8 / 72
第2話 街へ出掛けよう
4 買い物はぜひ四つ葉堂で
しおりを挟む
商店街の一角のこじんまりとした地味な建物。
「ここがね、あたし達がよく利用する雑貨屋さんなんだ。“四つ葉堂”っていうの」
クリンちゃんはそう説明してドアを開けた。カランカランと、来客を告げるベルが響く。
「いらっしゃい」
店員は若い男の人だった。明るめのブラウンの髪、垂れ目が印象的なこの店員さんはラグラス=バウェラさん。ティル・リ・ローナの人間族である。イケメンではないけど、愛嬌のある顔のお兄さんだ。年齢は十九歳。私より少し年上なだけなのに、すでに自分のお店を持ってるなんて凄いなぁ。でも、ちょっとスケベそう……。人を見た目で判断しちゃダメなんだけど……。
店内は雑然と商品が並べられている。商品の統一性は全くない。ぬいぐるみ、鍋、アクセサリー、酒、その他色々……。なんだかおかしな店だ。失礼だけど、繁盛しているようには全く見えない。
「こんにちは、ラグラスさん」
「クリンちゃん、今日も来てくれたんだ。ゆっくりしていってね」
ラグラスさんは嬉しそうに、にっこりと笑う。
「アレックスさんも珍しいですね。こんな時間にいらっしゃるなんて。えっと、そちらの子は?」
ラグラスさんが私を見る。やっぱりスケベそうな顔だと思った。
私は、最近定番になりつつある自己紹介をした。
「そうなんだ。それは大変だ。早く、そのチキュウって世界に帰れるといいね。俺も雑貨屋として、君の助けをになれたらって思うよ。欲しいものがあったらなんでも相談に乗るからね」
「はい、その時はよろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げた。スケベそうだけど(しつこい?)、結構いい人なのかもしれない。
クリンちゃんが楽しそうに商品を眺めている。その様子をラグラスさんが何とも幸せそうな顔で見つめる。……もしかして、クリンちゃんに気があるとか?
「店主、景気はどうだ?」
ラグラスさんの至福の一時を、アレックスがどうでもよさげな話題でぶち壊しにかかる。あんた……、わざと邪魔してない?
「えっ? まあ、ごらんの通り、ぼちぼち……ですかね」
ラグラスさんはハッと我に返ったようにアレックスの問いに答えた。
「そうか。……それにしても相変わらず雑然としている店だな。客のことも考え、少しはレイアウトに気を配った方がいいのではないか? 私は君が生まれる前からこの店を利用しているが、君の父親の代の時はもっときちんと整頓されていたぞ。それに比べ君は実にだらしない。こんなことでは客足が遠のいて、店をたたむ羽目になるかもしれんぞ。……もしや君は、老舗だからと安心しきっているのではあるまいな? だが最近では他国の大手企業もこの街に進出してきている。そういった相手との競争に負け、潰れた老舗も何軒かあるのだぞ? 君も、もっと危機感を持って経営に臨んだ方がいい」
アレックスは説教モードにターボをかけて淡々長々と語った。その、余計なお世話っぽい偉そうな言動に、ラグラスさんの顔は引きつっている。彼の心境はまさに天国から地獄へ、といったところだろう。
「ねえアレックス、栗饅頭買って~」
クリンちゃんはいくつかの饅頭を持ってきた。昨日出されたあの饅頭だ。紅茶とともに出されて驚いたから良く覚えている。結局昨日は食べる余裕がなかったから、手をつけずじまいだったっけ。
「自分の小遣いで買え。毎月与えているだろう」
「もう無くなっちゃったもん」
「なんだと? 新しい月が始まり、まだ一週間も経っていないのだぞ?」
「でも、無くなっちゃったんだもん。ねえねえ買ってよぉ。おーねーがーいー!」
「……さてはお前、それが目的で私を街まで引っ張り出したな? 駄目だ。無計画に散財したお前が悪い。諦めろ」
「アレックスのケチ! いいもん、じゃあここで働くから! そしたら『栗饅頭食べ放題だよ』って、ラグラスさんが言ってたもーん!」
クリンちゃんはラグラスさんをびっしーと指して言った。
「何を言い出すかと思えば……。勝手に働けばいいだろう。そうすれば、こちらとしても月々の小遣いを渡す必要もなくなるしな。私としても好都合だ」
アレックスは小馬鹿にしたような勝ち誇ったような感じで言って、クリンちゃんに背を向ける。
「へ~、本当にいいの? もしかしたらラグラスさんに、イケないことされちゃうかもしれないのに?」
クリンちゃんがまたも“イケないこと”を持ち出してきた。ってか、この子……意味わからずに使ってない? それなのに、必殺技感覚で使ってるよね……。罪な子だよ、まったく。
クリンちゃんの繰り出した必殺技は、今回はラグラスさんに対して効果テキメンだった。その証拠に、彼の顔は瞬く間に青ざめた。そしてその顔には『突然何てことを言い出すんだ、君は!』と書いてある。……でも、この人ならそういう可能性もありそう……。だって、バイトの女の子に平気で手をつけるスケベ店長みたいなオーラがどことな~く漂ってるもん。
「ラグラスさん、あたしがここに来るたびに言ってくるんだよ。ここでバイトしないって? もしかして、あたしにイケないことをしたいからじゃないのかなぁ?」
クリンちゃんの必殺技が、またも鮮やかにキマる。そんな必殺技を二度も食らってしまったラグラスさんは瀕死状態に追い込まれ、今にも気絶しそうな感じだ。
「……店主、今の話は本当なのか?」
殺気が込められている冷ややかな声音で、アレックスはラグラスさんに問いかけた。
「え!? ま、まあ、確かにバイトしないかって、誘ってはいましたけど……」
「そうか。それは、この子が言ったように、妙な下心を抱いているからか?」
アレックスはラグラスさんの胸倉をつかみ上げ、威圧的に詰め寄る。目つきが、まるで親の仇を見るような感じに険しい。こいつ……完全にキレちゃったよ…
「めっ、めめめ、滅相もない……! そっ、そんなこと、考えるわけないじゃないですか! じゅっ、じゅ、純粋にバイトが欲しいからですよ……!」
ラグラスさんはしどろもどろになって答えた。気の毒なくらい怯えている。冷や汗なんか尋常じゃないくらい凄いし……。
「ほう? しかし、それはおかしいな。こんな閑古鳥が鳴いているような店に、従業員など本当に必要なのか? 雇った者に払う賃金の捻出すら危うそうな経営状態に見えるのだが?」
げっ! こいつ、何て失礼な奴なんだよ。常連客のくせにそこまで言うか?
「そっ、そんなの言いがかりですよ……! 確かに大繁盛してるとは言えませんけど、これでも、そこそこ繁盛してるんですよ!? それこそバイトがいれば助かるのにってくらい!」
「本当だな? 今言ったこと、虚言だったら許さんぞ」
ラグラスさんの胸倉をつかむ手に、一層の力が込められる。
「う、嘘じゃないですよぉ……!」
ラグラスさんは泣きそうな哀れっぽい声で、自分は潔白だという意を示す。
「ならば、確かめてみるまでだ」
アレックスはそう言うとラグラスさんを解放し、静かに目を閉じた。そのまましばらく間が開き……、
「確かに、心を読む限り、君の言ったことに偽りはなさそうだ」
アレックスの言葉に、ラグラスさんは心底安心したように胸をなで下ろした。
ってか、何!? こいつ、他人の心が読めんの!? それヤバいじゃん! じゃあ、私が心ん中でこいつを罵ってることも全て筒抜け!? ハッ! そういやこいつ、たまに私の心ん中を読んだような、尋常じゃない勘の良さを発揮してたっけ? あれ、心ん中を読んでたから!?
アレックスと目が合った。思わずギクリとなる。
「安心しろ。私が心覘術を使う時は、必要に迫られた時だけだ。普段はそんなプライバシーの侵害に当たる真似はしない」
アレックスはそう断言したけど、ホントかな? すッごく嘘くさいんだけど……。
クリンちゃんは大きな瞳いっぱいに涙をため込んで、アレックスを睨んでいる。この子、どんだけ栗饅頭が欲しいのよ? ってか、結構ワガママなんだね……。
「店主、脅かしてすまなかったな。栗饅頭を一箱いただこう」
アレックスの言葉にクリンちゃんの顔がパアッと明るくなる。
「今回限りだからな」
アレックスはクリンちゃんに背を向けたまま言った。
「うん! ありがとう、アレックス! えへへ、だ~い好き♪」
クリンちゃんは、アレックスの背中にぎゅ~っと抱きついた。
「現金な奴だ」
そうは言うけど、ちょっと嬉しそう? アレックスって何だかんだ言ってもクリンちゃんに甘いんだな。
「ユウコ、せっかくだ。お前も何か買うといい」
アレックスが私を見て言った。予期せぬ言葉に私は戸惑う。
「いいの?」
「お前だけ何も買わないというのもつまらないだろう? さぁ、早く選べ」
アレックスは無表情に淡々と促す。私はアレックスの言葉に甘え商品の物色を始めた。
「じゃあ、これ……」
私が選んだのは、白と黒の三日月がモチーフになっているネックレス。特に可愛いものではないが、この世界を象徴しているデザインに、なんだか惹かれたのだ。
「お前、こういう地味な装飾品が好きなのか? もう少しマシなものもあっただろうに……」
清算を済ませたアレックスは、私の首にネックレスをかけながら言った。
「いいでしょ別に。これが良かったの! あの……、買ってくれてありがと……」
私はボソボソと小声でお礼を言う。だって、なんだかちょっと照れくさい。
「ありがとうございました。今後とも御贔屓にー!」
ラグラスさんのよく通る声に見送られ、私達は四つ葉堂を出た。っていうか、ラグラスさん、アレックスにあんだけ脅かされてたのに、最後は何もなかったかのように平然としてたな。意外と逞しい?
「ここがね、あたし達がよく利用する雑貨屋さんなんだ。“四つ葉堂”っていうの」
クリンちゃんはそう説明してドアを開けた。カランカランと、来客を告げるベルが響く。
「いらっしゃい」
店員は若い男の人だった。明るめのブラウンの髪、垂れ目が印象的なこの店員さんはラグラス=バウェラさん。ティル・リ・ローナの人間族である。イケメンではないけど、愛嬌のある顔のお兄さんだ。年齢は十九歳。私より少し年上なだけなのに、すでに自分のお店を持ってるなんて凄いなぁ。でも、ちょっとスケベそう……。人を見た目で判断しちゃダメなんだけど……。
店内は雑然と商品が並べられている。商品の統一性は全くない。ぬいぐるみ、鍋、アクセサリー、酒、その他色々……。なんだかおかしな店だ。失礼だけど、繁盛しているようには全く見えない。
「こんにちは、ラグラスさん」
「クリンちゃん、今日も来てくれたんだ。ゆっくりしていってね」
ラグラスさんは嬉しそうに、にっこりと笑う。
「アレックスさんも珍しいですね。こんな時間にいらっしゃるなんて。えっと、そちらの子は?」
ラグラスさんが私を見る。やっぱりスケベそうな顔だと思った。
私は、最近定番になりつつある自己紹介をした。
「そうなんだ。それは大変だ。早く、そのチキュウって世界に帰れるといいね。俺も雑貨屋として、君の助けをになれたらって思うよ。欲しいものがあったらなんでも相談に乗るからね」
「はい、その時はよろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げた。スケベそうだけど(しつこい?)、結構いい人なのかもしれない。
クリンちゃんが楽しそうに商品を眺めている。その様子をラグラスさんが何とも幸せそうな顔で見つめる。……もしかして、クリンちゃんに気があるとか?
「店主、景気はどうだ?」
ラグラスさんの至福の一時を、アレックスがどうでもよさげな話題でぶち壊しにかかる。あんた……、わざと邪魔してない?
「えっ? まあ、ごらんの通り、ぼちぼち……ですかね」
ラグラスさんはハッと我に返ったようにアレックスの問いに答えた。
「そうか。……それにしても相変わらず雑然としている店だな。客のことも考え、少しはレイアウトに気を配った方がいいのではないか? 私は君が生まれる前からこの店を利用しているが、君の父親の代の時はもっときちんと整頓されていたぞ。それに比べ君は実にだらしない。こんなことでは客足が遠のいて、店をたたむ羽目になるかもしれんぞ。……もしや君は、老舗だからと安心しきっているのではあるまいな? だが最近では他国の大手企業もこの街に進出してきている。そういった相手との競争に負け、潰れた老舗も何軒かあるのだぞ? 君も、もっと危機感を持って経営に臨んだ方がいい」
アレックスは説教モードにターボをかけて淡々長々と語った。その、余計なお世話っぽい偉そうな言動に、ラグラスさんの顔は引きつっている。彼の心境はまさに天国から地獄へ、といったところだろう。
「ねえアレックス、栗饅頭買って~」
クリンちゃんはいくつかの饅頭を持ってきた。昨日出されたあの饅頭だ。紅茶とともに出されて驚いたから良く覚えている。結局昨日は食べる余裕がなかったから、手をつけずじまいだったっけ。
「自分の小遣いで買え。毎月与えているだろう」
「もう無くなっちゃったもん」
「なんだと? 新しい月が始まり、まだ一週間も経っていないのだぞ?」
「でも、無くなっちゃったんだもん。ねえねえ買ってよぉ。おーねーがーいー!」
「……さてはお前、それが目的で私を街まで引っ張り出したな? 駄目だ。無計画に散財したお前が悪い。諦めろ」
「アレックスのケチ! いいもん、じゃあここで働くから! そしたら『栗饅頭食べ放題だよ』って、ラグラスさんが言ってたもーん!」
クリンちゃんはラグラスさんをびっしーと指して言った。
「何を言い出すかと思えば……。勝手に働けばいいだろう。そうすれば、こちらとしても月々の小遣いを渡す必要もなくなるしな。私としても好都合だ」
アレックスは小馬鹿にしたような勝ち誇ったような感じで言って、クリンちゃんに背を向ける。
「へ~、本当にいいの? もしかしたらラグラスさんに、イケないことされちゃうかもしれないのに?」
クリンちゃんがまたも“イケないこと”を持ち出してきた。ってか、この子……意味わからずに使ってない? それなのに、必殺技感覚で使ってるよね……。罪な子だよ、まったく。
クリンちゃんの繰り出した必殺技は、今回はラグラスさんに対して効果テキメンだった。その証拠に、彼の顔は瞬く間に青ざめた。そしてその顔には『突然何てことを言い出すんだ、君は!』と書いてある。……でも、この人ならそういう可能性もありそう……。だって、バイトの女の子に平気で手をつけるスケベ店長みたいなオーラがどことな~く漂ってるもん。
「ラグラスさん、あたしがここに来るたびに言ってくるんだよ。ここでバイトしないって? もしかして、あたしにイケないことをしたいからじゃないのかなぁ?」
クリンちゃんの必殺技が、またも鮮やかにキマる。そんな必殺技を二度も食らってしまったラグラスさんは瀕死状態に追い込まれ、今にも気絶しそうな感じだ。
「……店主、今の話は本当なのか?」
殺気が込められている冷ややかな声音で、アレックスはラグラスさんに問いかけた。
「え!? ま、まあ、確かにバイトしないかって、誘ってはいましたけど……」
「そうか。それは、この子が言ったように、妙な下心を抱いているからか?」
アレックスはラグラスさんの胸倉をつかみ上げ、威圧的に詰め寄る。目つきが、まるで親の仇を見るような感じに険しい。こいつ……完全にキレちゃったよ…
「めっ、めめめ、滅相もない……! そっ、そんなこと、考えるわけないじゃないですか! じゅっ、じゅ、純粋にバイトが欲しいからですよ……!」
ラグラスさんはしどろもどろになって答えた。気の毒なくらい怯えている。冷や汗なんか尋常じゃないくらい凄いし……。
「ほう? しかし、それはおかしいな。こんな閑古鳥が鳴いているような店に、従業員など本当に必要なのか? 雇った者に払う賃金の捻出すら危うそうな経営状態に見えるのだが?」
げっ! こいつ、何て失礼な奴なんだよ。常連客のくせにそこまで言うか?
「そっ、そんなの言いがかりですよ……! 確かに大繁盛してるとは言えませんけど、これでも、そこそこ繁盛してるんですよ!? それこそバイトがいれば助かるのにってくらい!」
「本当だな? 今言ったこと、虚言だったら許さんぞ」
ラグラスさんの胸倉をつかむ手に、一層の力が込められる。
「う、嘘じゃないですよぉ……!」
ラグラスさんは泣きそうな哀れっぽい声で、自分は潔白だという意を示す。
「ならば、確かめてみるまでだ」
アレックスはそう言うとラグラスさんを解放し、静かに目を閉じた。そのまましばらく間が開き……、
「確かに、心を読む限り、君の言ったことに偽りはなさそうだ」
アレックスの言葉に、ラグラスさんは心底安心したように胸をなで下ろした。
ってか、何!? こいつ、他人の心が読めんの!? それヤバいじゃん! じゃあ、私が心ん中でこいつを罵ってることも全て筒抜け!? ハッ! そういやこいつ、たまに私の心ん中を読んだような、尋常じゃない勘の良さを発揮してたっけ? あれ、心ん中を読んでたから!?
アレックスと目が合った。思わずギクリとなる。
「安心しろ。私が心覘術を使う時は、必要に迫られた時だけだ。普段はそんなプライバシーの侵害に当たる真似はしない」
アレックスはそう断言したけど、ホントかな? すッごく嘘くさいんだけど……。
クリンちゃんは大きな瞳いっぱいに涙をため込んで、アレックスを睨んでいる。この子、どんだけ栗饅頭が欲しいのよ? ってか、結構ワガママなんだね……。
「店主、脅かしてすまなかったな。栗饅頭を一箱いただこう」
アレックスの言葉にクリンちゃんの顔がパアッと明るくなる。
「今回限りだからな」
アレックスはクリンちゃんに背を向けたまま言った。
「うん! ありがとう、アレックス! えへへ、だ~い好き♪」
クリンちゃんは、アレックスの背中にぎゅ~っと抱きついた。
「現金な奴だ」
そうは言うけど、ちょっと嬉しそう? アレックスって何だかんだ言ってもクリンちゃんに甘いんだな。
「ユウコ、せっかくだ。お前も何か買うといい」
アレックスが私を見て言った。予期せぬ言葉に私は戸惑う。
「いいの?」
「お前だけ何も買わないというのもつまらないだろう? さぁ、早く選べ」
アレックスは無表情に淡々と促す。私はアレックスの言葉に甘え商品の物色を始めた。
「じゃあ、これ……」
私が選んだのは、白と黒の三日月がモチーフになっているネックレス。特に可愛いものではないが、この世界を象徴しているデザインに、なんだか惹かれたのだ。
「お前、こういう地味な装飾品が好きなのか? もう少しマシなものもあっただろうに……」
清算を済ませたアレックスは、私の首にネックレスをかけながら言った。
「いいでしょ別に。これが良かったの! あの……、買ってくれてありがと……」
私はボソボソと小声でお礼を言う。だって、なんだかちょっと照れくさい。
「ありがとうございました。今後とも御贔屓にー!」
ラグラスさんのよく通る声に見送られ、私達は四つ葉堂を出た。っていうか、ラグラスさん、アレックスにあんだけ脅かされてたのに、最後は何もなかったかのように平然としてたな。意外と逞しい?
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる