【完結】聖女戦記物語。結局、誰が聖女役?-魔法より武力と丈夫な体に自信があります-

ジェルミ

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第2部 外の世界

第28話 私1人の王子様

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「いや~」
 私は叫んだ。
 タケシ君も猛毒に倒れ、イルゼさんもレーナさんに刺されてしまう。
 いったい何がどうしたと言うの?

 私の魔族の能力charm魅了では、こんなにたくさんの人を一度に相手は出来ない。

 騎士団の人が私に剣を向け、弓を構えて向かってくる。

「かかれ~」
 アーガス騎士団長が号令をかける。

 もう駄目。
 タケシ君…。

 シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!
  シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!
   シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!

 弓矢が私に飛んでくる。
 思わず目を閉じた。

 ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!
   ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!
 ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

 なにか変な音がした。
 目を開けるとタケシ君が私の前に立っていた。

「う~ん、効かないな」
 タケシ君が何か言っている。

「おい、きさま!どういう事だ」
 ロターリ司祭が、なにか喚いている。
 
 タケシ君の焼け焦げたライトアーマーには、たくさんの矢が刺さっている。
 えっ?
 どうして?

「なぜ、ポイズンスネークの猛毒が効かん!それにお前の体はどうなっているんだ」

「あぁ、毒は効かないよ。状態異常に強い体なんだ。それに防御力も高い」

「嘘だ。あのポイズンスネークの猛毒だぞ。それにそんなに矢が刺さってるのに」

「矢が刺さっているのはライトアーマーであって、肉体ではないからね。ほら」

 タケシ君は、矢をライトアーマーから抜いて行く。
 そう言われれば、防具がないところには矢は1本も刺さっていない。

「それよりもイルゼさんだ」
 タケシ君は私の手を取り、イルゼさんのところに向かう。

 それを邪魔するように騎士団員が切りかかる。

 ドンッ! ドンッ!  ドンッ!
  ドンッ!  ドンッ!   ドンッ!

 タケシ君が大剣を振り回すたびに、騎士団員が飛んでいく。
 矢の攻撃を受けても、大剣を盾代わりにして私を守ってくれる。

「騎士団員さん、今は加減してるけどいつまでもしないからね」

 そう言うとタケシ君の空気が変わった。

 〈〈〈〈〈 ズゥ~~ン!! 〉〉〉〉〉

 タケシ君を中心にして、何かが周りに広がった。
 すると騎士団員やレーナさん、ロターリ司祭が、しゃがみ込んでしまった。
 どういうことなの。


 タケシ君は倒れているイルゼさんを抱き起した。
 そして刺されて血が出ている傷口に手を翳す。
Healingヒーリング
 タケシ君の翳した手から暖かい光があふれる。

 イルゼさんの顔色が良くなっていく。
「ゴホッ、ゴホッ」
「イルゼさん、もう大丈夫ですよ。さあ立てますか」
「タケシ様。私は、どうして、レーナちゃんに刺されたのに…」
「俺の魔法で、治したのですよ」
「タケシ様の魔法で…」
「さあ、ここから逃げ出しましょう。Over Allオーバー オール
 タケシ君が呪文を唱えると、側に居た私やイルゼさんの体が一瞬、光に包まれた。
 

「行きましょう、身体能力が一時的に上がったはずです。しばらくは持ちますから」
 そう言うとタケシ様は、微笑んだ。
 その笑顔を見た時、私はキュンとした。

 でも白馬に乗った王子様は、私1人だけのものではなかった。
 ときめいたのは、私だけではなかったから。
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