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番外編

異世界流、新年の過ごし方

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新年、ギルドへの挨拶へと向かったルークとアイリは、相変わらず揉みくちゃになっていた。

途中どこかで「尊い⋯」と呟く声が聞こえるが、それもそうだろう。

今日のアイリは、また一段と可愛く着飾っていた。
朝からミリーナが家にやってきてやたら張り切っているとは思ったが、どうやら「サンタさん」から貰ったカードと共に入っていたプレゼントは、この日のために用意されたものだったらしい。

珍しい服だな?とは思ったが着せ方が分からず、アリシアやミリーナに聞いたところ、どうやらこの服には特殊な着せ方があったようだ。

そして朝早くからミリーナが着付けと共に髪をアレンジして完成したのが⋯


「⋯⋯⋯アイリは妖精かと思っていたが、精霊か?いや、神秘の権化か?」

少し頭のおかしな事を言い出したルーク。
アイリが着ているのは、リューン帝国の一部の部族に伝わる民族衣装のようなものらしい。

「うちの子可愛い。アイリ、物凄く似合っているよ。」

アイリは『着物』と呼ばれる豪華な花柄の模様が入った赤い衣装を身に着け、緩く編み込んで纏められた髪には、柄とお揃いのお花でできた髪飾りをつけていた。

珍しい衣装を着てどこか戸惑った様子だったが、ルークの言葉にアイリも嬉しそうにはにかみながら笑った。

さて、そんないつも以上に着飾ったアイリを外に連れ出せば⋯⋯結果は自ずと分かるだろう。
(冒頭に戻る)


クリスマスの二の舞とばかりにギルドに人が詰めかけ、珍しい衣装キモノを着たアイリはどこか神々しささえ感じられていた。

「今年はいつも以上にいい年になりそうだわ⋯」
「ここは聖域か何かか?浄化されるみてぇだ⋯」
「アイリ様万歳⋯アイリ様万歳⋯⋯」


椅子に座らせられたアイリの前にはいつの間にか長い行列ができ、それぞれがアイリに手を合わせて拝んでいく。

チャリンーーたまに小銭が置かれていく。



どこかの国でよく見る年初めの光景に似ていたが、誰もその事を知る者はいなかった⋯⋯。



【??視点】

『ありゃ~⋯アイリちゃん、何か祀られてるんだけど⋯。アレ参拝かな?』

『⋯どうしても影響与えちゃうみたいね⋯。これ以上いくと、神人として崇められちゃいそうだから、贈り物プレゼントには気を付けて。』

『⋯はーい。』

アイリのもたらす影響の底知れなさに遠い目をしつつも、異世界で大切に可愛がられているアイリを嬉しく思う少女であった。




「あ、みなしゃん。あけまちておめでとーごじゃいましゅ。ことちもアイリとルークしゃんたちを、よろちくおねがいいたしましゅ。」
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