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第13章 南のラードルフ国
第183話 お約束
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「美味しい!」
「旨いな」
「これは美味しいぞ!!」
ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、
ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、
ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、
屋敷の前にテーブルを出し、みんなで集まっている。
バイキング形式でマンフレートの町で買って来た、海産物をみんなで食べている。
そう言っても600人はいるので、全然足りません。
1人一切れですか…。
全員分を購入するのは無理です…。
「エリアス様、今度はどこに行くのですか?」
エリザちゃんが聞いてくる。
「マジスカ領に行こうと思います」
「それでは今度も、私を連れて行ってください」
「う~ん。そうですね」
俺は悩んだ。
実際、1人で行った方が移動が速いからだ。
「連れて行ってあげれば?」
アリッサさんがそう言ってくる。
「私達は行けないから、この機会に親睦を深めるのも良いと思うよ」
「そうかな」
「だからアーネさんは、今回は留守番していてくださいね」
「え?私は留守番ですか?」
アリッサさんに留守番と言われ、アーネさんは驚いている。
「ここに来てから2人になることが無かったから、この機会に良いと思って」
「そうですか…。分かりました。エリザ様、いってらしゃいませ」
アーネさんは、納得したようだった。
次の早朝、俺とエリザちゃんはセトラー国を出てマジスカ領に向かう。
リヤカーにエリザちゃんを乗せ、アスケルの森を下る。
そして今日のエリザちゃんは、魔女っ娘服を希望したが今回も却下した。
さすがにとんがり帽子と黒い服。
右手首に布を巻き左目に黒い眼帯は痛いからね。
大丈夫、この病気は年齢と共に治るから…、治るよね?
マンフレートの町に出たら、町の街道を北西に進む。
街道は道幅も狭く路面状況も悪くガタガタだ。
これではリヤカーの乗り心地も悪いだろう。
俺はそう思いリヤカーを停めた。
「どうされたのですか、エリアス様?」
「道が悪いから、乗り心地も悪いだろう。だから一旦、降りてくれないか」
「わかりました」
訳が分からない顔をして、エリザちゃんはリヤカーを降りる。
俺は左腕でエリザちゃんを抱きかかえる。
「きゃ!!」
「この方が早いからね」
そう言うとストレージにリヤカーを収納した。
「さあ、首に手を回して。行くよ!!」
俺は街道を走り出す。
『エ、エリアス様は積極的なのですね。そうやって他の奥様方も…、ポッ』
エリザちゃんの呟く声は、走る音にかき消されエリアスには聞こえなかった。
う~ん。
やっぱりこの方が、時間短縮になるな。
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
しばらく走って行くと前方に馬車が1台見えて来た。
どうやら見てみると道の先に襲われている馬車がある。
俺は立ち止まり、腕からエリザちゃんを降ろした。
「どうされたのですか、エリアス様?」
「いや、実は『お約束』が起こってね」
「『お約束』ですか?」
「そうだよ。街道を進んでいるとよくある事なんだよ」
「どんなことですか?」
「例えば今回のように道の前後を、山賊に挟まれ襲われている馬車とか」
「どうなるのですか?」
「山賊も弓を持っているからね。それに金目の物を差し出せば、命までは取られることは無いはずだよ」
「そうなのですか?」
「あぁ、お互いに無駄な争いをしなくて良いからね」
「では、どうされますか?」
「う~ん。終るのを待つとか。横を『じゃあ!』と、通すぎるとか…「おう、おう、お前達。さっきからそこで何をゴチャゴチャ言っているんだ?」
気が付くと俺達は山賊に追い付き、襲っている横でしゃがみ込んで話していた。
「旨いな」
「これは美味しいぞ!!」
ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、
ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、
ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、
屋敷の前にテーブルを出し、みんなで集まっている。
バイキング形式でマンフレートの町で買って来た、海産物をみんなで食べている。
そう言っても600人はいるので、全然足りません。
1人一切れですか…。
全員分を購入するのは無理です…。
「エリアス様、今度はどこに行くのですか?」
エリザちゃんが聞いてくる。
「マジスカ領に行こうと思います」
「それでは今度も、私を連れて行ってください」
「う~ん。そうですね」
俺は悩んだ。
実際、1人で行った方が移動が速いからだ。
「連れて行ってあげれば?」
アリッサさんがそう言ってくる。
「私達は行けないから、この機会に親睦を深めるのも良いと思うよ」
「そうかな」
「だからアーネさんは、今回は留守番していてくださいね」
「え?私は留守番ですか?」
アリッサさんに留守番と言われ、アーネさんは驚いている。
「ここに来てから2人になることが無かったから、この機会に良いと思って」
「そうですか…。分かりました。エリザ様、いってらしゃいませ」
アーネさんは、納得したようだった。
次の早朝、俺とエリザちゃんはセトラー国を出てマジスカ領に向かう。
リヤカーにエリザちゃんを乗せ、アスケルの森を下る。
そして今日のエリザちゃんは、魔女っ娘服を希望したが今回も却下した。
さすがにとんがり帽子と黒い服。
右手首に布を巻き左目に黒い眼帯は痛いからね。
大丈夫、この病気は年齢と共に治るから…、治るよね?
マンフレートの町に出たら、町の街道を北西に進む。
街道は道幅も狭く路面状況も悪くガタガタだ。
これではリヤカーの乗り心地も悪いだろう。
俺はそう思いリヤカーを停めた。
「どうされたのですか、エリアス様?」
「道が悪いから、乗り心地も悪いだろう。だから一旦、降りてくれないか」
「わかりました」
訳が分からない顔をして、エリザちゃんはリヤカーを降りる。
俺は左腕でエリザちゃんを抱きかかえる。
「きゃ!!」
「この方が早いからね」
そう言うとストレージにリヤカーを収納した。
「さあ、首に手を回して。行くよ!!」
俺は街道を走り出す。
『エ、エリアス様は積極的なのですね。そうやって他の奥様方も…、ポッ』
エリザちゃんの呟く声は、走る音にかき消されエリアスには聞こえなかった。
う~ん。
やっぱりこの方が、時間短縮になるな。
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!
しばらく走って行くと前方に馬車が1台見えて来た。
どうやら見てみると道の先に襲われている馬車がある。
俺は立ち止まり、腕からエリザちゃんを降ろした。
「どうされたのですか、エリアス様?」
「いや、実は『お約束』が起こってね」
「『お約束』ですか?」
「そうだよ。街道を進んでいるとよくある事なんだよ」
「どんなことですか?」
「例えば今回のように道の前後を、山賊に挟まれ襲われている馬車とか」
「どうなるのですか?」
「山賊も弓を持っているからね。それに金目の物を差し出せば、命までは取られることは無いはずだよ」
「そうなのですか?」
「あぁ、お互いに無駄な争いをしなくて良いからね」
「では、どうされますか?」
「う~ん。終るのを待つとか。横を『じゃあ!』と、通すぎるとか…「おう、おう、お前達。さっきからそこで何をゴチャゴチャ言っているんだ?」
気が付くと俺達は山賊に追い付き、襲っている横でしゃがみ込んで話していた。
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