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オルフェオ様が訪ねてくるのは昼食の時間が多い。
昨日の今日だというのに、オルフェオ様はいつも通りブロウズ邸に遊びに来ている。
いつもの様ににこやかに出迎える母から、どの面下げていらっしゃっているのかしら。うちの娘を弄びやがって……。と言う汚い言葉が漏れ聞こえた時はドキッとしたが、アニスが普段通りなのにも驚いた。
オルフェオ様はアニスを見るなり抱きしめて頬にキスをして、プレゼントを渡していた。
それを見た母は一瞬殺気立っていたが、すぐに隣国のお菓子と茶を出して上げていた。
真っ赤なクッキーは、スパイスたっぷりらしい。
私のことをオルフェオ様は完全に無視しているようなので、少し早いがリーゼロッテのところへ行くことにした。
リーゼロッテの庭へ続く裏門へ着いた時、私はしまった、と思った。今日は茶会の日では無かったのだ。
リーゼロッテが月に一度楽しみにしている婚約者様とのデートの日なので、城にもいない。
リーゼロッテの婚約者は、隣国の第二王子様。
政略結婚ではあるが、二人はとても仲が良い。
私は振り返って使用人へ声をかけた。
「ライナー。今日は帰るわ」
「よろしいのですか? あちらの方が手を振っておりますが?」
「えっ?」
裏門の柵の向こう側、庭の入り口の方でこちらに手を振る宮廷魔導師の青年の姿が見える。目が合うと野うさぎのようにこちらへ駆けてきた。
「リオン様」
「エミリア様っ。あの……実は、昨日言いそびれてしまったのですが。……良かったら、私の魔法道具の作りの手助けをしていただけませんか? リーゼロッテ様の茶会の前後の僅かな時間でも良いのです。エミリア様のご意見を伺いたいのです」
「私の……ですか?」
「はい」
柵越しに交わす会話も、真っ直ぐに自分を必要としてくれる瞳も、全て初めての事だった。
「私で良ければ、いいですよ」
「それでは早速、今からいかがですか?」
「は、はい!」
リオン様はパッと明るい笑顔になると、支度をしてきます、と言ってまた庭の方へと駆けていった。
昨日の今日だというのに、オルフェオ様はいつも通りブロウズ邸に遊びに来ている。
いつもの様ににこやかに出迎える母から、どの面下げていらっしゃっているのかしら。うちの娘を弄びやがって……。と言う汚い言葉が漏れ聞こえた時はドキッとしたが、アニスが普段通りなのにも驚いた。
オルフェオ様はアニスを見るなり抱きしめて頬にキスをして、プレゼントを渡していた。
それを見た母は一瞬殺気立っていたが、すぐに隣国のお菓子と茶を出して上げていた。
真っ赤なクッキーは、スパイスたっぷりらしい。
私のことをオルフェオ様は完全に無視しているようなので、少し早いがリーゼロッテのところへ行くことにした。
リーゼロッテの庭へ続く裏門へ着いた時、私はしまった、と思った。今日は茶会の日では無かったのだ。
リーゼロッテが月に一度楽しみにしている婚約者様とのデートの日なので、城にもいない。
リーゼロッテの婚約者は、隣国の第二王子様。
政略結婚ではあるが、二人はとても仲が良い。
私は振り返って使用人へ声をかけた。
「ライナー。今日は帰るわ」
「よろしいのですか? あちらの方が手を振っておりますが?」
「えっ?」
裏門の柵の向こう側、庭の入り口の方でこちらに手を振る宮廷魔導師の青年の姿が見える。目が合うと野うさぎのようにこちらへ駆けてきた。
「リオン様」
「エミリア様っ。あの……実は、昨日言いそびれてしまったのですが。……良かったら、私の魔法道具の作りの手助けをしていただけませんか? リーゼロッテ様の茶会の前後の僅かな時間でも良いのです。エミリア様のご意見を伺いたいのです」
「私の……ですか?」
「はい」
柵越しに交わす会話も、真っ直ぐに自分を必要としてくれる瞳も、全て初めての事だった。
「私で良ければ、いいですよ」
「それでは早速、今からいかがですか?」
「は、はい!」
リオン様はパッと明るい笑顔になると、支度をしてきます、と言ってまた庭の方へと駆けていった。
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