうですね」
「しかも回復魔法も使え、それも上位魔法だと思いますが」
「上位かどうかは、わかりません。前に居た世界では魔法は無く、この世界に召喚され初めて使ったのですから」
「それでは聖女召喚は、成功していたのですね」
「どういうこと、イルゼさん」
「タケシ様が聖女様だったのです」
「えっ、タケシ君て男装の麗人だったの?」
「違います。男の人でも聖魔法が使えるなら、そう考えるしかありません。何か心当たりはありませんか」
「あぁ、2人だから言うけど俺は聖人だよ」
「聖人?」
「女性が聖女、男性が聖人みたいだよ」
「どうしてそんなことが分かるの」
「それは俺が自分のステータスが分かるからさ」
「ステータスて?」
「イルマちゃんそれはね、自分で自分を鑑定してる感じかな」
「タケシ様は鑑定もできるのですか?」
「まあ、驚かないでください。イルゼさん」
「そう言われましても。それにあの防御力は、常人ではありません」
「体が人より頑丈に出来ているんですよ」
「そんな訳がありません。あの炎を受けて、髪の毛すら燃えていないなんて」
「まあ、それが聖人の力という事にしておいてください」
「チェッ。なんだ、私の方がオマケだったのね」
「そんなことを言わずにイルマちゃん。お互い好きで呼ばれた訳ではないからね」
「これからどうされるのでしょうか?」
「そうですね、どこかの街に寄り当面の食料と、野宿用に使える寝袋などを買おうと思います」
「それではここから東に半日歩くと、レオニードと言う町に着くはずです。そこに向かいましょう」
「えぇ、そしてイルゼさんとは、そこでお別れいたしましょう」
「どうしてでしょうか?私が居てはお邪魔でしょうか」
「いいえ、違います。俺達はこれから国に追われるかもしれません。それにとりあえず、イルマちゃんを送りに魔界に行こうと思っています。でもイルゼさんは違います。どこかの街に入って普通の生活をしてほしいのです」
「ではタケシ様はどうなのですか。魔界に行って人族が、やって行けるとお思いでしょうか」
「多分、タケシ君なら受け入れてもらえるよ」
「どう言う事でしょうか、イルマ様」
「もう、様は良いからイルゼさん。魔界は力が全てなの、だからタケシ君みたいに強ければ、誰も逆らわないわ」
「それは魔族は人族に対して差別や偏見はない、てことかな」
「多分、無いわ。だって魔族は色んな外見の人が居るから、角がなくても変に思われないわ。それに人族なんて居ないから見ても分からないわよ」
「それならイルマちゃんを国に送り届けたら、その後の事はまた考えるから」
「私も参ります」
「でもイルゼさん」
「私も同じです。私は組織に属しており、組織からは絶体に抜けることは許されません。どこかの街で暮らしても追手に日々、怯えながら暮らすのは真っ平です」
「分かりました。一緒に行きましょう」
「タケシ様」
なんだ、聖女の件は私の方がオマケだったのね。
でもタケシ君に関しては、私はオマケにならないわ。
たとえ相手がイルゼさんでもね。
イルゼさんとイルマちゃんを見ると、惚けた顔をしている。
どうしたんだろう?
「どうしたのですか、2人とも」
「あ、はい」
2人はおずおずと立ち上がった。
その前に倒したミノタウロスをストレージに収納する。
えっ??
「行きます。2人とも着いて来て」
俺達は走り出す。
「ワォ!」
「何これ、体が軽い」
2人のステータスは俺の魔法で、一時的に能力が上がっている。
街道をひたすら東に走って逃げる。
「騎士団員の人達が動けなくなってたけど、あれはどうしたの?」
「イルマちゃん、あれは魔力をぶつけたんだよ」
「魔力を?でも私達は平気だったよ」
「あれは2人が俺の側に居たからだよ。あの時、俺は半径2mくらいのところから、魔力を広げたから俺の側に居た2人には影響が出なかったのさ」
「そうだったのね」
それからしばらく走った。
「少し休もうか、そろそろオーバー オールの効果が切れる頃だから」
「そうしましょうか」
俺達は木陰に入り、岩に座った。
「着替えるから、ちょっと待っててね」
俺はそう言うと木の陰に入った。
ボロボロのライトアーマーを脱ぎ、ストレージに収納していた服に着替えた。
「タケシ様はマジック・バッグを、お持ちだったのでしょうか?」
「えぇ、まあ」
「ですがそのバッグが見当たりません」
「俺のはストレージと言う魔法です」
「魔法ですか?」
「えぇ、マジック・バッグがバッグに付与された魔法から、俺のは俺自身で操作できる魔法という事です」
「どういう事でしょうか?」
「例えば」
俺は何もない空間に手を入れ、タンスを出した。
「それは」
「討伐に出る時にもう戻る事も無いと思い、部屋にある物を全部、持ってきました」
「どういう事よ、タケシ君。私にも分かるように話してよ」
「俺のストレージは時空間魔法なんだ」
「時空間魔法??」
「そう空間を開けそこに物を仕舞う事ができるんだよ」
「へ~便利ね、タケシ君が居たら、運送業でやっていけそうね」
「そ、それは危険です。マジック・バッグだけでも、高価なのにそんな能力をお持ちだと分かったら大変な事になります」
「冗談よ、イルゼさん。それ以前に、もう大変な事になってるしね」
「そうですね、それからタケシ様にお伺いしたいことがあります」
「なんでしょうか」
「タケシ様が使われていた魔法は、あれは聖魔法でしょうか」
「そうですね」
「しかも回復魔法も使え、それも上位魔法だと思いますが」
「上位かどうかは、わかりません。前に居た世界では魔法は無く、この世界に召喚され初めて使ったのですから」
「それでは聖女召喚は、成功していたのですね」
「どういうこと、イルゼさん」
「タケシ様が聖女様だったのです」
「えっ、タケシ君て男装の麗人だったの?」
「違います。男の人でも聖魔法が使えるなら、そう考えるしかありません。何か心当たりはありませんか」
「あぁ、2人だから言うけど俺は聖人だよ」
「聖人?」
「女性が聖女、男性が聖人みたいだよ」
「どうしてそんなことが分かるの」
「それは俺が自分のステータスが分かるからさ」
「ステータスて?」
「イルマちゃんそれはね、自分で自分を鑑定してる感じかな」
「タケシ様は鑑定もできるのですか?」
「まあ、驚かないでください。イルゼさん」
「そう言われましても。それにあの防御力は、常人ではありません」
「体が人より頑丈に出来ているんですよ」
「そんな訳がありません。あの炎を受けて、髪の毛すら燃えていないなんて」
「まあ、それが聖人の力という事にしておいてください」
「チェッ。なんだ、私の方がオマケだったのね」
「そんなことを言わずにイルマちゃん。お互い好きで呼ばれた訳ではないからね」
「これからどうされるのでしょうか?」
「そうですね、どこかの街に寄り当面の食料と、野宿用に使える寝袋などを買おうと思います」
「それではここから東に半日歩くと、レオニードと言う町に着くはずです。そこに向かいましょう」
「えぇ、そしてイルゼさんとは、そこでお別れいたしましょう」
「どうしてでしょうか?私が居てはお邪魔でしょうか」
「いいえ、違います。俺達はこれから国に追われるかもしれません。それにとりあえず、イルマちゃんを送りに魔界に行こうと思っています。でもイルゼさんは違います。どこかの街に入って普通の生活をしてほしいのです」
「ではタケシ様はどうなのですか。魔界に行って人族が、やって行けるとお思いでしょうか」
「多分、タケシ君なら受け入れてもらえるよ」
「どう言う事でしょうか、イルマ様」
「もう、様は良いからイルゼさん。魔界は力が全てなの、だからタケシ君みたいに強ければ、誰も逆らわないわ」
「それは魔族は人族に対して差別や偏見はない、てことかな」
「多分、無いわ。だって魔族は色んな外見の人が居るから、角がなくても変に思われないわ。それに人族なんて居ないから見ても分からないわよ」
「それならイルマちゃんを国に送り届けたら、その後の事はまた考えるから」
「私も参ります」
「でもイルゼさん」
「私も同じです。私は組織に属しており、組織からは絶体に抜けることは許されません。どこかの街で暮らしても追手に日々、怯えながら暮らすのは真っ平です」
「分かりました。一緒に行きましょう」
「タケシ様」
なんだ、聖女の件は私の方がオマケだったのね。
でもタケシ君に関しては、私はオマケにならないわ。
たとえ相手がイルゼさんでもね。
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