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第2部 外の世界
第37話 聖女と両翼
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俺達3人はあれから、天気の悪い日以外は狩りに出かけた。
そして強靭な強さを持つ魔物がいると言われる、森の奥まで入れるようになった。
3人で協力して勝てそうなら戦う。
駄目そうならOver Allで、ステータスが上がっいる間に逃げる。
それを繰り返していた。
いつのまにかストレージの中は、倒した魔物であふれていた。
ある日、森の奥まで行くと変な物が見えた。
空間が裂け、そこから何かが出ていた。
よく見るとそれは、瘴気と言われるものだった。
これはなんだ?
ここから瘴気が漏れて、森に広がり魔物を生んでいるのか。
それなら元を叩けば、魔物はいなくなる。
「なにこれ?」
「近づくと危ないよ、イルマちゃん。きっとここから瘴気が漏れて、魔物になって行くんだと思う」
「次元の綻びみたいなものね」
「そうかもしれない。今、塞ぐことが出来るか試してみるよ」
俺は上級の消滅魔法を唱える。
「我を存かすは万物の理。研磨されし孤高の光、真の覇者となりて大地を照らす!」
〈〈〈〈〈 Vanish 〉〉〉〉〉
まばゆいばかりの光が辺りを照らす。
あまりの眩しさにイルゼさんと、イルマちゃんは片腕を上げ光を遮ろうとする。
光が収まると、空間の裂け目は無くなっていた。
「やった!タケシ君。こうやって綻びを見つけて、塞いでいけば魔物は減るね」
「でもどうやって見つけるのですか?そんなこと無理なのでは」
「イルゼさん、できるかもしれません」
「本当ですか、タケシ様」
「えぇ、綻びがあるところは瘴気が強く魔素が集まっています」
「先ほども、そうでしたね」
「魔素が多く集まるところには、強い魔物が集まると思います」
「では、強い魔物を倒して綻びを塞いで行くのでしょうか?」
「う~ん。はっきり言うとそこまでこの世界に、愛着がある訳ではありません。ですがこれから生きていく上で、安心して暮らせるようにするには必要なことでしょう」
「ですがどれほどの時間が掛かることか…」
「そうですね、世界全部は無理でしょう。でも自分達の生活圏内だけでも綻びを塞ぎ、瘴気を減らして行けば元の生活に戻れるのではないでしょうか」
「では今、住んでいるアレン領だけでも、浄化しようと言うのですか」
「そうですね、magic Sonarを使い、魔力飛ばせば探すこともできそうです。これから2人との生活の事を考えたら、安心して暮らせる世の中にしたいですから」
「「 まあ!! 」」
イルゼさんとイルマちゃんは、両手を頬に当て顔を赤くしている。
『これはプロポーズよ、イルゼさん』
『プロポーズ?』
『遠回しに結婚しよう、て言われているのよ私達』
『そ、そうなの。でもタケシ様を見ると、そう言う感じがしないけど』
『17歳で転移したって言うから奥手なのよ、きっと。これからは私達が積極的にでないと駄目だわ』
『そ、そうね。2人で手を組みましょう』
なにやら2人で、ヒソヒソ話し込んでいる。
どうしたんだろう?
まあ、こんなことに2人を巻き込んでしまった責任が俺にはあるからな。
恋愛経験がなかったタケシは、ニブちんであった。
「じゃあ。この森も浄化して帰りますか」
「二十二の橋梁、六十六の冠帯、今ここに交わる。孤高の光となりて大地を照らせ」
〈〈〈〈〈 Holy purification 〉〉〉〉〉
詠唱と共に俺を中心にして、周りに浄化魔法が広がって行く。
どんよりと垂れこんでいた空気が晴れて行く様だった。
最近、瘴気も減り魔物も出現率が下がっている。
人々はだんだんと生活ができるようになり、領に住んでいる者は心が安らぐ。
なぜならいつまで魔物に怯え、食べ物がない生活が続くのかと思っていたからだ。
そんな時、ある噂が流れた。
魔物を討伐してギルドに卸している、男女パーティーの噂だった。
森の奥が光ったかと思うと、彼らが森の奥から出てきたと。
すると瘴気が消え、空が晴れ渡ったと。
魔物を倒し森の瘴気を浄化する男女のパーティー。
人々は彼らの事を感謝と畏怖を込めてこう呼んだ。
『聖女と両翼』。
フードを被った聖女を守るように、左右に従者が常に付き従っているからだった。
そして強靭な強さを持つ魔物がいると言われる、森の奥まで入れるようになった。
3人で協力して勝てそうなら戦う。
駄目そうならOver Allで、ステータスが上がっいる間に逃げる。
それを繰り返していた。
いつのまにかストレージの中は、倒した魔物であふれていた。
ある日、森の奥まで行くと変な物が見えた。
空間が裂け、そこから何かが出ていた。
よく見るとそれは、瘴気と言われるものだった。
これはなんだ?
ここから瘴気が漏れて、森に広がり魔物を生んでいるのか。
それなら元を叩けば、魔物はいなくなる。
「なにこれ?」
「近づくと危ないよ、イルマちゃん。きっとここから瘴気が漏れて、魔物になって行くんだと思う」
「次元の綻びみたいなものね」
「そうかもしれない。今、塞ぐことが出来るか試してみるよ」
俺は上級の消滅魔法を唱える。
「我を存かすは万物の理。研磨されし孤高の光、真の覇者となりて大地を照らす!」
〈〈〈〈〈 Vanish 〉〉〉〉〉
まばゆいばかりの光が辺りを照らす。
あまりの眩しさにイルゼさんと、イルマちゃんは片腕を上げ光を遮ろうとする。
光が収まると、空間の裂け目は無くなっていた。
「やった!タケシ君。こうやって綻びを見つけて、塞いでいけば魔物は減るね」
「でもどうやって見つけるのですか?そんなこと無理なのでは」
「イルゼさん、できるかもしれません」
「本当ですか、タケシ様」
「えぇ、綻びがあるところは瘴気が強く魔素が集まっています」
「先ほども、そうでしたね」
「魔素が多く集まるところには、強い魔物が集まると思います」
「では、強い魔物を倒して綻びを塞いで行くのでしょうか?」
「う~ん。はっきり言うとそこまでこの世界に、愛着がある訳ではありません。ですがこれから生きていく上で、安心して暮らせるようにするには必要なことでしょう」
「ですがどれほどの時間が掛かることか…」
「そうですね、世界全部は無理でしょう。でも自分達の生活圏内だけでも綻びを塞ぎ、瘴気を減らして行けば元の生活に戻れるのではないでしょうか」
「では今、住んでいるアレン領だけでも、浄化しようと言うのですか」
「そうですね、magic Sonarを使い、魔力飛ばせば探すこともできそうです。これから2人との生活の事を考えたら、安心して暮らせる世の中にしたいですから」
「「 まあ!! 」」
イルゼさんとイルマちゃんは、両手を頬に当て顔を赤くしている。
『これはプロポーズよ、イルゼさん』
『プロポーズ?』
『遠回しに結婚しよう、て言われているのよ私達』
『そ、そうなの。でもタケシ様を見ると、そう言う感じがしないけど』
『17歳で転移したって言うから奥手なのよ、きっと。これからは私達が積極的にでないと駄目だわ』
『そ、そうね。2人で手を組みましょう』
なにやら2人で、ヒソヒソ話し込んでいる。
どうしたんだろう?
まあ、こんなことに2人を巻き込んでしまった責任が俺にはあるからな。
恋愛経験がなかったタケシは、ニブちんであった。
「じゃあ。この森も浄化して帰りますか」
「二十二の橋梁、六十六の冠帯、今ここに交わる。孤高の光となりて大地を照らせ」
〈〈〈〈〈 Holy purification 〉〉〉〉〉
詠唱と共に俺を中心にして、周りに浄化魔法が広がって行く。
どんよりと垂れこんでいた空気が晴れて行く様だった。
最近、瘴気も減り魔物も出現率が下がっている。
人々はだんだんと生活ができるようになり、領に住んでいる者は心が安らぐ。
なぜならいつまで魔物に怯え、食べ物がない生活が続くのかと思っていたからだ。
そんな時、ある噂が流れた。
魔物を討伐してギルドに卸している、男女パーティーの噂だった。
森の奥が光ったかと思うと、彼らが森の奥から出てきたと。
すると瘴気が消え、空が晴れ渡ったと。
魔物を倒し森の瘴気を浄化する男女のパーティー。
人々は彼らの事を感謝と畏怖を込めてこう呼んだ。
『聖女と両翼』。
フードを被った聖女を守るように、左右に従者が常に付き従っているからだった。
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