【完結】聖女戦記物語。結局、誰が聖女役?-魔法より武力と丈夫な体に自信があります-

ジェルミ

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第2部 外の世界

第36話 マジックソナー

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「えっ、全員集合て、なに?」
「タケシ君知らないの?あのモンスター番組を」

「あぁ、その中のメンバーがやっていた動物番組なら知ってるよ」
「動物番組?じゃあ、俺たち滑稽こっけい族は?」
「それもなんとなく知ってるよ。昔やってたって」
「昔?」
「そうだよ」

「タケシ君ていくつで亡くなったの?」
「多分17歳かな」
「多分?」

「あぁ、その時の記憶が無いからね。イルマちゃんはいくつの時だったの?」
「わ、私は、に、23歳の時よ」
「なんだ、年上だったのか。これからは『お姉ちゃん』て、呼ぼうか?」
「やめてよ、からかわないで」

「じゃあ、俺はイルマちゃんより今は年上だけど、精神年齢はイルマちゃんの方が上なんだね」
「そうかもね、なんか複雑だね。はははは」

 それからイルマとタケシは日本の話をした。
 そして時系列が違う事がお互い分かった。
 聞いているイルゼも、自分の知らない世界の話が聞けて楽しい時間を過ごした。


「それじゃあ、さっそく明日狩りに行こうか」
「頑張ってね、タケシ君」
「なに言ってるの?イルマちゃん達も一緒に行くんだよ」
「え~、イルゼさんならともかく、私なんて足手まといになるわ」
「だからみんなで行って、強くなるんだよ」
「強くなる?」
「戦闘は経験を積めば強くなるから」
「それにOver Allオーバー オールを使いステータスを上げ、俺が二人を守るから」
「わかったわよ、私も行くわよ」



 朝になった。
 女の子2人と同じ部屋に寝るなんて、中々寝付けず寝不足気味だった。
 俺達は2階の部屋から、宿屋の1階にある食堂に降りた。
 そしてお湯、と呼んでも良いような朝食を食べた。

 少し部屋で休んでから、俺達は出かけることにした。
 城門を出て森に向かった。

 俺のスキルOver Allオーバー オールを2人に掛け、ステータスを上げておく。
 そしていつまでも効果がある訳ではない。
 だから短期勝負で行くしかない。
 だから効率の良い方法を考えた。

 まず弱い魔力を俺中心に、四方に飛ばす。
 そして魔物や魔獣が居れば、俺に跳ね返ってきて居場所が分かるようになった。
 ソナーみたいな効果だ。
 俺はmagic Sonarマジックソナーと名付けた。


 それから俺達は狩りまくった。
 生態系を崩さない様に魔獣はそこそこにし、魔物をメインで狩った。
 逃げる獲物は俺とイルゼさんが追い剣で倒す。
 向かってくるものにはイルマちゃんがcharm魅了で動きを止め、俺とイルゼさんで倒す。
 そしてある時からイルマちゃんが、母親の邪属性魔法も使えるようになっていた。
 相手に苦痛を与えるペイン。
 相手の命を奪うヘルズゲート。
 相手を狂戦士と化し周りの仲間に攻撃をするカーズなど。
 そこから大幅に戦力が上がった。

 俺達はそれから快進撃だった。
 最初はイルゼさんが解体をしていたけど、数が多くなったので冒険者ギルドに解体は依頼し、半分を自分達の物に残りはギルドに卸すことにした。
 
 俺達は泊っている宿屋にも肉を卸し、格安で料理を作ってもらっている。
 そして魔物は倒していけば、減ることに気づいた。

 俺達は冒険者ギルドの間では有名になっていった。




 街に肉が少しずつ流通するようになった。
 あるパーティーが卸しているらしい。

 その卸す1日の量が最近では増え、多いときは魔物10体にも及ぶと聞く。
 それだけ倒せれば高レベルの冒険者だった。

 そしてその量を収納できるマジック・バッグを、持っていることが目を引いた。
 マジック・バッグは古代遺跡から発掘され、容量も千差万別だ。
 だが馬車1台分、収納出来るマジック・バッグは少なく高額となる。
 競売に掛ければ一生遊んでも、使いきれないくらいの金額で売れる可能性がある。




 そんなある日の午後、狩りが終わり森から街に帰る途中だった。 

 ガサ、ガサ、ガサ、ガサ、
   ガサ、ガサ、ガサ、ガサ、

 道の両脇の茂みの中から男達が8人でてきた。

「なんだ?」
 俺はイルゼさんとイルマちゃんを後ろ手にかばう。

「お前たちが持っているマジック・バッグを出しな!!」
「マジック・バッグ?!」

 あぁ、そうか。
 俺にしてみるとストレージの収納量は当たり前になっていた。
 だが人からすれば見たことも無い、大容量のマジック・バッグを持っている思うだろう。
 自重すれば良かったか?

「早く出せ!この人数に囲まれて、敵うと思っているのか!」
「嫌だと言ったら?」
「そんときゃあ、女もろ共…。いいや、男と子供は先に始末して女は後で楽しむか」

「なんですって!!」
 イルマちゃんが、怒った声を上げる!

「タケシ君、イルゼさん、やっておしまいなさい!」
 イルマちゃんが、どこかで聞いたセリフを言う。

「「 はは~~!! 」」

 俺はストレージから全長1.4mの大剣、クレイモアを出す。
 その瞬間、盗賊団は後ずさる。

 ブゥ~~~ン!!
 剣を振るだけで、風圧が起きる。
 そしてイルゼさんはバスターソードを振るう!

 毎日、魔物を倒し続ける俺達のレベルは上がり、盗賊達では相手にならなかった。

 俺はクレイモアの肉厚な幅の広さを利用して、剣の側面で盗賊を叩く。

 バスッ!!バスッ!!バスッ!!バスッ!!
   バスッ!!バスッ!!バスッ!!バスッ!!

 ただ力任せに剣を振るうだけ。
 それだけで重さのあるクレイモアを受けきる奴はいなかった。

 そしてイルゼさんも、死なない程度に手や脚を切っている。



「もう、そろそろいいでしょう!!」

 イルマちゃんは叫ぶ!!

「「 はは~~!! 」」
 俺達はイルマちゃんに背を向け両脇に立った。

「控え、控えおろう!!これが目に入らぬか!!」

 俺は懐からを出す!!

 ???????????

 盗賊達の注目が水筒に集まる!
 そして水筒の後ろにはイルマちゃんがいる。

 自分に注目が集まったことを確認してイルマちゃんが叫ぶ!

Mind Controlマインド コントロール!!」
 邪属性魔法が発動した!!

「「「 ウヮ~~~!!!! 」」」

 盗賊達全員に邪属性魔法が掛かった!!

 邪属性魔法は精神系の魔法が多い。
 そのため、術者を見ていないと効果が無い魔法だった。
 しかし毎回、これをやるのか?


 どうしてこうなった。
 噂で大容量のマジック・バッグを、持っているというパーティーがいると聞いた。
 相手は教会側の関係者ぽい白いローブを着てフードを被った女。
 貴族に仕えているようなプレートアーマーに、高そうなバスターソードを下げた品のある女。
 平民が着る普段着に、使い古されたバスターソードを下げた珍しい黒髪の男。
 戦闘力がありそうなのは、プレートアーマーを着た女くらいだ。
 数で囲めば容易いだろうと計画を練ったのに。



 気が付くと俺達は詰め所に出頭していた。
 俺を含めた全員が自己嫌悪に苛まれ、さっきまで揃って鼻水と涙を流していた。

 俺が馬鹿だった。
 許してください、俺はドジで、のろまな亀だ。
 もうしません。

 口々に、口走しっていた。
 そして時間と共に、みんな我に返りはじめた。


 役人が確認すると彼らはマジック・バッグ目当てで、冒険者を襲ったまでは覚えていた。
 だがフードを被った女を見てから、全員が出頭するまでの記憶がなかった。
 そして、その噂が広がり3人に手を出す者はいなくなった。
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