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屋敷に戻ると両親が泣きながらエミリアを抱き締めてくれた。
「戻ってこないかと思ったぞ。エミリア」
「辛かったわね。エミリア」
ひとりで屋敷を飛び出したので、両親は心配してくれていた。そんな両親を、ソファーで寛ぐアニスは笑い飛ばした。
「お姉様が帰ってこないはずがないでしょう? ねぇ。お姉様」
「ええ。ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした」
「何を言う。エミリアは悪くない。……だが、オルフェオ様とアニスの話は本当なのかい?」
「……はい。申し訳ありません。私が全て至らなかったのです」
「謝らなくていい。ただ、その……。オルフェオ様はお前から妹を勧められたから、婚約を破棄したのだと言っているのだ。アニスの方が元々気に入っていたし、自分もその方が都合が良いと」
「それに。お姉様は陰気臭くて可愛げがなくてつまらないから、もう視界にも入れたくないと仰っていたわよね」
言葉を濁した父に代わってアニスがオルフェオが言った台詞を続けると、父は私を母に押し付けて怒りのままに立ち上がった。
「アニス!! お前は姉にたいして何て口を利くんだっ」
父は感情に任せてアニスの頬を叩いた。アニスは赤くなった頬を押さえ、目に一杯涙を溜めて父を睨み、怒りを吐き出した。
「お父様は何も分かってないわ!? お姉様とオルフェオ様は不釣り合いよ! 私の方がオルフェオ様と上手くいくに決まってるのにっ」
「アニスっ」
もう一度振り上げた父の手にすがり、私は止めに入った。
「お父様。止めてください。手を上げるなんて、やりすぎです」
「そうよ。コールマン公爵夫人になってこの家を支えていくのは、この私なんだからっ!」
アニスは部屋を飛び出し、二階の自室へと駆け上がり、母はそれを無言で追いかけていった。
父は狼狽えていた。アニスを叩いてしまったことと、何故こんなことになってしまったのかと嘆きながら。
それから、父はオルフェオ様と私の婚約を白紙に戻したこと、今後、私の縁談はおそらくオルフェオ様が妨害してくることを話してくれた。
オルフェオ様とアニスが婚約して、正式に式を挙げるまでは私に縁談は持ち上がらないだろう、と。
しかし、きっとその先もあのオルフェオ様なら妨害してくるだろう。父はそこまでは言わなかったが、私は分かっていた。
「戻ってこないかと思ったぞ。エミリア」
「辛かったわね。エミリア」
ひとりで屋敷を飛び出したので、両親は心配してくれていた。そんな両親を、ソファーで寛ぐアニスは笑い飛ばした。
「お姉様が帰ってこないはずがないでしょう? ねぇ。お姉様」
「ええ。ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした」
「何を言う。エミリアは悪くない。……だが、オルフェオ様とアニスの話は本当なのかい?」
「……はい。申し訳ありません。私が全て至らなかったのです」
「謝らなくていい。ただ、その……。オルフェオ様はお前から妹を勧められたから、婚約を破棄したのだと言っているのだ。アニスの方が元々気に入っていたし、自分もその方が都合が良いと」
「それに。お姉様は陰気臭くて可愛げがなくてつまらないから、もう視界にも入れたくないと仰っていたわよね」
言葉を濁した父に代わってアニスがオルフェオが言った台詞を続けると、父は私を母に押し付けて怒りのままに立ち上がった。
「アニス!! お前は姉にたいして何て口を利くんだっ」
父は感情に任せてアニスの頬を叩いた。アニスは赤くなった頬を押さえ、目に一杯涙を溜めて父を睨み、怒りを吐き出した。
「お父様は何も分かってないわ!? お姉様とオルフェオ様は不釣り合いよ! 私の方がオルフェオ様と上手くいくに決まってるのにっ」
「アニスっ」
もう一度振り上げた父の手にすがり、私は止めに入った。
「お父様。止めてください。手を上げるなんて、やりすぎです」
「そうよ。コールマン公爵夫人になってこの家を支えていくのは、この私なんだからっ!」
アニスは部屋を飛び出し、二階の自室へと駆け上がり、母はそれを無言で追いかけていった。
父は狼狽えていた。アニスを叩いてしまったことと、何故こんなことになってしまったのかと嘆きながら。
それから、父はオルフェオ様と私の婚約を白紙に戻したこと、今後、私の縁談はおそらくオルフェオ様が妨害してくることを話してくれた。
オルフェオ様とアニスが婚約して、正式に式を挙げるまでは私に縁談は持ち上がらないだろう、と。
しかし、きっとその先もあのオルフェオ様なら妨害してくるだろう。父はそこまでは言わなかったが、私は分かっていた。
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